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第17章:詐欺の片棒

16話

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「何なら、素直にやめさせてくれないなら、今までのデートして違約金を肩代わりさせる詐欺を公表するって、脅しちゃいなさい。大丈夫、貴方はまだ未成年、相手は大人。どっちのダメージがでかいかは、考えなくてもわかるでしょ? それで、やめた後は、また別の事務所に移るなり、自分で自分をプロデュースするなりしちゃえばいいんじゃない?
 なんなら、自分たちのファンにマネージメントとかプロデュースを出来る人がいないかとか、そういうのを相談してみてもいい。周囲の人を巻き込みなさい。ファンはあなたが辛いことに巻き込まれているならば、絶対に助けてくれるから。裏切られたって怒る人もいると思うけれど、本当にアイドルになりたいなら、その逆境を売名に利用するくらいのしたたかさも必要よ」
「ファンなら、私達を助けてくれる……か。うん、そうだね……」
 電話をしながらカナは、見てもいない相手に対して頷く。
「わかった。関わってる人の名刺をいただく、弁護士に相談する、その二つだね。あとはシホにも相談して……やめるときの脅し文句も考える、だよね……お休みは少ないけれど、頑張ってみる」
 カナの声に力がこもる。
「弁護士との会話が無料相談で終わっても、ハッタリのためにきっちりと名刺は貰っておくんだよ、あと、事前に話す内容をまとめておくこと! 弁護士の対応も全く変わるから。ついでに、証拠のメッセージのやり取りがあったら残しておくとか……私もアドバイスを後でまとめて送っておく!」
「押忍! 明日香先輩」
 明日香が言えたことではないが、所詮自分たちは世間知らずの小娘である。大人が法律などの難しい話をすれば、委縮してしまうことは目に見えている。だからこそ、先に弁護士に相談して、なんなら弁護士の名刺持ちらつかせてやればいい。
 契約書を実際に見たわけでもないので何とも言えないが、辞めたら違約金に200万などと、ろくな給料も出さずにそんな横暴がまかり通るわけもない。もしかしたら、カナたちはマネージャーとやらに実家の家に嫌がらせをするとか、そういった脅しを受けるかもしれないが、それも弁護士や警察ならばなんとかしてくれるだろう。ともかく、あとはカナたちの頑張り次第だ。
 大丈夫、喧嘩は気合が入っているほうが勝つものだ。カナ達に気合があれば、負けることはないはずだ。
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