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第二十三話

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~~~~~物語は半年前に遡る~~~~~

デルキアッシュ王国の第二王子、デルトルーティス王子と何故婚約をするという話になったかというと?

この王国では、第一王子は既に王位を継承するという話が決まっていて、第二王子の役割は下から国を支える為に尽くすと決まっていた。

それに、まだ嫁に出ていない……というより、事情があってまだ嫁に行けない姉と妹が城の中で雑務をこなしてくれている為に、本来は自分が受け持っていた仕事が姉と妹が引き受けている状態なので、割と暇な日を送っていたのだった。

何故…そうなったのかと言うと、姉と妹の嫁ぎ先は知識と教養が条件という話だという事だった。

姉も妹も王族として生まれているので、教養はそれなりにあるのだが?

知識と言われる物もそれなりにはあるんだけど、嫁ぎ先が求める知識というのが情勢や政治に関する事なので、その辺の分野はあまり深くはないので、それを身につける為にデルトルーティス王子の仕事を受け持ってこなしているのだった。

なので、デルトルーティス王子は、王位を継承する為の堅苦しい結婚は要求されず、相手は貴族であれば特に問題はないという感じだった。

では、この二人が何処で知り合うキッカケになったかというと?

実はこの二人、こんな形で出会っていたのだった。

最近巷で有名になりつつある、ノブレス・オブリージュ商会。

この商会で取り扱っている物の品々は、他でもあまり見ない珍しい物が多い。

その為に、少しでもその商品を知ろうと…ノブレス・オブリージュ商会の扉を叩く者が後を経たない。

カーネラも、人を雇う事に対しては大いに賛成なんだけど…?

その大半が、良からぬ事を考える者達ばかりで…中々人が増えることはなかった。

まぁ、中にはまともな者も数人はいたけど、他の者達と言えば…?

まぁ、そんなこんなでデルトルーティス王子は、身分を隠して商会の扉を叩き、雇用してもらえる事に成功したのだった。

そして1ヶ月間働いた結果、初めは見習いとして雇用されていたデルトルーティス王子も、能力を買われて書類整理などを任されて行き…現在では、カーネラの補佐を務められる程になったのだった。

「ルーティンは非常に能力が高い…ううん、高過ぎる感じだけど…本当に商会の仕事はしたことはないの?」

「自分は、こう言った職種の仕事は初めての経験ですね。まぁ、商会ではありませんでしたが…立場上の問題としては、書類作成や計算はよく行なっていました。」

…という感じで、意気投合したカーネラとデルトルーティス王子でしたが、この1ヶ月後にふとした事でデルトルーティスが王子だという事が明かされます。

そうなってからの展開は非常に早く進んで行き…

この二人の婚約の話が決まりました。

……ですが、物事はそう簡単に行かないんですよねぇ?
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