上 下
33 / 407

さあ、もふもふ達が泳ぎを披露しますよ

しおりを挟む

  わたしとミケにゃんと魚がスーイスーイと湖で泳いでいると、

  湖畔のほとりで景色を見ていたうさぴーが「わたしも泳ぐ~」と言ってぴょんぴょんと飛び跳ねながらやって来た。

  そして、うさぴーはぴょーんと大きくジャンプをして湖に飛び込んだかと思うと水面で手足を動かし犬かきによく似たうさかきでスーイスーイと泳いだ。

「うさぴーちゃんも泳げるんだね」

「うん、わたし泳ぐの得意だもん」

  うさぴーはそう言ったかと思うと水面をぴょーんとジャンプしたりうさかき泳ぎをしたりと華麗な泳ぎっぷりを披露した。

  その様子をじっと見ていたミケにゃんが、「わたしも泳ぎ上手にゃんだからね」と対抗意識をメラメラと燃やした。

   どうしてこのもふもふなちびっこ達は対抗意識を燃やすのだろうかと思いながらわたしは眺めた。

「うさぴー待つのだにゃ~ん」

  ミケにゃんは言って、にゃんにゃんにゃんと猫かきでうさぴーを追いかけた。

  追いかけてくるミケにゃんをうさぴーは振り返りそして、泳ぎの速度を上げ逃げた。

「あ、うさぴーが逃げたにゃん!  ミケにゃんは負けないんだからにゃん」

  ミケにゃんはスーイスーイスーイスーイと華麗な泳ぎぷりを見せながらうさぴーを追いかけた。

「ミケにゃん、追いかけて来ないでよ」

  うさぴーは後ろを振り返り言った。

「だって、うさぴーが待たないんだからにゃん」

「ミケにゃんが追いかけて来るから待たないんだよ」

  うさぴーはそう言って手足を素早く動かしうさかきでスーイスーイと泳いだ。

  可愛らしい猫とうさぎが湖で泳ぎの対決をしている姿は可愛らしくて微笑ましくてそして、なんだかおかしくて笑ってしまう。

「あの二匹はまたまたやってるね」

「困った二匹だにゃん」

  湖畔のほとりで話すケンとシロッコの声が聞こえてきた。

  ミケにゃんは猛烈な勢いでうさぴーを追いかけている。そして、ミケにゃんはうさぴーに追いつき二匹は並んだ。

「ミケにゃん、仲良く並んで泳ごうよ」

  うさぴーが隣を泳ぐミケにゃんに視線を向けて言った。

「う、うん、そうだにゃん!」

  ミケにゃんもそう答えた。

  対抗意識を燃やしていたもふもふな二匹は仲良く並んで泳いだ。

  わたしは二匹の後をスーイスーイと泳ぎながらやっぱりこの二匹は可愛らしいなと思いほっこり気分になった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

内政チートをやってみよう!……まあぼっちですが。

カナデ
ファンタジー
誰も立ち入らない深い森の中の小さな集落。住人はリザティア以外は全てが老人だったが、とうとうたった一人になってしまった。 これからどうしよう? ここから、森から出て外の世界へ行く? ……いいえ。この集落で一人で暮らします! ぼっちだけど、内政チートで! 相棒のシルバー(狼)と精霊たちとともに! これは前世の記憶を持った少女が、でも自分が何故異世界転生だか転移したか何も分からないので、異世界へ飛び込まずに、森の中でのんびりと自由に暮らすことを目標にして生活していくお話です。 いつしか集落にも住人が増え、内政チートの本領発揮、となるか?(そんな感じです) 完結まで連載予定ですので、どうぞよろしくお願いします<(_ _)> **この話は、他サイトさんで連載していた同タイトルの話(未完)の大幅改稿版となっています** 第2章から、書き直し、書き下しの部分が改稿部分より増え、話も追加で新たに入れます。 大分改稿前とは変わると思いますが、ご了承ください。 3/1 HOT32位 3/2HOT 22位 3/5HOT16位 3/7HOT14位 ありがとうございます! 3/7 お気に入り 1000 ありがとうございます!

【前編完結】50のおっさん 精霊の使い魔になったけど 死んで自分の子供に生まれ変わる!?

眼鏡の似合う女性の眼鏡が好きなんです
ファンタジー
リストラされ、再就職先を見つけた帰りに、迷子の子供たちを見つけたので声をかけた。  これが全ての始まりだった。 声をかけた子供たち。実は、覚醒する前の精霊の王と女王。  なぜか真名を教えられ、知らない内に精霊王と精霊女王の加護を受けてしまう。 加護を受けたせいで、精霊の使い魔《エレメンタルファミリア》と為った50のおっさんこと芳乃《よしの》。  平凡な表の人間社会から、国から最重要危険人物に認定されてしまう。 果たして、芳乃の運命は如何に?

ゲームの世界に堕とされた開発者 ~異世界化した自作ゲームに閉じ込められたので、攻略してデバックルームを目指す~

白井よもぎ
ファンタジー
 河井信也は会社帰りに、かつての親友である茂と再会する。  何年か振りの再会に、二人が思い出話に花を咲かせていると、茂は自分が神であると言い出してきた。  怪しい宗教はハマったのかと信也は警戒するが、茂は神であることを証明するように、自分が支配する異世界へと導いた。  そこは高校時代に二人で共同制作していた自作ゲームをそのまま異世界化させた世界だという。  驚くのも束の間、茂は有無を言わさず、その世界に信也を置いて去ってしまう。  そこで信也は、高校時代に喧嘩別れしたことを恨まれていたと知る。  異世界に置いてけぼりとなり、途方に暮れる信也だが、デバックルームの存在を思い出し、脱出の手立てを思いつく。  しかしデバックルームの場所は、最難関ダンジョン最奥の隠し部屋。  信也は異世界から脱出すべく、冒険者としてダンジョンの攻略を目指す。

天使が導く異世界転生

アイム
ファンタジー
思っていたのと全然違う! 巷に溢れる異世界転生なんて嘘っぱちだ! 異世界転生した後に気付くその落とし穴。 異世界転生経験者の声をもとに、その苦労と対処法を探ります。 いざという時迷わないように、予習しておきませんか?

異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。 息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。 壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。 茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。 そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。 明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。 しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。 仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。 そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。

アルゴノートのおんがえし

朝食ダンゴ
ファンタジー
『完結済!』【続編製作中!】  『アルゴノート』  そう呼ばれる者達が台頭し始めたのは、半世紀以上前のことである。  元来アルゴノートとは、自然や古代遺跡、ダンジョンと呼ばれる迷宮で採集や狩猟を行う者達の総称である。  彼らを侵略戦争の尖兵として登用したロードルシアは、その勢力を急速に拡大。  二度に渡る大侵略を経て、ロードルシアは大陸に覇を唱える一大帝国となった。  かつて英雄として名を馳せたアルゴノート。その名が持つ価値は、いつしか劣化の一途辿ることになる。  時は、記念すべき帝国歴五十年の佳節。  アルゴノートは、今や荒くれ者の代名詞と成り下がっていた。 『アルゴノート』の少年セスは、ひょんなことから貴族令嬢シルキィの護衛任務を引き受けることに。  典型的な貴族の例に漏れず大のアルゴノート嫌いであるシルキィはセスを邪険に扱うが、そんな彼女をセスは命懸けで守る決意をする。  シルキィのメイド、ティアを伴い帝都を目指す一行は、その道中で国家を巻き込んだ陰謀に巻き込まれてしまう。  セスとシルキィに秘められた過去。  歴史の闇に葬られた亡国の怨恨。  容赦なく襲いかかる戦火。  ーー苦難に立ち向かえ。生きることは、戦いだ。  それぞれの運命が絡み合う本格派ファンタジー開幕。  苦難のなかには生きる人にこそ読んで頂きたい一作。  ○表紙イラスト:119 様  ※本作は他サイトにも投稿しております。

猫カフェを異世界で開くことにした

茜カナコ
ファンタジー
猫カフェを異世界で開くことにしたシンジ。猫様達のため、今日も奮闘中です。

筑豊国伝奇~転生した和風世界で国造り~

九尾の猫
ファンタジー
亡くなった祖父の後を継いで、半農半猟の生活を送る主人公。 ある日の事故がきっかけで、違う世界に転生する。 そこは中世日本の面影が色濃い和風世界。 しかも精霊の力に満たされた異世界。 さて…主人公の人生はどうなることやら。

処理中です...