6 / 33
神本さんとひよこの正体それは……
しおりを挟む
「あのすみません。二人は何者なんですか?」
わたしは、勇気を出して言い合いをしている二人に聞いた。
「そ、それは……」
「オーナーもうバラしてしまいましょうよ」
「いやでも……」
神本さんは戸惑った表情を浮かべている。そんな神本さんを無視して、ひよこちゃんが、
「わたしは、たぬきの妖かしでオーナーはきつねの妖かしだよ」
と言って胸を張った。
「あ、妖かし~!? たぬきときつね~」
わたしは大きな声を上げてしまった。確かに頭に耳を生やしもこもこふわふわの尻尾が生えているのだから人間ではないと分かるけれど、ハッキリ言われるとびっくりするではないか。
「まぁ、そんな感じですね」
神本さんは観念したようにふぅーと息を吐いた。
「あの、神本さんとひよこちゃんが妖かしということは分かりました。だけど、その妖かしさんがわたしをどうしてこのひよこカフェ食堂に連れてきたんですか?」
わたしは、神本さんの色白で毛穴のない美肌をじっと眺めながら聞いた。
「それは……。まあ、気にしないでくださいよ~佐波さんの想いが偶然このひよこカフェ食堂に届いたんですよ」
神本さんは口元に手を当てて妖しげに笑った。その笑顔はあまりにも美しくて惹き込まれそうな笑顔だった。
「そうなんですか……」
「そうだよ~さあ、小さなことは気にしないでご飯を食べてね」
ひよこちゃんは無邪気にぴょんぴょん飛び跳ねた。なんだか可愛らしくて癒される。
「はい、では、『あなたの会いたい人や食べ物に出会えるよポンポン』をお願いします」
こうしてわたしは不思議なひよこカフェ食堂で食事をすることになった。
わたしは、勇気を出して言い合いをしている二人に聞いた。
「そ、それは……」
「オーナーもうバラしてしまいましょうよ」
「いやでも……」
神本さんは戸惑った表情を浮かべている。そんな神本さんを無視して、ひよこちゃんが、
「わたしは、たぬきの妖かしでオーナーはきつねの妖かしだよ」
と言って胸を張った。
「あ、妖かし~!? たぬきときつね~」
わたしは大きな声を上げてしまった。確かに頭に耳を生やしもこもこふわふわの尻尾が生えているのだから人間ではないと分かるけれど、ハッキリ言われるとびっくりするではないか。
「まぁ、そんな感じですね」
神本さんは観念したようにふぅーと息を吐いた。
「あの、神本さんとひよこちゃんが妖かしということは分かりました。だけど、その妖かしさんがわたしをどうしてこのひよこカフェ食堂に連れてきたんですか?」
わたしは、神本さんの色白で毛穴のない美肌をじっと眺めながら聞いた。
「それは……。まあ、気にしないでくださいよ~佐波さんの想いが偶然このひよこカフェ食堂に届いたんですよ」
神本さんは口元に手を当てて妖しげに笑った。その笑顔はあまりにも美しくて惹き込まれそうな笑顔だった。
「そうなんですか……」
「そうだよ~さあ、小さなことは気にしないでご飯を食べてね」
ひよこちゃんは無邪気にぴょんぴょん飛び跳ねた。なんだか可愛らしくて癒される。
「はい、では、『あなたの会いたい人や食べ物に出会えるよポンポン』をお願いします」
こうしてわたしは不思議なひよこカフェ食堂で食事をすることになった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
あやかし猫がいるこたつがある喫茶店にようこそ!
なかじまあゆこ
キャラ文芸
ある日永久(とわ)は昔書いていた日記帳を見つけた。そこには懐かしい日々が綴られていた。亡くなった大好きだったおばあちゃんのことも。
おばあちゃんに会いたいよと涙を零した永久は不思議なあやかしがいるこたつのある不思議な喫茶店を見つける。
その喫茶店は亡くなった人と交流が出来る場所でもあったのだ。
下宿屋 東風荘 2
浅井 ことは
キャラ文芸
※※※※※
下宿屋を営み、趣味は料理と酒と言う変わり者の主。
毎日の夕餉を楽しみに下宿屋を営むも、千年祭の祭りで無事に鳥居を飛んだ冬弥。
しかし、飛んで仙になるだけだと思っていた冬弥はさらなる試練を受けるべく、空高く舞い上がったまま消えてしまった。
下宿屋は一体どうなるのか!
そして必ず戻ってくると信じて待っている、残された雪翔の高校生活は___
※※※※※
下宿屋東風荘 第二弾。
猫神様と妖かし達と僕の夏休み
くま
キャラ文芸
東北で港から離れている田代島へ遊びに来た主人公如月ふうた、高校三年生17歳。
そこは古くから「猫の島」と呼ばれている不思議な島。おじいちゃんと猫神社へ行ったのに、いつのまにか、目覚めるとなんと昭和にタイムスリップ!?!
そして何故か自分は、10歳のおチビになってる!なんで?!そんな中フウタが出会ったのは二人の少年だった。
あれあれ?一人の少年の名前は知っている!?
津田…津田つとむ?
じいちゃんだ!?!どういうこと!?
化け猫達などの妖かしの悩みを聞いて解決している過去のじいちゃん。
反対に妖かしを退治しようとしている島の唯一のお寺の息子であるクールな章太郎君との不思議な不思議な体験をした夏休みを過ごす事になったけど…
河童はムキムキマッチョだったり、人魚は頭が魚で足が美脚かーい!想像したのと違う!(ツッコミ)
そして猫神様よ、無駄にイケメン過ぎやしないか?!羨ましい!でも、もふもふ姿に罪はなし!
えーと、なんだかわからないけれど、じいちゃん達と一緒に妖かし達の悩みや、問題を解決させていただきます!
とりあえず、どうやって…現代に帰れるのかな?
主人公ふうたのちょっとモフモフで、切なくて、ほっこりした、不思議な和風ファンタジーな、お話しです。多分!
※舞台は確かに実在する島ですが、少し題材も自身の祖父から周りに聞いたものだったりしておりますがそこから話しを作ったものなのでご了承下さいませ。
※昭和時代流行りのものとか調べてたりしてますが、あれ、なんか違う?とか、あるかもしれません。
これはあくまでもちょっと不思議な猫と妖かしとチビっ子男子達のお話しです。それでもよければ、どうぞ楽しんで下さい!
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる