異世界に召喚された俺はなぜだかゴリラに懐かれました。俺がもふもふしたいのはゴリラじゃない猫だよ（俺って最強なの？）

日本から異世界へ

異世界の学校

　木製の扉を開け教室に入ると今では見慣れた世界がそこには広がっていた。

　既に半分近くの生徒が登校していた。仲の良い友達同士で話をしてる者や自分の席に座り絵を描いていたり読書をしていたりと様々だ。

　そうこれだけだとどこにでもあるありふれた日常の風景なんだけれど……。この学校は普通じゃなかった。俺にとっては。

　何が普通じゃないのかというとそれはもちろん人間以外の種族や動物達が当たり前のように教室にいることだ。

「おはよう」とクラスメイト全員に聞こえる声で俺とルーナは挨拶をする。

　クラスメイト達も俺とルーナに気づきこちらに視線を向け「おはようナオート、ルーナ」と挨拶を返してくれた。

　俺とルーナは窓際にある自分の席に向かう。俺は窓際の前から二番目の席でルーナはその後ろだ。

　そして、ゴリーラは……。

「みんなおはよう～ゴリゴリ」

　俺達から少し遅れてゴリーラが教室に入って来た。

「ゴリーラおはよう」

　クラスメイト達も元気よく挨拶をする。

「ふんふん♪　今日も楽しい一日になるかな～」

　ゴリーラは鼻歌を歌いながら窓際の一番前の席にゴリラ柄が描かれたカバンをドサッと置いた。

　そうなのだ。ゴリーラの席はつまり俺の前の席ということだ。これがまた厄介なのだ。だって、時々後ろに振り返り俺の顔を見てにぱーと笑うのだから。その顔がブサカワすぎて思わず笑ってしまったこともある。

　それを先生が見ていて何故か俺が怒られた。あんまりではないか。そんなことを思い出していると、

「ナオート」と俺の名を呼びながらゴリーラが振り返った。

　ああ、もう前だけ向いていてくれよ。