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オレンジ色の世界と恐怖
多香子とそれから
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「ちょっと美奈ちゃんわたしは?」
「あ、多香子ちゃんね。忘れていたよ」
鬼の形相から美奈は笑顔になりそして悲しげに微笑みを浮かべた。
「もう忘れていたなんて酷いね。わたし気がついたんだよ。わたしも美奈ちゃんの仲間だってことをね……」
多香子は口元に手を当てて笑いそして涙をポロポロ溢した。
「仕方がないよね。多香子ちゃんも死んでいるんだもんね……」
美奈はびっくりすることをさらりと言って笑った。
『亜沙美ちゃんは思い出さないのかな? ゆっくり思い出してね』と言った美奈と多香子のあの言葉はまさか。そんなことってあるの。
「うん、わたしと美奈ちゃんはあの夏祭りの日に殺された仲間だもんね」
美奈と多香子はそう言って笑い合った。
あまりのことにわたしの膝がガクガク震えた。
だって、そう多香子は……「多香子ちゃんはわたし達のクラスメイトじゃなかったよね?」
「ふふっ、亜沙美ちゃん正解よ。やっと思い出してくれたんだね。わたしはあの崖から突き落とされ死んだ美奈ちゃんと幽霊仲間なのよ。クラスメイトのふりをしてごめんね」
もうあまりのことについていけない。
「亜沙美ちゃん、もう一つわたしを小説の中に閉じ込めたでしょ。わたし嬉しかったけどもうわたしを小説の中から解放してくれてもいいんだよ」
美奈がわたしを見て言った。
「あ、思い出した! わたし美奈が死んでしまったとは思いたくなくて『オレンジ色の夕日とわたしの青春』を書いて真空パックしたんだ」
ずっと、キラキラ輝く美しい青春の世界にいたくて美奈を小説の中に閉じ込めてしまったのかもしれない。
「あ、多香子ちゃんね。忘れていたよ」
鬼の形相から美奈は笑顔になりそして悲しげに微笑みを浮かべた。
「もう忘れていたなんて酷いね。わたし気がついたんだよ。わたしも美奈ちゃんの仲間だってことをね……」
多香子は口元に手を当てて笑いそして涙をポロポロ溢した。
「仕方がないよね。多香子ちゃんも死んでいるんだもんね……」
美奈はびっくりすることをさらりと言って笑った。
『亜沙美ちゃんは思い出さないのかな? ゆっくり思い出してね』と言った美奈と多香子のあの言葉はまさか。そんなことってあるの。
「うん、わたしと美奈ちゃんはあの夏祭りの日に殺された仲間だもんね」
美奈と多香子はそう言って笑い合った。
あまりのことにわたしの膝がガクガク震えた。
だって、そう多香子は……「多香子ちゃんはわたし達のクラスメイトじゃなかったよね?」
「ふふっ、亜沙美ちゃん正解よ。やっと思い出してくれたんだね。わたしはあの崖から突き落とされ死んだ美奈ちゃんと幽霊仲間なのよ。クラスメイトのふりをしてごめんね」
もうあまりのことについていけない。
「亜沙美ちゃん、もう一つわたしを小説の中に閉じ込めたでしょ。わたし嬉しかったけどもうわたしを小説の中から解放してくれてもいいんだよ」
美奈がわたしを見て言った。
「あ、思い出した! わたし美奈が死んでしまったとは思いたくなくて『オレンジ色の夕日とわたしの青春』を書いて真空パックしたんだ」
ずっと、キラキラ輝く美しい青春の世界にいたくて美奈を小説の中に閉じ込めてしまったのかもしれない。
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