どうしてわたし外国人になっているのと春川砂織は鏡の前で叫びました！

マルコーリさんわたしルーピー村に帰ってきました

「じゃあ、砂織ちゃん扉を開けるにゃん」

  シロリンちゃんの肉球のある可愛らしい手が扉を開こうとした。

  久しぶりにマルコーリさんに会えると思うとわたしの胸は高鳴る。早くマルコーリさんに会いたいけれどそれと同時にどんな顔をされるのかなと不安になる。

  あんなに大騒ぎして地球に帰ったのにもう戻ってきたのかと呆れられるかもしれないし笑われるかもしれない。そこまで考えたところでマルコーリさんはそんな人じゃないと考え直した。

「砂織ちゃん、どうしたの？  中に入らないの？」

  シロリンちゃんが振り返り言った。

「あ、ごめんね。ぼんやりしてた。入る～」


  「ただいまにゃ～ん」

  シロリンは元気よく挨拶をした。カランカランとドアベルが鳴り扉が開くとふわふわとフルーティーな香りが漂ってきておかえりなさいとわたしを歓迎してくれてるように感じた。

「シロリンおかえりなさい」

  マルコーリさんの柔らかくて優しい声がカフェの奥から聞こえてきた。

  そして、ゆっくりとマルコーリさんがこちらに向かって歩いてきた。わたしはその姿を見て懐かしくて涙が出そうになった。

  目がぱっちりしていて爽やかで甘いマスクでそして、道也君に似ているマルコーリさん。わたしがマルコーリさんの顔をじっと眺めていると、わたしに気づいたマルコーリさんは目を大きく見開いた。

「さ、さ、砂織……砂織じゃないですか！  どうしてここにいるんですか？」

  マルコーリさんは先程よりもっと目を大きく見開いた。

 「わたし、この世界に戻ってきてしまったみたいです」

「砂織、おかえりなさい。って言うか元の世界に帰りたいですよね」

  マルコーリさんは眉間に皺を寄せている。

「わたし、元の世界に帰りたいけどこの世界にも居たいです」

   そうそれがわたしの今の答えなのだ。