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本編

第二十五話 使命

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 「ついこの間に馬鹿王子との婚約が破棄されて、ようやくマーテルリアに安寧が訪れて喜んでいたと言うのに…」

 「元聖女ダイア…ダイア男爵令嬢か! 大事な妹にこの様な仕打ちをしてくれた事…奴の命で償ってくれるわ‼︎」

 「待ってテリス兄さん! それをするのは少し待って欲しいの。」

 「何故だ! このままではリアは聖女の使命を果たして死ぬかもしれないんだぞ‼︎」

 親や兄弟が嘆いたり憤りを表すのは当然の事だと思う。

 私も魔法が使える能力が無ければ、先に待っているのが絶望しかないとも…

 でも、元聖女ダイアを悔しがらせられる方法を思い付いたので、私はその話を家族に打ち明けた。

 「だが、聖女の使命は必ず命を落とすと言う物ではないのか?」

 「歴代の聖女達は、恐らく聖女の力のみで対応をして来ただけだと思うの。 だけど私には聖女の力以外に魔法の力もあるから、歴代の聖女達に比べたら遥かに有利に働くかもしれないわよ。」

 「だ、だがな…」

 そうはいっても家族達は納得はできなかった。

 今迄の聖女達が使命を果たした後に死亡していなければ、家族達もそんな不安を感じる事は無かったと思う。

 「それに私は1人じゃないしね!」

 私はパケットを見ると、パケットはゆっくりと頷いた。

 「今回の不手際には、私も責任を感じております。 私も責任を持ってリアに助力をするつもりです。」

 「パケット殿…」

 こうして家族とに話し合いを終えた私は、パケットと共に自室に戻って来た。

 そこで私達はこんな話し合いをしていた。

 「ねぇ、パケット…元聖女ダイアの魔法を見た時に変だと思わなかった?」

 「瘴気とは、地獄から噴き出す黒い煙の様な物…の筈なのに、ダイアの使っていた魔法は明らかに実体がある物を相手にする為の魔法に思えたね。」

 「神殿側が何を隠しているのかは分からないけど、聖女の魔法は明らかに浄化をする為の魔法とは思えなかった。 いや、中には浄化魔法もあるかもしれないけど…」

 そう…元聖女ダイアの使った魔法の殆どが、物理主体の攻撃魔法だったのが不思議に思っていた。

 私は翌日には神殿に赴かないと行けなくなる。

 パケットには、瘴気の情報を得てもらう為に別行動をするのでした。

 翌日…私は神殿から迎えに来た騎士達に神殿まで向かう事になった。

 パケットは日を跨ぐ前には既に動いていたみたいだった。

 そこから先は…神殿長の話や聖女の使命などを話されたけど、それを省略して貰ってから聖女の魔法を習って行った。

 「なるほど、聖女の魔法って…その使用したい魔法を頭に思い浮かべると詠唱が頭に浮かんでくるのね。 通りで頭の悪そうな元聖女ダイアが詠唱を覚えていた訳だわ!」

 私は既に魔法の知識があったお陰で、聖女魔法の習得は呆気ない位に早く習得出来た。

 その旨を伝えると、神殿側は今すぐにでも私をギアスの大穴に連れて行きたそうだけど…

 私は他に準備があると言う事で時間を設けて貰った。

 元聖女ダイアの所為で逃げ出さないかと不審がられたけど、私はそんな気はないと言ってから、行き先を告げた。

 「あれから二年くらい経つけど、ルーナリア先生は元気かな?」

 そう…私の向かう先はバーンシュタット魔法道具二号店だった。

 そのお店で私は…意外な人と会う事になるのでした。
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