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第11章:いいお話があります

15話:男女の力関係

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 その日の夕方のこと。昼寝から目が覚めた裕也は、まだ少し眠いので目を閉じていた。しかし、どうにも二度寝が出来るほど寝つきが良くないため、諦めて起き上がりながら、独り言のように古々へと自分の考えを聞かせた。
「しっかし、今日の案件は胸糞悪いな。こう、困ったことになっているのって、女性が多いような気がするな。地域の困りごとは男女関係なく助けてるつもりだけれど、こう……大きい案件では女性が被害者になっていることが多いような?」
 やっぱり、犯罪被害にあうのは女が多いのか、と思うと女性として生まれたことが孫であると考えるものが多いのもわかる気がした。
『そうねぇ……もちろん、男が被害にあうこともあるけれど、こういうものって女性のほうが被害が多いものよよ。男と女の生物的な力の差、体格の差っていうのはもちろんだけれど、男の体よりも女の体のほうが需要がある、というのも原因の一つかしら? エッチな本も、エッチなお店も、女性の方が売れているでしょ?
 それは、女性のほうがいざという時、体だけで稼ぐことも容易……という利点であると同時に、体を楽しみたい男たちの餌食になりやすいっていうデメリットでもある』
「なるほど。借金した女を風俗に堕とすとかいうのも、よく聞く話しだけれど、やっぱり実際女ってのはそれだけで価値があるってことだよなぁ」
『そう、そういうこと。ホストに金を使わされた女性が風俗やパパ活に落ちた結果、都会で立ちんぼしてる女性も沢山いるしね』
「裸の価値に、力の強さか……。しかし、裸の価値は女性のほうが高いままで、女のほうが男よりも強かったら……今回みたいなことって起こらなかったのかな? 裸の写真を撮られたら、殴って取り返してやることだってできただろうし。美紀が来夢をボコボコにぶん殴って、裸にひん剥いて、そんで無様なビデオを撮るとかやり返してやれば、今回の被害は起きなかっただろうしな。
 実は、人間という生物は女のほうが力が強かった方が、ちょうどよかったって説はないか?」
 そんな冗談めいたことを裕也が言うと、どうでしょうねぇと古々は笑う。
『女の方が力が強い、ねぇ。ハイエナなんかはメスのほうが強いそうだけれど……そんなことになったらどんな世界になるかしらねぇ。男性のほうが性欲は強いままなら、力が必要ない盗撮被害とかはなくならないでしょうけれど。でもレイプや痴漢、露出なんかは力関係が逆転したら物理的に難しくなるでしょうね。
 そういう点では、女の方が力が強くなるのはいい事かもね。でも、やろうと思えば力が弱い性別だって、スタンガンとか睡眠薬を使って女をどうこうすることもできないこともないけれど? けれど、それでいい世界にはなる……なんて簡単なものじゃないでしょうね』
「そういうもんか?」
 女性が性犯罪に巻き込まれにくくなるのはいいことだ。しかし、逆に女のほうが力が強くなると怒るデメリットとはどんなものがあるだろうか、と古々に言われて裕也も考える。
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