私を手放して、後悔は致しませんね？

第二十五話

ファグリューは、自室の机の上で悩んでいた。

カーネラの所在が判明した！

現在のカーネラは、大国で1番の商会になっている。

カーネラを取り返せれば、今までの様な惨めな生活はしなくて済む。

…筈だったのだが、その大国の第二王子との婚約の話が舞い降りたので…

なんとしても阻止をしなければならない！

…と、口に出して行っては見たものの、阻止をしに行くにしても船代が無い。

知人で友人でも有る、エルザルーバー王国の第三王子のガイル殿下に金を借りに行こうとしたのだが…？

以前に借りたお金を返していないので、今会いに行くと…返却要請が絶対にある。

※王子からお金を借りた理由…？

ネフティスのデザインした装飾品製作は、かなりの金額が必要になった。

初めは自分のところの資産で賄えると思っていたのだが…？

いや、賄える事は賄えるのだが…資産を全て投資に使うと、もしもの時の事を考えると…無一文は非常に不味い。

そう思ったファグリューは、ガイル殿下に借金をした。

しかも、ネフティスの装飾品が確実に売れると確信して、必要以上の金額を借りてしまった。

一応、無利子無担保という条件なのだが…返却もしていないのに、貸してくれと言ったところで、どうなるかは目に見えている。

なので、ファグリューが取った決断は…？

船の出港前の慌ただしくしている時間に、隙を見てコッソリ乗り込むという方法を取ったのだった。

そして到着するまで、倉庫でひたすら耐える。

…という計画で決行に移したんだけど、エルザルーバーから王都デルキアッシュ迄は、最低でも2ヶ月掛かるんだけど…？

その間、食料問題はどうするのかな？