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第15章:自己顕示欲と誇大妄想と被害妄想と支配欲
14話
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そうして準備を終えると、裕也が審判を。素華と真由美が撮影係を行った。こんな動画には顔をさらしたくないからと、明日香以外の三人はマスクを着用の上、安物のサングラスで正体を隠す。とはいっても、この神社の場所は数々の特定要素があるので、その気になれば簡単に裕也たちの個人情報も特定されてしまうだろうが、そうなる可能性は今は考えないでおこう。
「準備が出来ました。さて、予想のほうはどうなっているでしょうか?」
そう言ってあるぽんが動画のコメントを覗くと、コメントは当然のことながら『負けて引退しろ』『引退』『トゥモローちゃん勝って』『トゥモローちゃん、絶対やばいやつでしょ……あるぽん負けるわこれ』といったコメントばかりである。そういうコメントばかり……なのだが……
「あー、ちょっとトゥモローさんの勝利が優勢ですねぇ」
スマホを覗きながらそんなことを言うあるぽんをみて、その場にいる全員が。古々や振々も含めて『こいつは現実が見えていないのか?』と首をかしげる。あまりに現実が見えていないあるぽんの発言なので、皆一斉に古々や振々を見るが、二人は苦笑している。
『いや、あいつ本気で明日香の勝利を予想したり、望んだりするコメントの量が見えていないっぽい』
『ほとんど、ではなく「優勢」と、言い張る時にその心に偽りはなかった……嘘をついたときに自分で嘘と認識できない、やばいタイプだ。恐ろしくポジティブというより、リアルタイムで現実を改変できる恐ろしいやつだ……これが、虚言癖の行きつく果てなのか?』
古々、振々はどちらも人の心が見える。その二人があるぽんの発言が真意であることを保証しているので、ある意味ヤクザよりも恐ろしいやつを神社に入れてしまったものだと、裕也たちはここにきて認識するのであった。
「どうしました、皆さん?」
「いえ、虫がいたもので」
「虫ですか! まだ暑いですからね!」
あるぽんが皆の視線に首をかしげたので、素華、真由美は苦笑しながら答えるのであった。さて、そんな状況を見ている視聴者からコメントが来ているわけだが……一つ驚くべきコメントがあった。
『「あー、ここの人達見えてるんだ……可愛い鹿さんのこと。しかし、トゥモローチャンネルってマジ最高だわ、こんなかわいい神使がいるだなんて」ってコメントがあるけれど、まさか視聴者に霊能力者でもいるのかしら? え、見えるの!? 見えてるの? マジで?』
古々はスマートフォンを見ながら慌てふためいている。
『まさか、そんな……いるんだな、こんな配信にも……本物の霊能者』
振々も、そんな霊能者が普通に配信を見ることがあるのかと驚くのであった。
「準備が出来ました。さて、予想のほうはどうなっているでしょうか?」
そう言ってあるぽんが動画のコメントを覗くと、コメントは当然のことながら『負けて引退しろ』『引退』『トゥモローちゃん勝って』『トゥモローちゃん、絶対やばいやつでしょ……あるぽん負けるわこれ』といったコメントばかりである。そういうコメントばかり……なのだが……
「あー、ちょっとトゥモローさんの勝利が優勢ですねぇ」
スマホを覗きながらそんなことを言うあるぽんをみて、その場にいる全員が。古々や振々も含めて『こいつは現実が見えていないのか?』と首をかしげる。あまりに現実が見えていないあるぽんの発言なので、皆一斉に古々や振々を見るが、二人は苦笑している。
『いや、あいつ本気で明日香の勝利を予想したり、望んだりするコメントの量が見えていないっぽい』
『ほとんど、ではなく「優勢」と、言い張る時にその心に偽りはなかった……嘘をついたときに自分で嘘と認識できない、やばいタイプだ。恐ろしくポジティブというより、リアルタイムで現実を改変できる恐ろしいやつだ……これが、虚言癖の行きつく果てなのか?』
古々、振々はどちらも人の心が見える。その二人があるぽんの発言が真意であることを保証しているので、ある意味ヤクザよりも恐ろしいやつを神社に入れてしまったものだと、裕也たちはここにきて認識するのであった。
「どうしました、皆さん?」
「いえ、虫がいたもので」
「虫ですか! まだ暑いですからね!」
あるぽんが皆の視線に首をかしげたので、素華、真由美は苦笑しながら答えるのであった。さて、そんな状況を見ている視聴者からコメントが来ているわけだが……一つ驚くべきコメントがあった。
『「あー、ここの人達見えてるんだ……可愛い鹿さんのこと。しかし、トゥモローチャンネルってマジ最高だわ、こんなかわいい神使がいるだなんて」ってコメントがあるけれど、まさか視聴者に霊能力者でもいるのかしら? え、見えるの!? 見えてるの? マジで?』
古々はスマートフォンを見ながら慌てふためいている。
『まさか、そんな……いるんだな、こんな配信にも……本物の霊能者』
振々も、そんな霊能者が普通に配信を見ることがあるのかと驚くのであった。
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