上 下
29 / 35
本編

第二十八話 決戦!

しおりを挟む
 「ちょっと数が多いわね?」

 レオナリアはそう言うと、穴の真上に黒い球体を出現させた。

 すると穴から這い出てきた小型の魔獣が黒い球体の中に吸い込まれて行った。

 「これは…?」

 「闇魔法のブラックホールという魔法でね、数が多そうだったし…小型の相手をいちいちしているのも面倒だったから一掃したの。」

 私は小型の魔獣達が悲鳴を上げながら黒い球体に吸い込まれて行く光景を眺めていた。

 私もルーナリア先生から色々魔法は教わってきたつもりだったけど、こんな魔法は教わった事がなかった。

 まぁ、私に闇属性は無いしね。

 「小型で軽いのは吸い込まれて行ったから、あとは中型と大型が残っているわよ!」

 「これからが本番というところね!」

 ルーナリア先生がそう言うと、神殿騎士団と王国騎士団達は一斉に武器を抜いた。

 私は味方の士気と能力を高める聖歌を発動すると、両騎士団達は声を上げながら穴から這い出てきた魔獣達に立ち向かって行った。

 私もルーナリア先生もレオナリアさんも魔法で応戦をした。

 神殿騎士団も王国騎士団もそれ相応の強さで対応して行った。

 中型も大型の魔獣も騎士団が連携して始末出来ていた。

 …そう、ここまでは順調に思えた。

 ところが、今の有利な状況覆す事になろうと言う相手が現れなければ…

 『雑兵共ではこんな物か…』

 ギアスの大穴の底から地の底から響く様な不気味な声が聞こえて来て、その声の主が私達の前に姿を現したのでした。

 「な、何なのよこの声⁉︎」

 「まさか…魔界の貴族⁉︎」

 その者の姿は身長が5m位の人型の姿をしていて、肉食獣の様な顔に巨大な角の生えた黒衣の男でした。

 『様子見をする為に雑兵共を差し向けて傍観するつもりだったが…まぁ良い! これからは我が相手をしてやろう。』

 私がギアスの大穴の瘴気の中から魔物や魔獣が出て来たのは知っていた。

 だけど、言葉を話す知能の高い者がいることは書物に記されていなかった。

 「何者なの‼︎」

 レオナリアさんが尋ねると、その黒衣の男はこう告げた。

 『我が名は魔界神帝グラシャラボレアス! 魔界を統治する……』

 その話を遮ってレオナリアとルーナリアは極大魔法をグラシャラボレアスに叩き込んだ。

 ところが…グラシャラボレアスは煙でも払うかの様に二人の魔法を払い除けた。

 『これが全力か? 全く…この程度の奴程度に梃子摺るとは、我が軍の質も落ちたものだな。』

 グラシャラボレアスはそう言うと、魔法陣を出現させて四人の配下を出現した。

 グラシャラボレアスは四人の配下に命令をすると、神殿騎士団も王国騎士団も数人を残して殲滅させた。

 騎士団を倒した後に配下達は、当然私達に向かって攻撃を仕掛けて来た。

 私は結界魔法で凌いでいたけど、結界にヒビが入って砕けそうになったいた所に…

 「待たせてごめんね、これからは私達が相手をするから!」

 ピケットが私達の横から通り抜ける様に現れて、配下達に斬り掛かって行った。

 ピケット達のプリズムナイツの強さは別格の強さで、配下をあっという間に始末をした。

 …ところが、最強だと思っていたプリズムナイツもグラシャラボレアス相手には…?

 私達はどうなってしまうのだろうか?

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

平民の娘だから婚約者を譲れって? 別にいいですけど本当によろしいのですか?

和泉 凪紗
恋愛
「お父様。私、アルフレッド様と結婚したいです。お姉様より私の方がお似合いだと思いませんか?」  腹違いの妹のマリアは私の婚約者と結婚したいそうだ。私は平民の娘だから譲るのが当然らしい。  マリアと義母は私のことを『平民の娘』だといつも見下し、嫌がらせばかり。  婚約者には何の思い入れもないので別にいいですけど、本当によろしいのですか?    

婚約破棄は結構ですけど

久保 倫
ファンタジー
「ロザリンド・メイア、お前との婚約を破棄する!」 私、ロザリンド・メイアは、クルス王太子に婚約破棄を宣告されました。 「商人の娘など、元々余の妃に相応しくないのだ!」 あーそうですね。 私だって王太子と婚約なんてしたくありませんわ。 本当は、お父様のように商売がしたいのです。 ですから婚約破棄は望むところですが、何故に婚約破棄できるのでしょう。 王太子から婚約破棄すれば、銀貨3万枚の支払いが発生します。 そんなお金、無いはずなのに。  

飽きたと捨てられましたので

編端みどり
恋愛
飽きたから義理の妹と婚約者をチェンジしようと結婚式の前日に言われた。 計画通りだと、ルリィは内心ほくそ笑んだ。 横暴な婚約者と、居候なのに我が物顔で振る舞う父の愛人と、わがままな妹、仕事のフリをして遊び回る父。ルリィは偽物の家族を捨てることにした。 ※7000文字前後、全5話のショートショートです。 ※2024.8.29誤字報告頂きました。訂正しました。報告不要との事ですので承認はしていませんが、本当に助かりました。ありがとうございます。

美しい姉と痩せこけた妹

サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――

ヒロインはあなたじゃない

三木谷夜宵
ファンタジー
公爵令嬢のリア・ハインツシュタインは、王立学園の卒業式を前に行われた舞踏会で婚約者であるエリアス殿下に、真実の愛で結ばれた男爵令嬢のルイーザを虐げたという理由で婚約破棄を言い渡される。 かつてこの学園では真実の愛で結ばれた身分違いのロマンスがあり、殿下と男爵令嬢は、自分たちもそのロマンスのように真実の愛で困難を乗り越えていけると夢を見ていた。 そんな二人の様子を見たリアは、ロマンスの真実を語るであった。 カクヨムにも公開しています。

王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」 公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。 血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。

田舎娘をバカにした令嬢の末路

冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。 それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。 ――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。 田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。

このパーティーはもう卒業式の後でしてよ? 貴族学校を卒業して晴れて大人の仲間入りを果たしてるのですから対応も大人扱いにさせていただきますわね

竹井ゴールド
恋愛
 卒業パーティーで王子が男爵令嬢を虐げていたと婚約者に婚約破棄を突き付けようとする。  婚約者の公爵令嬢には身に覚えのない冤罪だったが、挙げられた罪状を目撃したというパーティー参加者が複数名乗り出た事で、パーティーは断罪劇へと発展した。  但し、目撃者達への断罪劇へと。 【2022/8/23、出版申請、9/7、慰めメール】 【2022/8/26、24hポイント1万2600pt突破】 【2022/9/20、出版申請(2回目)、10/5、慰めメール】 【2022/11/9、出版申請(3回目)、12/5、慰めメール】 【2022/12/24、しおり数100突破】 【2024/9/19、出版申請(4回目)】

処理中です...