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人間を探してみよう

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「ねえ、猫太以外の人間を探してみようってこの前話したけどマジで探してみないか?」

  先程まで笑っていた猫助が急に真面目な顔になりグリーンのその目で俺を真っ直ぐ見た。

「あ、そうだったね。俺以外の人間か……」

  俺は真っ白な雲がふわふわ浮かぶ青い空を見上げながら答えた。空は前世の人間界と変わりはないのにこの世界は俺の知っている空間とは異なっている。

  果たしてこの世界に人間なんているのだろうか?

「猫太、真面目な顔だけどどうしたんだ?  変な物でも食べたのか」

「あ、いや別に……。俺はお前とは違うぞ、地面に落とした食べ物を拾って食べたりしないからね」

「なあ、それってめちゃくちゃ俺に失礼じゃないか!」

「そっかな?  でも本当のことじゃん。この前だって地面に落とした菓子パン食べたよな」

「あはは、まあ、それもそうだけどな。ってふざけるなよ。それはそうと猫太以外の人間を探さないのかい?」

「存在するか分からないけど探してみるか」

 「やったね!  探そうぜ」

  なぜだか猫助な目をキラキラと輝かせているのだけど楽しんでいるのでは……

「おい、退屈しのぎじゃねえよな」

  俺は満面の笑みを浮かべタコさんウィンナーを食べている猫助を見て言った。ってちょっと待てよ、そのタコさんウィンナーは……。

「なあ、猫助、そのタコさんウィンナー」

「えっ!?」

「えっ!?  じゃないよ。猫助の食べているタコさんウィンナーは俺のだよな。勝手に食べるなよ」

  そうなのだ。猫助の奴は俺の弁当箱に入っていたタコさんウィンナーにフォークをぶっ刺し勝手に食べているのだった。

「えへへ」

「えへへじゃないよ!」

「あはは、ごめんよ。だって、タコさんウィンナーが俺に食べてくれ~って言ったんだよ」

「ふざけるなーーー!!」

「まあまあ、そんなに怒るなよ。それより人間探しをしようぜ」

  猫助は俺の肩を肉球のある可愛らしい手でぽんぽんと叩いた。

「……分かったよ」

  俺はなんだかんだ言ってももふもふ猫に弱いのだった。
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