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仲間達
図書ルーム
しおりを挟む幽霊かもしれないものや里美にそして、大浴場の件がなければ、仲の良かった友達との合宿みたいな感じで楽しかったのかもしれない。
だけど、今の状況はそんな楽しさなんて微塵もなくて、楽しさとはほぼ遠い状態なのだ。
外にいても寒いねと言い合い、わたしと太郎は洋館の中に戻った。
だけど、やっぱり暇でやることがない。
することも、ないので先程までいた、図書ルームへ行き椅子に座り、ウトウト船を漕いだり、本を読んだりして過ごした。
『思い出の遠い国に行きました。たくさんの思いで達が詰まっていました。過去の私や友達がいっぱいいました。あの頃の私は幸せだったなと振り返ります。幸せな日々に帰りたい、帰りたい、帰りたいわ』
重厚な本棚から取り出した本をパラパラと捲る。なんだろこの本、わたしと少し似ているかもしれないなと感じた。
あの頃は幸せだったな……。
わたしは、どうなんだろうか? 果たして幸せだったのかな?
幸せだった、だけど辛かったが正解かな。
仲間がいて楽しかった。
みんなと夕暮れまで校庭や公園で走りまわったあの日々達。鬼ごっこ、ジャングルジムのてっぺんまで行き、『世界は俺のものだー』と宣言した太郎君を見上げて、アホだと笑ったり、公園の砂場で泥団子を作り、団子屋さんごっこをして、手も服もドロドロにしてお母さんに叱られた思い出、なんだか懐かしいな。
やっぱり幸せだったよね。
だけど。
幸せだった。だけど幸せではなかった。
とても矛盾しているけれど、それがわたしの答えなのだと思う。
『私の宝物、それはあなた。あなたが私の宝物だった。大好きな宝物、大切に大切にしていた宝物。かけがえのないたった一つのものだった。いつも私はあなたに優しくした。あなたが笑うと私も幸せだったの。だけど、あなたがある日それを壊した』
なんだろ?
変な本。わたしは本を机の上に置き、伸びをした。
里美。あなたがいなければ、わたしは、もっと幸せだったのかもしれない。里美のことは好きだけど大嫌いでもあったのだから。
みんなと過ごした学生時代は懐かしい。
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