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本編

第十話 魔法の授業でイタズラ

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 あれから二週間が経過した。

 初めの頃はとてもじゃ無いけど1時間も持たなかった魔力放出が、今では1日中やっていても問題ない状態になっていた。

 「さて、これから本格的な魔法の授業が開始するけど…マーテルリアは魔法が使えたら何がしたい?」

 「魔法が使えたら…ですか?」

 「魔法ってね、授業を聞きながら忠実に習った事を繰り返す…というやり方よりも、相手をどうしたら困らせるかという使い方をした方が早くに覚えるんだよ~」

 ルーナリア先生は何を言っているんだろう?

 それを知っていると言う事は、ルーナリア先生もイタズラを仕掛けたことがあるのかな?

 「誰かにイタズラ…ですか?」

 「誰か頭に来ている人とかに復讐したいとかない?」

 真っ先に頭に浮かぶのは教官だけど、メイド長にもそれなりに嫌な目に遭わされた事がありましたね。

 私の服を脱がされて全裸にされた時に、公爵令嬢のくせに貧相な…とか言われましたっけ?

 「頭の中で誰かを想像出来たわね?」

 「はい、でも魔法でイタズラってどうやってやるんですか?」

 「これから教える魔法はスリップという滑りの魔法です。 足元を滑らせて対象を転ばせるという魔法なんだけど、ただ何もないところで転ばしても面白くないので…思いっきり恥を掻くシュチュエーションで行いましょう。」

 私は先生に連れられて廊下を歩いていると、メイド長と副メイド長が並んで歩いていた。

 私はスリップの魔法を習ってからメイド長の足元にターゲットをしてからスリップ魔法を発動した。

 するとメイド長は、滑った拍子に足を広げて背中から倒れて行った。

 メイド長の前には3人の騎士達がいて、メイド長の下着が露わになっていて…騎士達は少し顔を赤らめていた。

 メイド長は急いでスカートを押さえながら立ち上がると、恥ずかしながらどこかに走り去って行った。

 メイド長には気の毒だったけど、これで王宮に来た時の恨みの幾らかが晴らすことができました。

 「さて、次は誰にやる?」

 「次は…」

 こうして私は、歴史の授業中に間違えると折檻された講師や教官にスリップを実行して行った。

 そして午後になってから、悪ふざけは終わりになって本格的な魔法の授業が開始された。

 「イタズラの時に行った際に魔力調整や出力調整が出来ていたから、この感覚を活かして授業を開始するわよ。」

 「はい、ルーナリア先生!」

 それから的に向かって魔法を放つ授業が開始された。

 いきなり魔法の放出をやらされていたら上手くはいかなかったでしょう。

 あのイタズラは無駄な遊びではなかったみたいね?

 「魔法を色々覚えられたら、次もイタズラを仕掛ける為に別な魔法を試しましょうね。」

 私はルーナリア先生の言っている事を理解した。

 楽しみが無ければ成長は難しいのかもしれないわね?
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