上 下
250 / 407

お風呂とミケにゃん

しおりを挟む
「お風呂は楽しいにゃんにゃん♪」

  お風呂場から楽しそうな歌声が聞こえてきた。

「あのお馬鹿丸だしの声は……」

「うん、あの子しかいないよね……」


  わたしとシロッコは顔を見合わせて言った。

「ミケにゃんちゃんだよね」
「うん、なんか楽しそうだけどにゃんね」

  お風呂場からは今も甲高くて楽しそうな歌声が聞こえてくるのだった。

「トマトとたこ焼きにゃんにゃんにゃん♪」

    本当に楽しそうでミケにゃんのことは心配しなくても大丈夫そうだなと思い頬が緩む。

「あ、アヒルさんもプカプカにゃんさせようにゃん。にゃはは、アヒルさんこんばんはにゃん」

  どうやらミケにゃんはアヒルのおもちゃで遊んでいるようだ。

「それにしてもお風呂場で大声で歌ったり喋ったりし過ぎにゃんね」

  シロッコはお風呂場の方向に視線を向けふぅ-と溜め息をついた。

「だよね。ミケにゃんちゃんらしいと言えるけどね」

  わたしも同じ方向を眺め可笑しくて笑ってしまった。だって、浴槽にアヒルのおもちゃを浮かべにゃぱにゃぱ笑っている姿が想像できるのだから。

「アヒルさん、ミケにゃんてばねたこ焼きと一緒にトマトジュースを飲んだんだにゃん」

  なんて言っている声が聞こえてきた。アヒルさんのおもちゃに報告しているみたいだ。

「ミケにゃんちゃんってやっぱり可愛らしいおバカさんだね」

「うん、あの子はおバカさんだよにゃん」

  わたしとシロッコはそう言い合いながらあはは、にゃははと笑い合った。

  「ミケにゃんはお風呂が大好きにゃんにゃん♪」

  ミケにゃんの楽しそうな歌声が今も聞こえているのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【前編完結】50のおっさん 精霊の使い魔になったけど 死んで自分の子供に生まれ変わる!?

眼鏡の似合う女性の眼鏡が好きなんです
ファンタジー
リストラされ、再就職先を見つけた帰りに、迷子の子供たちを見つけたので声をかけた。  これが全ての始まりだった。 声をかけた子供たち。実は、覚醒する前の精霊の王と女王。  なぜか真名を教えられ、知らない内に精霊王と精霊女王の加護を受けてしまう。 加護を受けたせいで、精霊の使い魔《エレメンタルファミリア》と為った50のおっさんこと芳乃《よしの》。  平凡な表の人間社会から、国から最重要危険人物に認定されてしまう。 果たして、芳乃の運命は如何に?

内政チートをやってみよう!……まあぼっちですが。

カナデ
ファンタジー
誰も立ち入らない深い森の中の小さな集落。住人はリザティア以外は全てが老人だったが、とうとうたった一人になってしまった。 これからどうしよう? ここから、森から出て外の世界へ行く? ……いいえ。この集落で一人で暮らします! ぼっちだけど、内政チートで! 相棒のシルバー(狼)と精霊たちとともに! これは前世の記憶を持った少女が、でも自分が何故異世界転生だか転移したか何も分からないので、異世界へ飛び込まずに、森の中でのんびりと自由に暮らすことを目標にして生活していくお話です。 いつしか集落にも住人が増え、内政チートの本領発揮、となるか?(そんな感じです) 完結まで連載予定ですので、どうぞよろしくお願いします<(_ _)> **この話は、他サイトさんで連載していた同タイトルの話(未完)の大幅改稿版となっています** 第2章から、書き直し、書き下しの部分が改稿部分より増え、話も追加で新たに入れます。 大分改稿前とは変わると思いますが、ご了承ください。 3/1 HOT32位 3/2HOT 22位 3/5HOT16位 3/7HOT14位 ありがとうございます! 3/7 お気に入り 1000 ありがとうございます!

異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。 息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。 壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。 茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。 そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。 明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。 しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。 仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。 そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。

筑豊国伝奇~転生した和風世界で国造り~

九尾の猫
ファンタジー
亡くなった祖父の後を継いで、半農半猟の生活を送る主人公。 ある日の事故がきっかけで、違う世界に転生する。 そこは中世日本の面影が色濃い和風世界。 しかも精霊の力に満たされた異世界。 さて…主人公の人生はどうなることやら。

どーも、反逆のオッサンです

わか
ファンタジー
簡単なあらすじ オッサン異世界転移する。 少し詳しいあらすじ 異世界転移したオッサン...能力はスマホ。森の中に転移したオッサンがスマホを駆使して普通の生活に向けひたむきに行動するお話。 この小説は、小説家になろう様、カクヨム様にて同時投稿しております。

異世界着ぐるみ転生

こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生 どこにでもいる、普通のOLだった。 会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。 ある日気が付くと、森の中だった。 誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ! 自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。 幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り! 冒険者?そんな怖い事はしません! 目指せ、自給自足! *小説家になろう様でも掲載中です

絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜
ファンタジー
有栖佑樹はアラフォーの会社員、結城亜理須は女子高生、ある日豪雨に見舞われた二人は偶然にも大きな木の下で雨宿りする。 その木に落雷があり、ショックで気を失う。気がついた時、二人は見知らぬ山の中にいた。ここはどこだろう? と考えていたら、突如猪が襲ってきた。危ない! 咄嗟に亜理須を庇う佑樹。だがいつまで待っても衝撃は襲ってこない。 なんと猪は佑樹達の手前で壁に当たったように気絶していた。実は佑樹の絶対防御が発動していたのだ。 そんな事とは気付かず、当て所もなく山の中を歩く二人は、やがて空腹で動けなくなる。そんな時、亜理須がバイトしていたマッグのハンバーガーを食べたいとイメージする。 すると、なんと亜理須のイメージしたものが現れた。これは亜理須のイメージ転送が発動したのだ。それに気付いた佑樹は、亜理須の住んでいた家をイメージしてもらい、まずは衣食住の確保に成功する。 ホッとしたのもつかの間、今度は佑樹の体に変化が起きて... 異世界に飛ばされたオッサンと女子高生のお話。 ☆誤って消してしまった作品を再掲しています。ブックマークをして下さっていた皆さん、大変申し訳ございません。

イナカマチ番犬奇譚~嫌われ獣人の恩返し~

石動なつめ
ファンタジー
――――世の中は世知辛い。 相良独楽は、異世界同士が切り取られ、繋ぎ合わされたこの世界では、忌避されている獣人だ。 独楽は獣人である事を隠しながら、連れの子ぎつねと共に、イナカマチ区画と呼ばれる場所へやって来る。 幼い頃の約束と恩返し、そして働く場所を得るためにやってきた独楽だったが、長閑そうな名前のこの場所は今、侵略を受けている真っただ中だった。 「見ず知らずの者を躊躇いなく助けたきみのお人好しっぷりに、俺は賭けた。――――イナカマチ区画から奴らを追い出したい。どうか助けて欲しい」 そう頼まれ、独楽はイナカマチ区画を守るために奮闘する。 これは一人の獣人の、恩返しの物語。 ※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。

処理中です...