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本編
第十二話 ファステス王子 企み…多分失敗
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ファステス王子の教育係であるピエルは今日も呆れていた。
この王子は本当に努力をする事も、王族としての最低知識を学ぶ姿勢も全く無い。
ただ単に生産性も無い毎日をダラダラと過ごすだけの…っと、それを言ったらまんまボクにも跳ね返って来ますね。
それにこの我が儘馬鹿王子は、未来の妻であるマーテルリア公爵令嬢にお会いしたいと申されるが、12歳になるまでお会い出来ないと聞かされている筈なのに…それを無視して手紙を送りつけようとしやがった。
余計な仕事を増やすんじゃねーよ!
雇用される時にやたら金額が破格な雇用条件というのがよく分かった。
この馬鹿王子…もとい、ファステス王子の教育係は早い者で1ヶ月以内、長く続いても2ヶ月以内で辞めて行っている。
分かる気がする…この馬鹿王子の面倒は本当に大変だからだ!
ボクも…あと何日持つんだろうね?
~~~~~ファステス王子~~~~~
今日も今日とでマーテルリアを待っているが、俺に一向に会いに来ない。
王子である俺様の命令を無視するとはいい度胸じゃねーか!
俺は別にマーテルリアという女が別に好きでは無い。
婚約者なら俺のそばにいて命令を出来るしもべとして扱ってやろうと思っていただけだった。
8歳の頃…俺の誕生日に俺の婚約者候補と面会する時に、2人の公爵令嬢にあった。
地味な格好だが中々のマーテルリアと、元々の原型がとどめていない様なデブ…いや、豚が目の前にいた。
貴族達の話では、バーテクシス公爵の娘は非常に可愛いと聞いていたので…俺の婚約者になる女はバーテクシス公爵の娘だとばかり思っていたが、実際に目にすると醜い豚だった。
貴族達はこんな豚が可愛いと思っているのか?
どうやら…俺とは違って目が腐っている者達なのだろうと思ってマーテルリアを見る。
豚に比べたらマーテルリアの方が多少マシだったので、俺はこの女を選んだ。
そして俺の話を色々聞かせてやろうと思って近付こうとすると、マーテルリアは騎士達に連れ去られてしまって話す事が一切出来なかった。
まぁ、連れ去られた場所が王宮という話だから会う機会もあるだろう…なんて思っていたが、未だに会えずじまいだった。
そして今日はピエスから情報を仕入れた。
マーテルリアが親父に会いに来る為に謁見の間に来るという話だった。
「ようやく会える訳だな! なら俺は此処で待ち伏せてやろう。」
俺は北の区画と城に行く道の近くで隠れて待っていた。
だが、幾ら待っても一向に現れる事はなかった。
そして夜まで待っても現れる事がなく…俺は自室に戻ってピエスに話を聞いた。
「マーテルリア公爵令嬢ですか? 講師の方と共に会われてお帰りになりましたけど?」
「馬鹿な! 俺は北の区画の入り口で見張っていたんだぞ‼︎」
「通りで…朝から姿をお見掛けしませんと思っていたら。」
「一体北の区画を通らずに城に行けたんだ⁉︎」
「彼女達は南の区画から城に入れる許可証をお持ちですから、わざわざ北の区画に来る必要は無いのですよ。」
「何だと…⁉︎」
俺はいつになったらマーテルリアに会えるのだろうか?
俺はまた別な策を考えるのだが…意外に早く会う事になるのだった。
この王子は本当に努力をする事も、王族としての最低知識を学ぶ姿勢も全く無い。
ただ単に生産性も無い毎日をダラダラと過ごすだけの…っと、それを言ったらまんまボクにも跳ね返って来ますね。
それにこの我が儘馬鹿王子は、未来の妻であるマーテルリア公爵令嬢にお会いしたいと申されるが、12歳になるまでお会い出来ないと聞かされている筈なのに…それを無視して手紙を送りつけようとしやがった。
余計な仕事を増やすんじゃねーよ!
雇用される時にやたら金額が破格な雇用条件というのがよく分かった。
この馬鹿王子…もとい、ファステス王子の教育係は早い者で1ヶ月以内、長く続いても2ヶ月以内で辞めて行っている。
分かる気がする…この馬鹿王子の面倒は本当に大変だからだ!
ボクも…あと何日持つんだろうね?
~~~~~ファステス王子~~~~~
今日も今日とでマーテルリアを待っているが、俺に一向に会いに来ない。
王子である俺様の命令を無視するとはいい度胸じゃねーか!
俺は別にマーテルリアという女が別に好きでは無い。
婚約者なら俺のそばにいて命令を出来るしもべとして扱ってやろうと思っていただけだった。
8歳の頃…俺の誕生日に俺の婚約者候補と面会する時に、2人の公爵令嬢にあった。
地味な格好だが中々のマーテルリアと、元々の原型がとどめていない様なデブ…いや、豚が目の前にいた。
貴族達の話では、バーテクシス公爵の娘は非常に可愛いと聞いていたので…俺の婚約者になる女はバーテクシス公爵の娘だとばかり思っていたが、実際に目にすると醜い豚だった。
貴族達はこんな豚が可愛いと思っているのか?
どうやら…俺とは違って目が腐っている者達なのだろうと思ってマーテルリアを見る。
豚に比べたらマーテルリアの方が多少マシだったので、俺はこの女を選んだ。
そして俺の話を色々聞かせてやろうと思って近付こうとすると、マーテルリアは騎士達に連れ去られてしまって話す事が一切出来なかった。
まぁ、連れ去られた場所が王宮という話だから会う機会もあるだろう…なんて思っていたが、未だに会えずじまいだった。
そして今日はピエスから情報を仕入れた。
マーテルリアが親父に会いに来る為に謁見の間に来るという話だった。
「ようやく会える訳だな! なら俺は此処で待ち伏せてやろう。」
俺は北の区画と城に行く道の近くで隠れて待っていた。
だが、幾ら待っても一向に現れる事はなかった。
そして夜まで待っても現れる事がなく…俺は自室に戻ってピエスに話を聞いた。
「マーテルリア公爵令嬢ですか? 講師の方と共に会われてお帰りになりましたけど?」
「馬鹿な! 俺は北の区画の入り口で見張っていたんだぞ‼︎」
「通りで…朝から姿をお見掛けしませんと思っていたら。」
「一体北の区画を通らずに城に行けたんだ⁉︎」
「彼女達は南の区画から城に入れる許可証をお持ちですから、わざわざ北の区画に来る必要は無いのですよ。」
「何だと…⁉︎」
俺はいつになったらマーテルリアに会えるのだろうか?
俺はまた別な策を考えるのだが…意外に早く会う事になるのだった。
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