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プロローグ
恐ろしいオレンジ色の食堂
しおりを挟むぽたり、ぽたり。ぽたり、ぽたり。
商店街の入り口にオレンジ色の文字で『ほんわか通り』と書かれたアーチがある。
入ってすぐのところにオレンジ色の提灯に明かりがぽつんと灯りオレンジ色の暖簾には『ご飯屋』と書かれた香ばしくて懐かしい匂いが漂う定食屋があった。
そんな一見穏やかそうな定食屋でわたしは気がつくと包丁を握りしめていた。
そのわたしが握っていた包丁からぽたり、ぽたり、ぽたり、ぽたりと血が滴り落ち床の上は血の水たまりのようになっている。
先程までの店内は香ばしくて懐かしい匂いがしていたのにそれがむせるような血の臭いに変化した。
わたしは誰かを刺したのだろうか? 分からない……。
真っ赤に染まった血溜まりをわたしはじっと眺めた。
何が起こったのかよく分からない。オレンジ色の提灯と包丁に付いた血と血溜まり。
わたしは恐怖に震え立っていた。
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