高尾山で立ち寄ったカフェにはつくも神のぬいぐるみとムササビやもふもふがいました

つくも神のぬいぐるみミケ

納豆とミケと朝ごはん

  翌朝、目を覚ますともふもふもふもふとなんだか大きなぬいぐるみの感触を感じた。わたしのマンションにこんなに大きなぬいぐるみって置いてあったかな？

  半分寝ぼけた頭で考えてみる。だけど、巨大なぬいぐるみなんて持っていなかったとすぐに回答が出た。

  じゃあ、このもふもふくたくたもふもふしているものの正体は果たして。そう考えるとちょっと怖くなってきた。だって、わたしの部屋に存在しなかったはずの何かが今ここにいるのだから。

  その得体の知れない何かがわたしをむぎゅっとしてくる。「ひゃっ！！」と思わず情けない声を上げてしまった。

  一体全体わたしの部屋にしかもベッドに何が居るっていうのだろうか？

  その答えはすぐに出た。ぐーすーぴーにゃん、ぐーすーぴーにゃんと間抜けないびきが聞こえてきたのだから。

「あ、そうだった！  ミケちゃんだよ」

  わたしは眠たい目を開け顔をもふもふくたくたする物体に向けた。すると、大きな三毛猫のぬいぐるみ姿のミケがそこに居たのだった。

「真歌ちゃんおはようだにゃん」

  ミケはにゃぱーと笑った。今さっきまでいびきをかいていたくせに……。

「おはようミケちゃん」

  わたしは眠たい目を擦りながら挨拶を返した。



  テーブルの上にご飯と納豆、それからお味噌汁を並べた。

「わっ、和食だにゃん」

  ミケはぬいぐるみの黄色の目をキラキラ輝かせている。

「納豆とご飯とお味噌汁だけの簡単な朝ごはんだけどどうぞ食べてね」

  わたしは言いながら座布団に腰を下ろす。

「ありがとう、いただきますにゃん」

  ミケはもふもふの肉球がある可愛らしい手を合わせている。

「いただきま～す」とわたしも手を合わす。

   こうしてぬいぐるみのつくも神ミケとの朝ごはんが始まった。

「う～ん、納豆って日本人の朝ごはんて感じがするにゃんね」

  ミケは納豆をお箸でコネコネしながら言った。

「うん、そうだね。わたし納豆大好きなんだ」

  返事をしながらわたしもマヨネーズをたっぷりかけた納豆をお箸でコネコネ混ぜる。

  「そっかにゃん」

   ミケはコネコネ混ぜた納豆をご飯にのせ口に運ぶ。

「う～ん、納豆ご飯やっぱり美味しいにゃん。これこそ正に日本の朝食にゃんね」

  にゃぱーと笑い納豆ご飯を頬張るぬいぐるみ姿のつくも神ミケ。しかもいつの間にか食事用のエプロンを首からかけている。なんとも言えない光景だ。

「うん、納豆ご飯は最高だよ」

  わたしも納豆ご飯を口に運んだ。マヨネーズのかけた納豆ご飯はまろやかでとても美味しかった。

「なんか懐かしい味がするにゃん……」