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シーサーたんと怪獣界のお父ちゃまとミケネコーン
2 怪獣の魔法
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お父ちゃまはシーサーたんに視線を向けて、うんうんと首を縦に振った。
「……どういうことなんだ? どうして、わたしがそのミケネコーンと修行をしなきゃならないのじゃ~」
シーサーたんはお父ちゃまを見上げて言った。
「わしのミケネコーンにちょっとだけ似てるからなにゃん。頼んだぞシーサーたん」
「ご遠慮します」
「即答かねにゃん!」
「だって、わたしは、シーサーの置物としてこの家に住んでいるおばあちゃんを見守っているから修行のおつきあいは無理じゃ~」
シーサーたんはお父ちゃまをギョロとした目で眺めそして、視線を築五十年のおばあちゃんが住む家に向けた。
わたしは、この場所から離れることはできない。だって、わたしはこの家とおばあちゃんを守りそして、福を呼び込まなければならないのだから。
「……そうかにゃん。おばあちゃんを守っているのか良いことだにゃん。だが、シーサーたんに頼みたいのだにゃん」
お父ちゃまはそう言って顎に手を当てた。
しばらくの間、うーんうーんと考えていたお父ちゃまは顎に当てていた手を離した。
そして、
「では、シーサーたんに違った方法で協力をお願いしたいにゃん。それと、一つだけシーサーたんの望みを叶えてあげようにゃん」
と言ってお父ちゃまはにんまりと笑った。
「……違った方法ってなんじゃ~それから願いを叶えてくれるのか?」
「怪獣王のわしは怪獣魔法が使えるのだにゃん。願いもにゃん」
お父ちゃまは胸を張り自信ありげだ。
「怪獣魔法ってなんだか怪しいぞ~」
「怪しくないわいにゃん。では、先ず火を吹いて見せようにゃん」
お父ちゃまはそう言ったかと思うとボォーと火を吹いた。
「……なんと火を吹いたか! でも、その炎は迫力がないよ」
そうなのだ。お父ちゃまは線香花火のような可愛らしい火をバチバチバチと吹いたのだった。
「えい! うるさいにゃん」
お父ちゃまは顔を上気させてご立腹だけどその顔がなんだか可愛らしかった。
シーサーたんはそんなお父ちゃまを見て笑った。
「では、お父ちゃまその違った方法を先ずは聞こう~」
「それは、このミケネコーンの修行同行者をこの門柱の下に呼び込むのだにゃん」
「修行の同行者を呼び込む?」
「そうだにゃん」
「ミケネコーンは修行にゃんてしませんにゃん」
門柱の上で手足をバタバタさせるミケネコーンにお父ちゃまは、「えい! うるさいにゃん」と言ってギロッと睨んだ。
「ここで、わしの怪獣魔法の出番なのだにゃん」
お父ちゃまは得意気に胸を張った。
「……どういうことなんだ? どうして、わたしがそのミケネコーンと修行をしなきゃならないのじゃ~」
シーサーたんはお父ちゃまを見上げて言った。
「わしのミケネコーンにちょっとだけ似てるからなにゃん。頼んだぞシーサーたん」
「ご遠慮します」
「即答かねにゃん!」
「だって、わたしは、シーサーの置物としてこの家に住んでいるおばあちゃんを見守っているから修行のおつきあいは無理じゃ~」
シーサーたんはお父ちゃまをギョロとした目で眺めそして、視線を築五十年のおばあちゃんが住む家に向けた。
わたしは、この場所から離れることはできない。だって、わたしはこの家とおばあちゃんを守りそして、福を呼び込まなければならないのだから。
「……そうかにゃん。おばあちゃんを守っているのか良いことだにゃん。だが、シーサーたんに頼みたいのだにゃん」
お父ちゃまはそう言って顎に手を当てた。
しばらくの間、うーんうーんと考えていたお父ちゃまは顎に当てていた手を離した。
そして、
「では、シーサーたんに違った方法で協力をお願いしたいにゃん。それと、一つだけシーサーたんの望みを叶えてあげようにゃん」
と言ってお父ちゃまはにんまりと笑った。
「……違った方法ってなんじゃ~それから願いを叶えてくれるのか?」
「怪獣王のわしは怪獣魔法が使えるのだにゃん。願いもにゃん」
お父ちゃまは胸を張り自信ありげだ。
「怪獣魔法ってなんだか怪しいぞ~」
「怪しくないわいにゃん。では、先ず火を吹いて見せようにゃん」
お父ちゃまはそう言ったかと思うとボォーと火を吹いた。
「……なんと火を吹いたか! でも、その炎は迫力がないよ」
そうなのだ。お父ちゃまは線香花火のような可愛らしい火をバチバチバチと吹いたのだった。
「えい! うるさいにゃん」
お父ちゃまは顔を上気させてご立腹だけどその顔がなんだか可愛らしかった。
シーサーたんはそんなお父ちゃまを見て笑った。
「では、お父ちゃまその違った方法を先ずは聞こう~」
「それは、このミケネコーンの修行同行者をこの門柱の下に呼び込むのだにゃん」
「修行の同行者を呼び込む?」
「そうだにゃん」
「ミケネコーンは修行にゃんてしませんにゃん」
門柱の上で手足をバタバタさせるミケネコーンにお父ちゃまは、「えい! うるさいにゃん」と言ってギロッと睨んだ。
「ここで、わしの怪獣魔法の出番なのだにゃん」
お父ちゃまは得意気に胸を張った。
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