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いよいよ始まる
個性的な仕事仲間
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きっと気のせいだよね。わたしはそう思いチラリと浜本さんの様子を窺う。
すると、浜本さんは「英美利まだかな? 遅いな。糞でもしてるんじゃねえだろうな?」と唇を尖らせブツブツ呟いている。
「えっ、糞って……」
わたしが浜本さんのびっくり発言に驚いていると、
「お待たせ~」英美利ちゃんはふわふわの髪の毛を靡かせにっこりと微笑みながら戻ってきた。
糞なんて言われてることを知ったら英美利ちゃんはどんな顔になるのかなと考えるだけで恐ろしい。
「葉月ちゃん、紹介するわね。これから一緒に仕事をしてもらうことになる先輩のお手伝いさんよ。雪本さん、成田葉月ちゃんです。いろいろ教えてあげてね」
英美利ちゃんがわたしのことを紹介してくれると英美利ちゃんの後ろからひょっこりと女性が姿を現した。
その女性は、黒色のロングワンピースにひらひらのフリルが付いた白色のエプロン、頭には白色のカチューシャを付けた、十九世紀の英国メイドさんなんですかと思ってしまうようなファッションスタイルだった。
「初めまして、雪本 夢花です。これからよろしくお願いしますね」
雪本さんはにっこり微笑みそれから深々と頭を下げた。
「成田葉月です。初めまして、こちらこそどうぞよろしくお願いします」
わたしは慌ててぺこりと頭を下げた。
雪本さんは二十代後半くらいだろうか? くるりんとした大きな目にふっくらしたほっぺたで肌もツヤツヤしていて綺麗だ。英国風のメイド服がとても似合っていてそれに礼儀正しくてびっくりしてしまった。
「じゃあ、雪本さん。葉月ちゃんをよろしくね」
と言いながら英美利ちゃんは雪本さんの肩にぽんと手を置き、それからわたしの肩をぽんぽんと軽く叩き「頑張ってね」と言って微笑んだ。
「はい、英美利様。成田さんのことはわたしにお任せくださいませ」
雪本さんは英美利ちゃんを英美利様と呼んだことにもわたしはびっくりした。
「じゃあ、仕事に行ってきます。浜本行くわよ」
英美利ちゃんは重厚な玄関の扉を開いた。
「英美利様、お気をつけていってらっしゃいませ」
雪本さんは深々と頭を下げた。
英美利ちゃんと浜本さんが行ってしまうと雪本さんとこの大きなお屋敷に二人っきりになりなんだか緊張してしまう。
「さてさて、お仕事を教えるわね。さあ、早くエプロンをつけてくださいね。ふふっ……」
「あ、はい」
今、雪本さんが不気味に笑ったような気がするけれどきっと気のせいだよね。
「早く、成田さ~ん。キッチンに来てください」
わたしは、慌ててエプロンをつけ、キッチンに行くと雪本さんが洗い物をしていた。キッチンは白を基調として清潔感が溢れ明るくて爽やかではあるけれど高級感も漂っていた。
「雪本さん」わたしが声を掛けると雪本さんは振り返り、「あら、メイド服じゃないのね」と言ってわたしのエプロンをじーっと眺めた。
「……あの何か?」
「ううん、何でもないですけど猫ちゃん柄のエプロンなんですね。まあ可愛いからいいですけどね。やっぱり英美利様のご自宅のお掃除はメイド服が似合うのですがね」
なんて言って雪本さんはふふっと笑った。
すると、浜本さんは「英美利まだかな? 遅いな。糞でもしてるんじゃねえだろうな?」と唇を尖らせブツブツ呟いている。
「えっ、糞って……」
わたしが浜本さんのびっくり発言に驚いていると、
「お待たせ~」英美利ちゃんはふわふわの髪の毛を靡かせにっこりと微笑みながら戻ってきた。
糞なんて言われてることを知ったら英美利ちゃんはどんな顔になるのかなと考えるだけで恐ろしい。
「葉月ちゃん、紹介するわね。これから一緒に仕事をしてもらうことになる先輩のお手伝いさんよ。雪本さん、成田葉月ちゃんです。いろいろ教えてあげてね」
英美利ちゃんがわたしのことを紹介してくれると英美利ちゃんの後ろからひょっこりと女性が姿を現した。
その女性は、黒色のロングワンピースにひらひらのフリルが付いた白色のエプロン、頭には白色のカチューシャを付けた、十九世紀の英国メイドさんなんですかと思ってしまうようなファッションスタイルだった。
「初めまして、雪本 夢花です。これからよろしくお願いしますね」
雪本さんはにっこり微笑みそれから深々と頭を下げた。
「成田葉月です。初めまして、こちらこそどうぞよろしくお願いします」
わたしは慌ててぺこりと頭を下げた。
雪本さんは二十代後半くらいだろうか? くるりんとした大きな目にふっくらしたほっぺたで肌もツヤツヤしていて綺麗だ。英国風のメイド服がとても似合っていてそれに礼儀正しくてびっくりしてしまった。
「じゃあ、雪本さん。葉月ちゃんをよろしくね」
と言いながら英美利ちゃんは雪本さんの肩にぽんと手を置き、それからわたしの肩をぽんぽんと軽く叩き「頑張ってね」と言って微笑んだ。
「はい、英美利様。成田さんのことはわたしにお任せくださいませ」
雪本さんは英美利ちゃんを英美利様と呼んだことにもわたしはびっくりした。
「じゃあ、仕事に行ってきます。浜本行くわよ」
英美利ちゃんは重厚な玄関の扉を開いた。
「英美利様、お気をつけていってらっしゃいませ」
雪本さんは深々と頭を下げた。
英美利ちゃんと浜本さんが行ってしまうと雪本さんとこの大きなお屋敷に二人っきりになりなんだか緊張してしまう。
「さてさて、お仕事を教えるわね。さあ、早くエプロンをつけてくださいね。ふふっ……」
「あ、はい」
今、雪本さんが不気味に笑ったような気がするけれどきっと気のせいだよね。
「早く、成田さ~ん。キッチンに来てください」
わたしは、慌ててエプロンをつけ、キッチンに行くと雪本さんが洗い物をしていた。キッチンは白を基調として清潔感が溢れ明るくて爽やかではあるけれど高級感も漂っていた。
「雪本さん」わたしが声を掛けると雪本さんは振り返り、「あら、メイド服じゃないのね」と言ってわたしのエプロンをじーっと眺めた。
「……あの何か?」
「ううん、何でもないですけど猫ちゃん柄のエプロンなんですね。まあ可愛いからいいですけどね。やっぱり英美利様のご自宅のお掃除はメイド服が似合うのですがね」
なんて言って雪本さんはふふっと笑った。
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