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夏休みとミケネコーンと沖縄とそして美依奈
11 何が起きた
しおりを挟むわたし達はそれからも笑顔で話しスイカを食べた。ミケネコーンはご機嫌でお歌を熱唱した。
ミケネコーンのお歌とともに沖縄の心地よい風がさわさわと吹き頬を撫でる。
「今日は楽しかったね。夏花ちゃん、家族で沖縄旅行に来たのかな?」
「あ、えっと、それはその……」
まさか、シーサーたんに東京から沖縄に飛ばされたなんて言えないではないか。
みっきーに視線を向けると困ったように眉間に皺を寄せている。
「家族で来たんだよね?」
美依奈の問いになんて答えようようかなと考えていたその時ミケネコーンが、
「ミケネコーン達はシーサーたんに黒い人間界の東京から沖縄に飛ばされましたにゃん」と言った。
「えっ! 東京から沖縄に飛ばされたってどういうことかな?」
美依奈は驚いてきょとんとしている。
「ミケネコーンのお父ちゃまの怪獣魔法をシーサーたんが使いましたにゃん」
ミケネコーンは自慢げに胸を張った。
「……シーサーたん? 怪獣魔法? それを使った? 何を言っているかさっぱり分からないけど凄いね! 夢のある話でいいな」
美依奈は首を傾げながらもにっこり笑った。
わたしの周りにいる人はピュアな心を持っている人ばかりなのかもしれないな。なんだか微笑ましくて嬉しくなった。
「あれ? シーサーの置物が落っこちているよ。シーサーたんにそっくりだよ」
みっきーが言った。
「シーサーの置物? シーサーたんに似ているの?」
わたしは、みっきーが手にしているシーサーの置物に視線を向けた。
「あ、本当だ~シーサーたんそっくりだね」
「うにゃん! シーサーたんにめちゃくちゃ似てますにゃん」
ミケネコーンもシーサーたんに似ているシーサーの置物を見た。
「あはは、目がギョロギョロとしていて喋りそうだね」
みっきーはシーサーたんによく似た置物を眺めクスクス笑った。
「うん、~じゃ~って喋りそうだよ」
「うにゃん、この子はシーサーたんのお友達かもですにゃん」
「ミケネコーンちゃんが話してるシーサーたんにそのシーサーの置物が似ているの?」
美依奈もシーサーの置物を覗き込んだ。
「うん、ギョロとした目がそっくりなんだよね」
わたしは答え、みっきーが手にしているシーサーの置物に手を触れた。
すると、その時……。
シーサーの置物の目がまばゆく光った。
「わっ、何これ!」
「ええっ!?」
「う、うにゃん~」
「わ~!!」
わたし達はびっくりして叫んだ。
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