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プロローグ こんにちはミケネコーンとシーサーと大好きな本
7 優しい気持ち
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わたしはミケネコーンを抱っこして歩いている。 どうしてこんなことになってしまったのかなと溜め息をついた。
その時、視線を感じた。下を見るとミケネコーンがこちらを見上げていた。その甘えるような仕草がとても可愛らしくてそして、ちょっと笑える。
だって、ミケネコーンの口の周りはヨーグルトまみれだったのだから。
「ミケネコーンちゃん、お口の周りを拭かなきゃね」
「うにゃん? お口の周りをですかにゃん?」
わたしを見上げきょとん顔のミケネコーンが可愛らしくて面白い。
「ちょっとハンカチを出すからね」
わたしは、そう言いながらミケネコーンを地面に下ろし鞄からハンカチを取り出した。
そして、わたしはしゃがみミケネコーンの口の周りをハンカチで拭いてあげた。
「夏花、ありがとうですにゃん」
ミケネコーンはにゃぱにゃぱにゃんと笑った。
「どういたしまして」
まったく困った猫の怪獣さんだなと思いながらクスクスと笑っていると沖縄に引っ越した従姉の由利亜ちゃんからもらった猫のミケナを思い出した。
ミケナはどうしているかな? 元気にしているかな、ちゃんとご飯を食べているかな、優しい誰かに拾ってもらえたかな。
ミケナのことを思い出すと涙が出そうになった。
ミケネコーンの顔からはみ出しそうな大きな目をじっと見ていると可笑しくて笑いそうになるけれど、同じ白、茶色、黒の三色の毛色を持つミケネコーンの毛並みからキリッとした顔の三毛猫ミケナを思い出す。
「夏花どうしたんですかにゃん?」
ミケネコーンの大きな目がわたしの顔をじっと見ている。
「わたしの家にミケネコーンちゃんと同じ三毛猫がいたんだけどね行方不明なんだよ……」
「ミケネコーンは三毛猫とちゃいますにゃん。怪獣ですにゃん。でも、夏花可哀想ですにゃ~ん!」
ミケネコーンは、そう言ったかと思うとその大きな目から大粒の涙がぽろぽろこぼれ落ちた。
「ミケネコーンちゃん、わたしの為に鳴いてくれてるの? 優しいんだね」
「だって、夏花の大切な三毛猫にゃんが行方不明だにゃんて夏花も三毛猫にゃんも可哀想ですにゃ~ん!」
ミケネコーンはにゃ~んと大鳴きした。この子は優しい子なんだな人の為に鳴けるなんて……。
「ありがとう、ミケネコーンちゃん」
わたしは、ミケネコーンの頭をそっと撫でた。
「うにゃ、うにゃ~ミケネコーンは、その三毛猫にゃんが心配ですにゃ~ん!」
「ミケネコーンちゃんってばそんなに鳴かないで」
わたしは言いながら頬に伝う熱いものを感じ自分も泣いていることに気がついた。
「夏花も泣かないでくださいにゃ~ん!」
「ミケネコーンちゃんこそ鳴かないでよ~」
「夏花~。だって、三毛猫にゃんはお腹を空かしているかもしれないんですにゃ~ん! それに、夏花に会えなくてにゃんにゃん鳴いているかもしれないですにゃん」
ミケネコーンは両手をバタバタさせた。
「ミケネコーンちゃん……わたしの猫はミケナって名前なんだけど探さなきゃね」
「はいにゃん。ミケネコーンはそのミケナちゃん探しをお手伝いしますにゃん!」
「ありがとう、ミケネコーンちゃん」
お礼を言ってミケネコーンのその顔を見るとちょっと上を向いた鼻の穴から鼻水がずべずべと流れていた。
なんだかその顔が可笑しくてわたしは笑ってしまった。
その時、視線を感じた。下を見るとミケネコーンがこちらを見上げていた。その甘えるような仕草がとても可愛らしくてそして、ちょっと笑える。
だって、ミケネコーンの口の周りはヨーグルトまみれだったのだから。
「ミケネコーンちゃん、お口の周りを拭かなきゃね」
「うにゃん? お口の周りをですかにゃん?」
わたしを見上げきょとん顔のミケネコーンが可愛らしくて面白い。
「ちょっとハンカチを出すからね」
わたしは、そう言いながらミケネコーンを地面に下ろし鞄からハンカチを取り出した。
そして、わたしはしゃがみミケネコーンの口の周りをハンカチで拭いてあげた。
「夏花、ありがとうですにゃん」
ミケネコーンはにゃぱにゃぱにゃんと笑った。
「どういたしまして」
まったく困った猫の怪獣さんだなと思いながらクスクスと笑っていると沖縄に引っ越した従姉の由利亜ちゃんからもらった猫のミケナを思い出した。
ミケナはどうしているかな? 元気にしているかな、ちゃんとご飯を食べているかな、優しい誰かに拾ってもらえたかな。
ミケナのことを思い出すと涙が出そうになった。
ミケネコーンの顔からはみ出しそうな大きな目をじっと見ていると可笑しくて笑いそうになるけれど、同じ白、茶色、黒の三色の毛色を持つミケネコーンの毛並みからキリッとした顔の三毛猫ミケナを思い出す。
「夏花どうしたんですかにゃん?」
ミケネコーンの大きな目がわたしの顔をじっと見ている。
「わたしの家にミケネコーンちゃんと同じ三毛猫がいたんだけどね行方不明なんだよ……」
「ミケネコーンは三毛猫とちゃいますにゃん。怪獣ですにゃん。でも、夏花可哀想ですにゃ~ん!」
ミケネコーンは、そう言ったかと思うとその大きな目から大粒の涙がぽろぽろこぼれ落ちた。
「ミケネコーンちゃん、わたしの為に鳴いてくれてるの? 優しいんだね」
「だって、夏花の大切な三毛猫にゃんが行方不明だにゃんて夏花も三毛猫にゃんも可哀想ですにゃ~ん!」
ミケネコーンはにゃ~んと大鳴きした。この子は優しい子なんだな人の為に鳴けるなんて……。
「ありがとう、ミケネコーンちゃん」
わたしは、ミケネコーンの頭をそっと撫でた。
「うにゃ、うにゃ~ミケネコーンは、その三毛猫にゃんが心配ですにゃ~ん!」
「ミケネコーンちゃんってばそんなに鳴かないで」
わたしは言いながら頬に伝う熱いものを感じ自分も泣いていることに気がついた。
「夏花も泣かないでくださいにゃ~ん!」
「ミケネコーンちゃんこそ鳴かないでよ~」
「夏花~。だって、三毛猫にゃんはお腹を空かしているかもしれないんですにゃ~ん! それに、夏花に会えなくてにゃんにゃん鳴いているかもしれないですにゃん」
ミケネコーンは両手をバタバタさせた。
「ミケネコーンちゃん……わたしの猫はミケナって名前なんだけど探さなきゃね」
「はいにゃん。ミケネコーンはそのミケナちゃん探しをお手伝いしますにゃん!」
「ありがとう、ミケネコーンちゃん」
お礼を言ってミケネコーンのその顔を見るとちょっと上を向いた鼻の穴から鼻水がずべずべと流れていた。
なんだかその顔が可笑しくてわたしは笑ってしまった。
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