鏡の中の娼年 ～不幸で性格の悪い俺が、スパダリの親友に溺愛されるようになるまでの話～

穏やかな日々 ③※

  穏やかで、優しくて、誰にでも好かれる暁。

  セックスの時は…………少し違う。






「あっ、アッ、……あきっ……らめぇ…………！」



  優しいのは、優しいけど……



「美玲が、煽ったんだよ……」



  情熱的で、ねっとりとして、しつこくて、厭らしい。



「あぅ……そんな……おく……おくぅ……カチカチので……いっぱぃ、つかれたらぁ…………やらぁ、らめぇ…………！」



  本当に嫌がってるのに、やめてくれない。



「キュンキュン締め付けてくる……可愛い……美玲……」

「やらぁぁぁ…………！」



  それがわかってるのに……

  真面目で優しすぎる暁を、奮い立たせるのに、つい煽ってしまった。



「イク、イク……とまんなっ……あき……も、やらぁ……おく、やらぁぁぁーーー」

「みれいの奥が……僕に吸い付いて……離してくれないんだよ……
ほら……グリグリ回すと、余計にキューッてなる……」

「あぁぁぁ……おく、グリグリぃ……へん……へん……なるっ、てぇぇぇ…………」



  そして、後悔はするけれど、反省はしない。






  グズグズに蕩ける程抱かれ、裸で抱き合ったまま、ベッドで戯れる。



「美玲……好きだよ……」

「俺も……暁……大好き……」

「可愛い……美玲…………僕の事、好きになってくれて、ありがとう……」

「暁…………」



  甲斐甲斐しくて、真っ直ぐで、
  真摯に愛してくれる暁が
  堪らなく、愛しくて……

  優しげな美しい顔に近付き、唇を重ねる。



「んんっ……みれ…い……」

「ん、ンッ……あき……すき……」

「ぼくも……すきだよ……っん、ンン……」



  好きとキスの嵐が止まらない。



  頬を手で包み込んだり、指と指を絡め合ったり、オデコをくっつけ合ったり、鼻と鼻をスリスリしたり……

  まっ昼間だと言うのに、ずーっとイチャついたまま……

  うとうとと微睡み、再び眠りについた。






  セックスも好きだけど

  終わった後、互いに触れ合う事で……



  “愛されてる”って。

  より、実感する事が出来て

  甘い気持ちで、いっぱいになった。