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森浜食堂と愛可ちゃん
しおりを挟むわたしは、おばさんと美川さんの顔を交互に見た。すると、美川さんがとんでもないことを言った。それは。
「実は俺、おばさんから聞いた笑顔でご飯を食べる愛可ちゃんって女の子を探していたんですよ」
「えっ!? 愛可ちゃんってそれってまさか……」
わたしは、ニヤリと笑う美川さんの顔を見て聞いた。
「はい、そのまさかの愛可ちゃんは、君だよ。愛可さん」
美川さんはまるで探偵のように指を真っ直ぐ伸ばし、ビシッとわたしを指差した。
「はい!? わ、わたしですか……えっ? それってどういうこと何ですか?」
美川さんは、今もわたしを指差している。あの美川さんってば探偵気取りなのでしょうか?
なんて考えている場合ではない。これはどういうことなのだろうかと思いながらわたしは、美川さんの指先をじっと眺めた。
「あはは、この森浜食堂の常連になった俺は、森浜のおばさんから笑顔でご飯を食べる女の子の話を聞きこの愛可ちゃんという女の子を見つけ出したいと思ったんですよ」
美川さんは、そう言ってわたしの顔を見た。
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