異世界に召喚された俺はなぜだかゴリラに懐かれました。俺がもふもふしたいのはゴリラじゃない猫だよ（俺って最強なの？）

日本から異世界へ

友達

「友達！　今、友達って言ってくれたよな？　なあ、ナオート」

　ゴリーラがこちらに振り返りそれはもう嬉しそうにニマーっと笑った。

「え！　あ、まあ、友達かな……」

　俺はまたしくじったようだ。本当に学習能力がないなと自分自身に呆れてしまう。

「やった～俺はナオートの友達だ～」

　ゴリーラは満面の笑みを浮かべバンザイをした。

「おいおい、ゴリーラ授業中だぞ」

　先生はバンザイをしているゴリーラの肩をぽんぽんと叩く。

「今、友達宣言な大事な場面なんですよ。ゴリゴリ」

「友達宣言も大事かもしれないが先生の授業も大切だと思うぞ」

　先生は溜め息をつきゴリーラの肩をもう一度ぽんぽんと叩いた。

「そうだよ、ゴリーラ。今は先生の有り難い授業中なんだよ」

　俺は首を縦にうんうんと振りながら言った。

「ナオート君、良いことを言うじゃないか」

　先生は頬を緩め俺の頭をヨシヨシと撫でた。どうやらうまくいったようだ。

「先生早く授業を再開してください」

「そうだな。では、授業を再開しま～す」

　先生は満足げに微笑み教壇に向かった。ヤレヤレだ。俺はふぅーと息を吐く。

　一方ゴリーラは不満げな表情で俺をじっと見ている。そんな顔をするなよ。俺はゴリーラから目を逸らし窓の外を見た。木々が青々と茂っていてなんだか癒やされる。

　俺はぼんやりと窓の外を眺めた。