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雪降る洋館へようこそ

懐かしいあの日の同級生

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びっくりした。それはもう驚いた。だって目の前に座っている三人は、わたしのよく知っている人達なんだから。間違いはないよね。

三人もわたしと同じように目を大きく見開きびっくりした表情をしている。

そして、振り返り視線を京香ちゃんとすみれちゃんに向けると二人も目を丸くしている。

その時、鼻筋が通り大きな瞳の長い髪の美女が口を開いた。そして、

「花見未央ちゃんに筒地京香ちゃん、そして、藤川すみれちゃんでしょう?」とわたし達の顔を見て言った。


  そうなのだ。ここにいる三人は、わたし達の小中学校の時の同級生だったのだ。しかも全員何度も同じクラスになっている。

長い髪の美女は、桜川春花さくらかわはるか

こんな事ってあるの?  信じられない、偶然でびっくりだ。

「マジかよ、びっくりしたぜ」

そう言ったのは子供の頃はやんちゃ少年だった、菊川太郎きくかわたろうこの中で唯一の男性であるのだ。

「なんなのこれ~ぶったまげた~」

ポテトチップスをバリバリ食べながら話すのは、子供の頃はもっとポッチャリ子だったかな?  少し細くなった森口花音もりぐちかのんだったのだ。

  
「あれ、お知り合いだったのですか?」

  髭のオーナー里見さんが言った。

「お知り合いも何も、今来たこの三人は小中学校の同級生ですよ~」

と花音ちゃんは、ポテトチップスをバリバリ食べながら言った。

「そうなんですか?  先程も、えっと、森口さんでしたよね、森口さん達もここに来るなり、びっくりされていらっしゃったばかりなのに。またですか?」

里見さんは首を横に傾げた。

「えっ!  それって、あなた達もここで偶然再会したの?」

わたし達三人はほぼ同時に叫んだ。

「そうよ、わたし達も少し前にこの宿に到着したんだけどびっくりしてたところだったのよ」

春花は美しい顔を歪めて溜め息をついた。

なんたる偶然なのだろか……。


  
こんな偶然ってあるなんて何か不思議なことが起こっているなんてことはないよねとわたしは心配になった。

同級生との再会は嬉しいような、だけど不思議なそして、少しだけ気味悪くも感じられた。何か見えないものがわたし達をこの洋館に引き寄せたなんてことはないといいのだけど。

「まあまあ、小さなことは気にしない気にしない、楽しくやろうぜ!」

菊川太郎君は、おちゃらけた感じで言った。

そんな気にしないでと言われてもわたしは気になる。たらりと汗をかいた。寒いのに、これは冷や汗だ。
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