232 / 423
第11章:いいお話があります
15話:男女の力関係
しおりを挟む
その日の夕方のこと。昼寝から目が覚めた裕也は、まだ少し眠いので目を閉じていた。しかし、どうにも二度寝が出来るほど寝つきが良くないため、諦めて起き上がりながら、独り言のように古々へと自分の考えを聞かせた。
「しっかし、今日の案件は胸糞悪いな。こう、困ったことになっているのって、女性が多いような気がするな。地域の困りごとは男女関係なく助けてるつもりだけれど、こう……大きい案件では女性が被害者になっていることが多いような?」
やっぱり、犯罪被害にあうのは女が多いのか、と思うと女性として生まれたことが孫であると考えるものが多いのもわかる気がした。
『そうねぇ……もちろん、男が被害にあうこともあるけれど、こういうものって女性のほうが被害が多いものよよ。男と女の生物的な力の差、体格の差っていうのはもちろんだけれど、男の体よりも女の体のほうが需要がある、というのも原因の一つかしら? エッチな本も、エッチなお店も、女性の方が売れているでしょ?
それは、女性のほうがいざという時、体だけで稼ぐことも容易……という利点であると同時に、体を楽しみたい男たちの餌食になりやすいっていうデメリットでもある』
「なるほど。借金した女を風俗に堕とすとかいうのも、よく聞く話しだけれど、やっぱり実際女ってのはそれだけで価値があるってことだよなぁ」
『そう、そういうこと。ホストに金を使わされた女性が風俗やパパ活に落ちた結果、都会で立ちんぼしてる女性も沢山いるしね』
「裸の価値に、力の強さか……。しかし、裸の価値は女性のほうが高いままで、女のほうが男よりも強かったら……今回みたいなことって起こらなかったのかな? 裸の写真を撮られたら、殴って取り返してやることだってできただろうし。美紀が来夢をボコボコにぶん殴って、裸にひん剥いて、そんで無様なビデオを撮るとかやり返してやれば、今回の被害は起きなかっただろうしな。
実は、人間という生物は女のほうが力が強かった方が、ちょうどよかったって説はないか?」
そんな冗談めいたことを裕也が言うと、どうでしょうねぇと古々は笑う。
『女の方が力が強い、ねぇ。ハイエナなんかはメスのほうが強いそうだけれど……そんなことになったらどんな世界になるかしらねぇ。男性のほうが性欲は強いままなら、力が必要ない盗撮被害とかはなくならないでしょうけれど。でもレイプや痴漢、露出なんかは力関係が逆転したら物理的に難しくなるでしょうね。
そういう点では、女の方が力が強くなるのはいい事かもね。でも、やろうと思えば力が弱い性別だって、スタンガンとか睡眠薬を使って女をどうこうすることもできないこともないけれど? けれど、それでいい世界にはなる……なんて簡単なものじゃないでしょうね』
「そういうもんか?」
女性が性犯罪に巻き込まれにくくなるのはいいことだ。しかし、逆に女のほうが力が強くなると怒るデメリットとはどんなものがあるだろうか、と古々に言われて裕也も考える。
「しっかし、今日の案件は胸糞悪いな。こう、困ったことになっているのって、女性が多いような気がするな。地域の困りごとは男女関係なく助けてるつもりだけれど、こう……大きい案件では女性が被害者になっていることが多いような?」
やっぱり、犯罪被害にあうのは女が多いのか、と思うと女性として生まれたことが孫であると考えるものが多いのもわかる気がした。
『そうねぇ……もちろん、男が被害にあうこともあるけれど、こういうものって女性のほうが被害が多いものよよ。男と女の生物的な力の差、体格の差っていうのはもちろんだけれど、男の体よりも女の体のほうが需要がある、というのも原因の一つかしら? エッチな本も、エッチなお店も、女性の方が売れているでしょ?
それは、女性のほうがいざという時、体だけで稼ぐことも容易……という利点であると同時に、体を楽しみたい男たちの餌食になりやすいっていうデメリットでもある』
「なるほど。借金した女を風俗に堕とすとかいうのも、よく聞く話しだけれど、やっぱり実際女ってのはそれだけで価値があるってことだよなぁ」
『そう、そういうこと。ホストに金を使わされた女性が風俗やパパ活に落ちた結果、都会で立ちんぼしてる女性も沢山いるしね』
「裸の価値に、力の強さか……。しかし、裸の価値は女性のほうが高いままで、女のほうが男よりも強かったら……今回みたいなことって起こらなかったのかな? 裸の写真を撮られたら、殴って取り返してやることだってできただろうし。美紀が来夢をボコボコにぶん殴って、裸にひん剥いて、そんで無様なビデオを撮るとかやり返してやれば、今回の被害は起きなかっただろうしな。
実は、人間という生物は女のほうが力が強かった方が、ちょうどよかったって説はないか?」
そんな冗談めいたことを裕也が言うと、どうでしょうねぇと古々は笑う。
『女の方が力が強い、ねぇ。ハイエナなんかはメスのほうが強いそうだけれど……そんなことになったらどんな世界になるかしらねぇ。男性のほうが性欲は強いままなら、力が必要ない盗撮被害とかはなくならないでしょうけれど。でもレイプや痴漢、露出なんかは力関係が逆転したら物理的に難しくなるでしょうね。
そういう点では、女の方が力が強くなるのはいい事かもね。でも、やろうと思えば力が弱い性別だって、スタンガンとか睡眠薬を使って女をどうこうすることもできないこともないけれど? けれど、それでいい世界にはなる……なんて簡単なものじゃないでしょうね』
「そういうもんか?」
女性が性犯罪に巻き込まれにくくなるのはいいことだ。しかし、逆に女のほうが力が強くなると怒るデメリットとはどんなものがあるだろうか、と古々に言われて裕也も考える。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
ハーレムに憧れてたけど僕が欲しいのはヤンデレハーレムじゃない!
いーじーしっくす
青春
赤坂拓真は漫画やアニメのハーレムという不健全なことに憧れる健全な普通の男子高校生。
しかし、ある日突然目の前に現れたクラスメイトから相談を受けた瞬間から、拓真の学園生活は予想もできない騒動に巻き込まれることになる。
その相談の理由は、【彼氏を女帝にNTRされたからその復讐を手伝って欲しい】とのこと。断ろうとしても断りきれない拓真は渋々手伝うことになったが、実はその女帝〘渡瀬彩音〙は拓真の想い人であった。そして拓真は「そんな訳が無い!」と手伝うふりをしながら彩音の潔白を証明しようとするが……。
証明しようとすればするほど増えていくNTR被害者の女の子達。
そしてなぜかその子達に付きまとわれる拓真の学園生活。
深まる彼女達の共通の【彼氏】の謎。
拓真の想いは届くのか? それとも……。
「ねぇ、拓真。好きって言って?」
「嫌だよ」
「お墓っていくらかしら?」
「なんで!?」
純粋で不純なほっこりラブコメ! ここに開幕!
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる