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ニャンリーとニッコリ

正真正銘のお嬢様

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 正直可愛いと思った。ニッコリは穢れのない正真正銘のお嬢様だ。これほど笑顔が素敵な女の子に意地悪したいなんて思わない。

 なのにどうしてニャンリーお嬢様は意地悪をしてしまったのかな? わたしは別に悔しいとも思わないけれど。

「えっと、可愛いかな。ありがとう」

 わたしは素直にお礼を言ってにっこりと笑ってみせた。

「うん、可愛いよ。わたし猫好きだからね」

「にゃははありがとう。あ、えっとその……」

 猫が好きだと言われ思わずお礼を言ってしまったよ。いけない、いけない。

「面白い人だね。猫がものすご~く好きなのかな?」

 ニッコリは口元に両手を当ててクスクス笑っている。

「あ、そうなのよ。わたし、ものすご~く猫が好きのよ」

 わたしは、うんうんと首を縦に振りながら答えた。まさか自分が元猫だったなんて言えないもんね。

「ほんと、なんだか楽しい人だね」

 それまで黙っていたショートヘアの女の子がニッコリの顔見てそれから視線をわたしに移し言った。

「あ、ありがとう」

 わたしはにっぱーと笑いお礼を言った。

 なんだか、ニッコリもこの女の子もいい人だよ。この世界で上手くやっていけそうな気もするのだけど。

「わたし、ニッコリです。一年間よろしくね」

 ニッコリはぺこりと頭を下げた。

「わたしはコアーナです。よろしくね」

 ショートヘアの女の子改めコアーナもぺこりと頭を下げた。

「わたしはにゃーじゃなくて、ニャンリーです。よろしくお願いします」

 わたしもぺこりと頭を下げた。

 うふふ、なんだか楽しくなりそうだ。楽しくなるんだよね。
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