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第四章 あれ? おかしくないかな?
第十二話・最終回 今度の人生で私は…バックレてやる‼
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「仕方ないじゃないか…天言の鏡に偽りはない!」
「それは知っているわ…その所為で私の進むべき道を示されてから全うする羽目になったんだから…」
私は天井を見上げながら絶望感が襲って来たのだった。
また不運な死を遂げて、転生するのだろう…と。
私の転生後の人生って、何かしらの大きな役目が付きまとうのね…
すると、今度生まれ変わるのは、また100年後かぁ…
そうなると、この物語のタイトルも…
『六度の人生を不幸な出来事で幕を閉じた転生少女は、七度目の転生で今度こそ絶対に幸せを掴みたい!』
…になるんだろうなぁ?
「あ、そうか! まだ可能性はあるわね…?」
「どうした? 可能性とはなんだ?」
「天言の鏡の情報は、まだ世界に配信されてないわよね? なら、この場の皆が黙っていれば…私の役目は果たされずに好きな事が出来るでしょ?」
「ノワール…役目を放棄する気か?」
「だってぇ…今回の人生の役目を果たそうとすれば、どう足掻いても最後は不運な死の未来しか見えないもん!」
私の発言に、謁見の間にいる皆は呆れた顔をした。
事情を知っている…国王と王妃とアルマは、難しい顔をしながら黙っていた。
「おかしいと思ったのよねぇ…今迄の転生の人生では、一番最初の世界の知識は…どの転生でも受け継いでいたけど、聖女の時代の時は魔女の魔法は使えなかったし、今回の人生では魔女時代の魔法と聖女時代の癒しの術、騎士時代の剣技が使えるんだもん!」
「だから今回の天言の鏡で結果がアレか…」
私は国王に指さして言った。
「アーレフ! 絶対に世界に向けて公表しないでよ‼ 私が世界を救う…何て事は絶対にしたくないんだからね‼」
「ノワール…天言の鏡の役割を放棄する気か⁉」
「ノワール、私もこの鏡のお告げが本当だとしたら、とても名誉な事だと思うぞ!」
「あのねぇ…アルマにもう1つ話してあげるけど…」
「なんだ、何かあるのか?」
「今までの人生では、私は20歳を越えた頃に毎回死が訪れるのよ。 それで、その事を踏まえると…私の寿命は後1年なのよ‼ ただ…役目を全うすれば…の話だけどね!」
「まぁ…そういう理由なら確かに迷いが出るかもしれないな…名誉な事と言ったのは謝る。」
「解れば良いのよ‼ という訳で、アーレフにフラーマ…今度の私は、役目を放棄してバックレます!」
私は決め顔で国王と王妃に宣言した。
国王アーレフは慌てた表情をして、王妃のフラーマは笑っていた。
「あ…あのぅ…ノワール様、1つ宜しいでしょうか?」
先程、天言の鏡を近付けて来た騎士が私に質問した。
「なによ?」
「先程の天言の鏡の情報は、もう世界中に広まりました…」
「は? 貴方…何勝手な事をしているのよ⁉」
「いえ、自分が何かをしたわけでは無く…ノワール様の開示された情報は、この天言の鏡に映し出された後にすぐ各国の王に送られる仕組みになっているのです!」
「えぇ⁉」
この天言の鏡にそんな機能は無かった筈だ!
まさか…この数百年で性能がアップデートされたの⁉
「アーレフ…」
「………なんだ?」
「どういう事なの? この鏡にそんな機能は無かった筈よね?」
「この天言の鏡は天より与えられた神器で…特定の人物が映されると、その情報が世界の王に届く仕様になっていて…なので断じてわたしの所為ではない‼」
「でも、元はと言えば…アーレフがこの時代の私の役目を確認したいといってこの天言の鏡を使ったからでしょ‼」
私は宙に、全属性の巨大な塊を出現させた。
そんな私の姿を見て、アーレフは叫んだ。
「ノワール! 何をする気だ⁉」
「これからバルデェシアン王国は、世界地図から消えるのよ。 そのふざけた鏡も一緒に木っ端微塵にね‼」
「そういう魔法は、魔王に放ってくれ‼ それに君が我が国を地図から消したりでもしたら、君が魔王と呼ばれる存在になるぞ‼」
「あら…それも良いわね! 六度目の転生で幸せを掴めると思っていたのにそれも無理なら、いっその事…魔王になって世界を滅ぼし尽くそうかしら?」
「早まるな‼ それに今度の人生では…早々に死ぬとは限らないだろ⁉」
「死ぬわよ‼ 今迄がそうだったんだから‼」
私の20歳を越えたら死ぬ運命というのは、決定事項というか…もはや呪いという気がしてならない。
何故なら、今度の…いえ、今回の転生の役目が【勇者】だからだ‼
『【勇者】となって【魔王】を倒せ‼』
それが天言の鏡に表示されたお告げだった。
っていうかさぁ、勇者って何?
いや、勇者という意味が解らない訳ではない!
「だって、魔王は勇者によって倒された筈よね? 聖女時代の私の体を使って聖剣が完成されて倒したんでしょう?」
「あぁ、先代の魔王はそうだな。」
「先代の…という事は、まさか魔王が新たに⁉」
「あぁ…まだ表立った活動はしていないが、新たな魔王が生まれたという報告は受けている…」
「なら…今すぐブチ殺して結婚相手を探す旅に出て…」
国王アーレフは深呼吸した後に落ち着いた様子で話を始めた。
「1人で行動するのはやめておいた方が良い…今迄の人生では1人で何かを成そうとして失敗しただろ?」
「今迄の人生は、身近な人間の裏切りの所為で殺された事が多かったけどね…」
「う…確かにそうだったな。 だが、今回は仲間を集めてから挑むという風にしないか? そうすれば…1人で戦うより死ぬ確率は減るだろ?」
「確かに…」
私はそう言いながらアルマを見た。
今の私は、剣技ではアルマよりは強い…でも、腕力や体力では敵わない。
仲間か…?
仲間ねぇ…?
う~~~ん⁉
魔女時代の時は、弟子の裏切りにより火あぶりになったし…
騎士時代の時は、同僚を庇おうとして突き飛ばされて八つ裂きに遭ったし…
聖女時代の時は、仲良かった聖女候補に古代の聖剣の製錬法という書物を国王に見せてからあんな死に方をし…
メイド時代の時は、仲良かった同僚に捏造されて処刑する目に遭ったし…
どの時代でも身近な人間が裏切って殺されて来たのよね…?
「アルマ、正直に答えて欲しいんだけど…」
「何だ? 何が聞きたい?」
「アルマは、私の事を殺したいと思った事はある?」
「そんな事! ある訳ない…だろ~!」
「いま、最後に視線逸らしたよね?」
「解った、正直に答えよう。 殺したい訳ではなかったが…メスゴリラと言われた時やクリームどら焼きの中身がクリームでは無くマスタードを入れられた時や他にも多数の嫌がらせをされた時は、思わず殺してやろうかと思った事は何度かある。 だが、本気で殺したいと思った事は無い!」
「それ…信用しても良いの?」
「ノワールがこれ以上嫌がらせをしなければな!」
アルマは平気そうだね。
まぁ、もっとも…アルマは解り易いからその兆候が見えたらすぐに解るから大丈夫だろう。
そうなると、それ以外の仲間になる人物が問題になる可能性があるかもね?
「そういえばアーレフ? 魔王討伐に仲間の話をしたという事は、誰かのあてがあるの?」
「あぁ…少し待っていてくれ!」
私はその場で待っていると、謁見の間の扉が開いて…そこにはエルフの美少女が入って来た。
その美少女の特徴は…大人に近い顔付で、身長と胸は私より大きく、胸を強調するようなローブにスリットスカートの様に足がチラリと見える服装だった。
「貴女…もしかして、ファティマ?」
「久しぶりです、ノワール姉様…」
ファティマとは、500年前の魔女時代に会っていた。
ただその時は、私より身長が低くて…この城に来ている時は私の後ろをちょこちょこと歩いていた。
それが…何という事でしょう!
あのあどけなく可愛らしかった女の子が、見事なナイスバディに生まれ変わったでありませんか⁉
「エルフとはいっても、さすがに500年も経てば容姿は変わるよね?」
「ノワール姉様は…小さくなりましたね?」
「貴女が大きくなったの…って、アーレフ…私の仲間の宛てってファティマ?」
「あぁ…ファティマの事だ! ファティマは全属性以外に魔力もノワールに引けを取らない量を秘めている。」
確かにファティマなら、仲間としては申し分ない。
それに顔も知らない者を仲間に入れるよりも、顔見知りの者が仲間になるのは大賛成だ。
ある意味、アルマよりも付き合いは長いしね。
私はファティマを見ると、アルマと握手をしていた。
基本的にエルフ族は、人間をあまり快く思わない傾向があるけど…ファティマにはそれが見受けられない。
これなら大丈夫そうね!
「アーレフ、フラーマ…あなた達の娘をお預かりします。」
「ノワールよ、娘を頼む!」
「ファティマ、しっかりね!」
「はい、お父様、お母様!」
ファティマは、アーレフとフラーマの元に行くと、抱き合って別れを告げていた。
「それでノワール、この後はどうする?」
「仲間はあと1人考えていて、あてはあるの。 後は…アーレフに聞きたいんだけど?」
「ふむ?」
「私の騎士時代にあったレヴナンツディール王国と、聖女時代にあったメルキサス聖法国はまだあるの?」
「レヴナンツディール王国は、健在はしているが国名が変わってヴァルデリア帝国となっている。 メルキサス聖法国は…200年前の魔王との戦いで壊滅に近い状態になり、国が維持出来ずに…現在では大神殿がある街に縮小されている。」
「という事は、聖剣はもう無いのね…新たな聖剣を作らないと駄目かしら?」
「なら、ゼライガス渓谷の石鉱国ヴァルキサスを目指したら良いんじゃないか?」
「石鉱国ヴァルキサスって、確か…ドワーフが治める地底城の?」
「いや、今は地底城ではなく、地上に城を構えている。 国王はノワールも知る彼だ!」
「まさか…ガンドムがまだ生きているの⁉」
「彼はエルダーだからな。 普通のドワーフより長生きなのさ。」
だからか…ドワーフにしては身長が高いと思ったわ。
確かに彼の技術なら…聖剣は作れそうね?
「最後に魔王のいる場所は?」
「それはまだ分からない…だが、近々存在も明らかになるだろう。」
肝心な情報が解らず仕舞いか…
仕方ないから、少しずつ探りを入れよう。
「次の目的地が決まったわ! でもその前に…旅支度として、しばらくこの国の店を回るつもり。」
「なら、この国で最高の宿を用意しよう! 連絡を入れて置くから、滞在している間はそこを利用してくれ!」
「何から何までありがとうね…いえ、ありがとうございます! 国王陛下、王妃陛下…」
「古き友よ…また会える日を楽しみにしているぞ!」
「ノワールも…元気でね! もしも死んだら、転生後にまた会いましょう!」
「フラーマ! 縁起でもない事を言わないで‼」
私とアルマとファティマは謁見の間を出た。
そして街に向かう最中に2人を見た。
アルマは凛々しく、ファティマはセクシー系?
そして私はちんちくりん…今度は2人の引き立て役になるのね。
さっさと魔王を倒して、今度こそ1人で旅をして良い男をゲットするんだから‼
ノワールは硬く決心をした!
こうしてノワール達の旅は、より過酷な物へと進むのであった。
そして…ノワールの仲間になる宛とは?
この続きは、第五章に続くのであった。
・・・・・・・・・第四章・完・・・・・・・・・
・・・・・・・・・第五章へ続く・・・・・・・・
「それは知っているわ…その所為で私の進むべき道を示されてから全うする羽目になったんだから…」
私は天井を見上げながら絶望感が襲って来たのだった。
また不運な死を遂げて、転生するのだろう…と。
私の転生後の人生って、何かしらの大きな役目が付きまとうのね…
すると、今度生まれ変わるのは、また100年後かぁ…
そうなると、この物語のタイトルも…
『六度の人生を不幸な出来事で幕を閉じた転生少女は、七度目の転生で今度こそ絶対に幸せを掴みたい!』
…になるんだろうなぁ?
「あ、そうか! まだ可能性はあるわね…?」
「どうした? 可能性とはなんだ?」
「天言の鏡の情報は、まだ世界に配信されてないわよね? なら、この場の皆が黙っていれば…私の役目は果たされずに好きな事が出来るでしょ?」
「ノワール…役目を放棄する気か?」
「だってぇ…今回の人生の役目を果たそうとすれば、どう足掻いても最後は不運な死の未来しか見えないもん!」
私の発言に、謁見の間にいる皆は呆れた顔をした。
事情を知っている…国王と王妃とアルマは、難しい顔をしながら黙っていた。
「おかしいと思ったのよねぇ…今迄の転生の人生では、一番最初の世界の知識は…どの転生でも受け継いでいたけど、聖女の時代の時は魔女の魔法は使えなかったし、今回の人生では魔女時代の魔法と聖女時代の癒しの術、騎士時代の剣技が使えるんだもん!」
「だから今回の天言の鏡で結果がアレか…」
私は国王に指さして言った。
「アーレフ! 絶対に世界に向けて公表しないでよ‼ 私が世界を救う…何て事は絶対にしたくないんだからね‼」
「ノワール…天言の鏡の役割を放棄する気か⁉」
「ノワール、私もこの鏡のお告げが本当だとしたら、とても名誉な事だと思うぞ!」
「あのねぇ…アルマにもう1つ話してあげるけど…」
「なんだ、何かあるのか?」
「今までの人生では、私は20歳を越えた頃に毎回死が訪れるのよ。 それで、その事を踏まえると…私の寿命は後1年なのよ‼ ただ…役目を全うすれば…の話だけどね!」
「まぁ…そういう理由なら確かに迷いが出るかもしれないな…名誉な事と言ったのは謝る。」
「解れば良いのよ‼ という訳で、アーレフにフラーマ…今度の私は、役目を放棄してバックレます!」
私は決め顔で国王と王妃に宣言した。
国王アーレフは慌てた表情をして、王妃のフラーマは笑っていた。
「あ…あのぅ…ノワール様、1つ宜しいでしょうか?」
先程、天言の鏡を近付けて来た騎士が私に質問した。
「なによ?」
「先程の天言の鏡の情報は、もう世界中に広まりました…」
「は? 貴方…何勝手な事をしているのよ⁉」
「いえ、自分が何かをしたわけでは無く…ノワール様の開示された情報は、この天言の鏡に映し出された後にすぐ各国の王に送られる仕組みになっているのです!」
「えぇ⁉」
この天言の鏡にそんな機能は無かった筈だ!
まさか…この数百年で性能がアップデートされたの⁉
「アーレフ…」
「………なんだ?」
「どういう事なの? この鏡にそんな機能は無かった筈よね?」
「この天言の鏡は天より与えられた神器で…特定の人物が映されると、その情報が世界の王に届く仕様になっていて…なので断じてわたしの所為ではない‼」
「でも、元はと言えば…アーレフがこの時代の私の役目を確認したいといってこの天言の鏡を使ったからでしょ‼」
私は宙に、全属性の巨大な塊を出現させた。
そんな私の姿を見て、アーレフは叫んだ。
「ノワール! 何をする気だ⁉」
「これからバルデェシアン王国は、世界地図から消えるのよ。 そのふざけた鏡も一緒に木っ端微塵にね‼」
「そういう魔法は、魔王に放ってくれ‼ それに君が我が国を地図から消したりでもしたら、君が魔王と呼ばれる存在になるぞ‼」
「あら…それも良いわね! 六度目の転生で幸せを掴めると思っていたのにそれも無理なら、いっその事…魔王になって世界を滅ぼし尽くそうかしら?」
「早まるな‼ それに今度の人生では…早々に死ぬとは限らないだろ⁉」
「死ぬわよ‼ 今迄がそうだったんだから‼」
私の20歳を越えたら死ぬ運命というのは、決定事項というか…もはや呪いという気がしてならない。
何故なら、今度の…いえ、今回の転生の役目が【勇者】だからだ‼
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っていうかさぁ、勇者って何?
いや、勇者という意味が解らない訳ではない!
「だって、魔王は勇者によって倒された筈よね? 聖女時代の私の体を使って聖剣が完成されて倒したんでしょう?」
「あぁ、先代の魔王はそうだな。」
「先代の…という事は、まさか魔王が新たに⁉」
「あぁ…まだ表立った活動はしていないが、新たな魔王が生まれたという報告は受けている…」
「なら…今すぐブチ殺して結婚相手を探す旅に出て…」
国王アーレフは深呼吸した後に落ち着いた様子で話を始めた。
「1人で行動するのはやめておいた方が良い…今迄の人生では1人で何かを成そうとして失敗しただろ?」
「今迄の人生は、身近な人間の裏切りの所為で殺された事が多かったけどね…」
「う…確かにそうだったな。 だが、今回は仲間を集めてから挑むという風にしないか? そうすれば…1人で戦うより死ぬ確率は減るだろ?」
「確かに…」
私はそう言いながらアルマを見た。
今の私は、剣技ではアルマよりは強い…でも、腕力や体力では敵わない。
仲間か…?
仲間ねぇ…?
う~~~ん⁉
魔女時代の時は、弟子の裏切りにより火あぶりになったし…
騎士時代の時は、同僚を庇おうとして突き飛ばされて八つ裂きに遭ったし…
聖女時代の時は、仲良かった聖女候補に古代の聖剣の製錬法という書物を国王に見せてからあんな死に方をし…
メイド時代の時は、仲良かった同僚に捏造されて処刑する目に遭ったし…
どの時代でも身近な人間が裏切って殺されて来たのよね…?
「アルマ、正直に答えて欲しいんだけど…」
「何だ? 何が聞きたい?」
「アルマは、私の事を殺したいと思った事はある?」
「そんな事! ある訳ない…だろ~!」
「いま、最後に視線逸らしたよね?」
「解った、正直に答えよう。 殺したい訳ではなかったが…メスゴリラと言われた時やクリームどら焼きの中身がクリームでは無くマスタードを入れられた時や他にも多数の嫌がらせをされた時は、思わず殺してやろうかと思った事は何度かある。 だが、本気で殺したいと思った事は無い!」
「それ…信用しても良いの?」
「ノワールがこれ以上嫌がらせをしなければな!」
アルマは平気そうだね。
まぁ、もっとも…アルマは解り易いからその兆候が見えたらすぐに解るから大丈夫だろう。
そうなると、それ以外の仲間になる人物が問題になる可能性があるかもね?
「そういえばアーレフ? 魔王討伐に仲間の話をしたという事は、誰かのあてがあるの?」
「あぁ…少し待っていてくれ!」
私はその場で待っていると、謁見の間の扉が開いて…そこにはエルフの美少女が入って来た。
その美少女の特徴は…大人に近い顔付で、身長と胸は私より大きく、胸を強調するようなローブにスリットスカートの様に足がチラリと見える服装だった。
「貴女…もしかして、ファティマ?」
「久しぶりです、ノワール姉様…」
ファティマとは、500年前の魔女時代に会っていた。
ただその時は、私より身長が低くて…この城に来ている時は私の後ろをちょこちょこと歩いていた。
それが…何という事でしょう!
あのあどけなく可愛らしかった女の子が、見事なナイスバディに生まれ変わったでありませんか⁉
「エルフとはいっても、さすがに500年も経てば容姿は変わるよね?」
「ノワール姉様は…小さくなりましたね?」
「貴女が大きくなったの…って、アーレフ…私の仲間の宛てってファティマ?」
「あぁ…ファティマの事だ! ファティマは全属性以外に魔力もノワールに引けを取らない量を秘めている。」
確かにファティマなら、仲間としては申し分ない。
それに顔も知らない者を仲間に入れるよりも、顔見知りの者が仲間になるのは大賛成だ。
ある意味、アルマよりも付き合いは長いしね。
私はファティマを見ると、アルマと握手をしていた。
基本的にエルフ族は、人間をあまり快く思わない傾向があるけど…ファティマにはそれが見受けられない。
これなら大丈夫そうね!
「アーレフ、フラーマ…あなた達の娘をお預かりします。」
「ノワールよ、娘を頼む!」
「ファティマ、しっかりね!」
「はい、お父様、お母様!」
ファティマは、アーレフとフラーマの元に行くと、抱き合って別れを告げていた。
「それでノワール、この後はどうする?」
「仲間はあと1人考えていて、あてはあるの。 後は…アーレフに聞きたいんだけど?」
「ふむ?」
「私の騎士時代にあったレヴナンツディール王国と、聖女時代にあったメルキサス聖法国はまだあるの?」
「レヴナンツディール王国は、健在はしているが国名が変わってヴァルデリア帝国となっている。 メルキサス聖法国は…200年前の魔王との戦いで壊滅に近い状態になり、国が維持出来ずに…現在では大神殿がある街に縮小されている。」
「という事は、聖剣はもう無いのね…新たな聖剣を作らないと駄目かしら?」
「なら、ゼライガス渓谷の石鉱国ヴァルキサスを目指したら良いんじゃないか?」
「石鉱国ヴァルキサスって、確か…ドワーフが治める地底城の?」
「いや、今は地底城ではなく、地上に城を構えている。 国王はノワールも知る彼だ!」
「まさか…ガンドムがまだ生きているの⁉」
「彼はエルダーだからな。 普通のドワーフより長生きなのさ。」
だからか…ドワーフにしては身長が高いと思ったわ。
確かに彼の技術なら…聖剣は作れそうね?
「最後に魔王のいる場所は?」
「それはまだ分からない…だが、近々存在も明らかになるだろう。」
肝心な情報が解らず仕舞いか…
仕方ないから、少しずつ探りを入れよう。
「次の目的地が決まったわ! でもその前に…旅支度として、しばらくこの国の店を回るつもり。」
「なら、この国で最高の宿を用意しよう! 連絡を入れて置くから、滞在している間はそこを利用してくれ!」
「何から何までありがとうね…いえ、ありがとうございます! 国王陛下、王妃陛下…」
「古き友よ…また会える日を楽しみにしているぞ!」
「ノワールも…元気でね! もしも死んだら、転生後にまた会いましょう!」
「フラーマ! 縁起でもない事を言わないで‼」
私とアルマとファティマは謁見の間を出た。
そして街に向かう最中に2人を見た。
アルマは凛々しく、ファティマはセクシー系?
そして私はちんちくりん…今度は2人の引き立て役になるのね。
さっさと魔王を倒して、今度こそ1人で旅をして良い男をゲットするんだから‼
ノワールは硬く決心をした!
こうしてノワール達の旅は、より過酷な物へと進むのであった。
そして…ノワールの仲間になる宛とは?
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