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両親が登場
島唐辛子
しおりを挟む皆でわいわい楽しくお昼ご飯を食べた。
やっぱり沖縄と言えば沖縄そばだよね。大量の島唐辛子をどばどばと器に入れる。もう、美味しくてたまらない。
「みどり、そんなに大量に入れるのかね?」
わたしと同じ沖縄そば定食を注文したお父さんが少しびっくりした顔で尋ねる。
「うん。わたしは大量にどばどばと入れるんだ。お父さんもほら入れてみて」と言いながら、わたしは島唐辛子をお父さんに差し出す。
受け取ったお父さんもどばどばと島唐辛子を入れた。
わたしの隣に座る真理子が「あんなに入れたら辛くないの?」と聞いてきた。
わたしは「全然」と答える。
「でもみどりちゃんのお父さんどばどどば~って入れているよ~」
お父さんに視線を向けると、確かにどばどどばーっと島唐辛子を入れているけれど、まあ、あれくらいなら大丈夫でしょう。
「 真理子も入れてみたら」
「え~じゃあ入れてみようかな」
「うん。その方がきっと美味しいこと間違いなしだよ!」
どばどどばーと島唐辛子を入れたお父さんが、わたしを見て「みどり、これ上手いぞ」と言った。
「そうでしょう!」
お父さんは、沖縄そばを美味しそうにズズっと音を立てて食べた。
やっぱりわたしのお父さんだ。沖縄そばの食べ方を分かっていらっしゃる。暫くの間お父さんの豪快な食べっぷりを眺めていた。
ゴホッ、ゴホッ!!! グヒグヒ。
何? この変な音は……。
わたしの隣から聞こえてくる。まさか? 隣の席に視線を向ける。すると、真理子は噎せていた。
みんなの視線が一斉に真理子に集まる。
「真理子、大丈夫?」
真理子は真っ赤な顔をして噎せている。テーブルの上には、沖縄そばの器、そして島唐辛子の瓶。
え!! これはまさか。
島唐辛子の瓶の中身がほぼ空になっているではないか。
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