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4 いざ、雑草がぼうぼうに生えているおばあちゃんの家へ

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「あはは、仲良しね。ケンカもいいけどアイス食べるでしょう?」

 おばあちゃんがあずきバーをじゃーんとわたし達に見せた。

「あ、食べる、食べます」とわたしが言うと美紀香ちゃんも「食べま~す。わたしあずきバー大好き」と言った。

「はいはい、わたしも食べるにゃ~ん」

 にゃぱと笑ったミケたんが手を差し出した。

 この猫なのか人間なんだかよくわからないミケたんは何でも食べるんだなと思うとちょっと可笑しくて笑ってしまった。

 わたし達はまゆかおばあちゃんの家の縁側に腰を下ろしみんなであずきバーを食べた。

 あずきバーは小豆がたっぷり入っていて小豆のほんのりした甘みがとっても美味しい。

 穏やかな風が吹き心地よい。このメンバーで縁側に並んで座りあずきバーを食べているなんてなんだか不思議だ。だけど、楽しいなと思った。

 セミもミーンミーン、ジージーッと鳴いている。もうすぐ夏休みがやって来るなと思うと嬉しくなる。

 わたしの足元には牛柄ちゃんとトラ猫ちゃんがうろうろしている。めちゃくちゃ可愛い。

 それはそうとこの子達は普通の猫ちゃんなのかな? あずきバーをかじりながらそんなことを考えた。

 それとアイツだ。結太はどうしてここに居るんだろう?

 結太は二本目のあずきバーにかじり付き、「わっ、冷たいっ!」なんて言っている。


「まゆかおばあちゃんの家は縁側があっていいな。でも、どうして草むしりしないんですか?」

 わたしが不思議に思っていたことを美紀香ちゃんが尋ねた。

「ああ、そうね。だって、雑草も頑張って生きているんだもの引っこ抜くと可哀想かなと思ってしまうんだよね」

 おばあちゃんは、雑草がぼうぼうに生えている庭を見て言った。

「うん、たしかにそうだけど雑草がぼうぼう過ぎるような気がするんですけど」

 美紀香ちゃんははっきりと言うんだから凄いよ。

「わたしもぼうぼう過ぎるって思います。でも、雑草も頑張って生きているんですよね」

 そう考えるとちょっと引っこ抜かれて道端に捨てられている雑草がちょっと可哀想かなと思ってしまった。



「わたし達もここを遊び場にしてるからにゃん」

 ミケたんが人間の女の子の姿で雑草の中にぴょ~んと飛び込む。そのあとに牛柄ちゃんとトラ猫ちゃんも続く。

「あ、こらこらミケたん! 牛柄ちゃん、トラちゃん!」

 まゆかおばあちゃんは立ち上がり猫達に注意をする。だけど、ミケたんは人の話を聞いていないようだ。他の猫達ももちろん。

 ぴょんぴょんぴょんぴょーんと雑草の中を走りまくる。可愛い奴だ。

「う~ん、雑草の中で遊ぶのは楽しいにゃん。けど虫さんがいてわたし痒いにゃん」

 ミケたんは雑草の中で飛び跳ねて大騒ぎだ。

「あはは、あの子雑草踏みつけまくっているよ。まゆかおばあちゃんいいの?」

 それまで黙っていた結太が言った。確かにその通りだ。

「こ~ら、ミケたん。こっちに戻っていらっしゃい。牛柄ちゃんもトラちゃんもよ」

 まゆかおばあちゃんは目を三角にして言った。

「にゃはは~牛柄ちゃんにトラちゃん楽しいね~」

 聞いちゃいないミケたんだ。

「ミケたん、虫さんで痒いって大騒ぎするんでしょ」

 まゆかおばあちゃんは言いながら沓脱《くつぬぎ》ぎ石から庭に降りてミケたん達が遊んでいる雑草がぼうぼうに生えている場所へ行く。

「あ、おばあちゃん」

 葉っぱをたくさんくっつけた顔でミケたんはまゆかおばあちゃんを見た。

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