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第14章:愛情不足の代償
6話:おとり捜査
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翌日、相撲部にて緊急の会議が行われた。要が連れてきた望海は、事が事だけに顔を見られたくないのか、ずっと顔を伏せているし、ほとんど喋らない。
「事情は分かったけれど……うーん。困ったなぁ」
神社の社務所で要からの報告を聞いた明日香はそう言って唸る。
「えっと、もしかして、明日香先輩。囮捜査的な案とか考えてません?」
察しの良い真由美が尋ねると、明日香の答えは単純明快。
「そのまさかよ。でも、コーチは合唱部のみに的を絞っているから……私達がいきなり合唱部に入って『お願い、レギュラーにしてください!』ってわけにもいかないでしょ? だから、要さんか望海さん、どちらかが体を張って証拠を取ってくるしかない」
「やっぱりそうなるんですね。まぁ、先輩らしいといえばらしいですが」
これがもう少し気楽な案件な楽勝の一つも出来ただろうが、今回は女性が一人ひどい目にあっている。笑えない顔で素華は言う。
「いけるとしたら、要さん、あなただけ。飯塚さんがまた行くという手もあるけれど……それはちょっと、よね?」
そいつの家に行くのは心底嫌なのだろう、望海は静かに首を横に振る。
「もう、あそこにはいきたくないです……」
涙交じりの声で言う。じゃあ、とばかりに望海に視線が集まる。
「……ま、おとり捜査するなら、私が適任ですよね。わかりました……気は進みませんが、でも放ってはおけません」
要も心底行きたくなかったが、それでも自分以外におとり捜査を引き受けられる者もいないだろう。
「わかった、ありがとう……結局、明確な証拠もなければ俺達も動けないから……ま、やると決まった以上、俺達が絶対に何とかすると約束するから……あんまり怯えないでくれよ」
だから、家に潜入してくれと言わんばかりに裕也が言う。
「いや、怯えるでしょ。むしろ、男の家に『特別レッスン』に行って、自信満々で堂々としているほうが不自然だし……だから、まぁ……信用し過ぎないようにしておく。……いや、でも本当に大丈夫だよね?」
要はそう言って苦笑しながら相撲部の面々を見る。
「もちろん」
「任せて。荒事は得意だから」
裕也と明日香は自信満々にそう言った。
「じゃ、信用し過ぎない程度に信用する」
二人の表情を見て要は覚悟を決める。怖いことには変わりないが、だからと言って女を食い物にする卑劣な男を似そのまましておきたくない。放っておけばまた被害が出るかもしれないのだから。
「事情は分かったけれど……うーん。困ったなぁ」
神社の社務所で要からの報告を聞いた明日香はそう言って唸る。
「えっと、もしかして、明日香先輩。囮捜査的な案とか考えてません?」
察しの良い真由美が尋ねると、明日香の答えは単純明快。
「そのまさかよ。でも、コーチは合唱部のみに的を絞っているから……私達がいきなり合唱部に入って『お願い、レギュラーにしてください!』ってわけにもいかないでしょ? だから、要さんか望海さん、どちらかが体を張って証拠を取ってくるしかない」
「やっぱりそうなるんですね。まぁ、先輩らしいといえばらしいですが」
これがもう少し気楽な案件な楽勝の一つも出来ただろうが、今回は女性が一人ひどい目にあっている。笑えない顔で素華は言う。
「いけるとしたら、要さん、あなただけ。飯塚さんがまた行くという手もあるけれど……それはちょっと、よね?」
そいつの家に行くのは心底嫌なのだろう、望海は静かに首を横に振る。
「もう、あそこにはいきたくないです……」
涙交じりの声で言う。じゃあ、とばかりに望海に視線が集まる。
「……ま、おとり捜査するなら、私が適任ですよね。わかりました……気は進みませんが、でも放ってはおけません」
要も心底行きたくなかったが、それでも自分以外におとり捜査を引き受けられる者もいないだろう。
「わかった、ありがとう……結局、明確な証拠もなければ俺達も動けないから……ま、やると決まった以上、俺達が絶対に何とかすると約束するから……あんまり怯えないでくれよ」
だから、家に潜入してくれと言わんばかりに裕也が言う。
「いや、怯えるでしょ。むしろ、男の家に『特別レッスン』に行って、自信満々で堂々としているほうが不自然だし……だから、まぁ……信用し過ぎないようにしておく。……いや、でも本当に大丈夫だよね?」
要はそう言って苦笑しながら相撲部の面々を見る。
「もちろん」
「任せて。荒事は得意だから」
裕也と明日香は自信満々にそう言った。
「じゃ、信用し過ぎない程度に信用する」
二人の表情を見て要は覚悟を決める。怖いことには変わりないが、だからと言って女を食い物にする卑劣な男を似そのまましておきたくない。放っておけばまた被害が出るかもしれないのだから。
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