228 / 423
第11章:いいお話があります
11話
しおりを挟む
「それはお兄ちゃんだけ……でもないか。私もぶちのめしたいというのは同意。そりゃ、それが一番手っ取り早いしすっきりするんだけれど……出来れば警察に相談するのが一番いい案件じゃない? 破れかぶれになられてその動画を流出させられたら困るし……」
明日香の家は武闘派であり、悪く言えば脳筋だ。明日香も、おおむね暴力を肯定しているのがこの家の恐ろしいところである。だが、もみ消しが多かったり、何かと面倒な家族間での犯罪ならばともかく、今回は他人同士の犯罪である。それならば、証拠を取って警察へ行くのが一番だと明日香は考える。
「リベンジポルノとか最低。その彼氏とやらは今どういう状態?」
話の一部始終を聞いて、素華もさらに突っ込んでくる。
「もう別れたいのに、その写真を盾に脅してきますし……別れるならばらまく、ビジネスをやめるならばらまくって。そうじゃなかったら、こんなこととっくにやめてるよ! お金が手に入らないなら風俗や夜のお店で働けって言われてるし……」
「……それは、犯罪だって、その男には伝えたの?」
素華が尋ねると、美紀は頷きながら続ける。
「ました……けれど、『お前がやめるなら俺は終わりだ。お前も道連れにしてやる』って……話にならない感じで……その時のメッセージが、これです」
美紀は、自分の裸が映った部分を指で隠しつつ、メッセージアプリのCOCOAで送られたやり取りを見せる。女性の裸ということで思わず目を逸らしたが、スクロールして画像が見えなくなったら遠慮なく見せてもらった。
一度も会ったことのない相手とは言え、これはもう相手はクズであると認めるしかないだろう。
「それで、本当にそういうことをやりそうなやつだったりする?」
素華が尋ねると、美紀は首を横に振る。
「わかりません……一応、警察に捕まったという意味での前科とかはなさそうな感じですが、あの感じじゃ捕まっていないだけで色んな事をやりなれてそうですし……たまに店員とかに横暴な態度をとる感じだし……」
「普段からそういうことをする奴なら、捕まったら何するかはわからなくなるなぁ……はぁ。じゃあ、警察はナシのほうがいいわね」
これは話し合いで何とか出来る相手ではないな、と素華は頭を抱える。
「やっぱり、ぶちのめしたほうが早いんじゃないの? 警察なんて何とも思ってなさそうだし」
裕也が言う。庄司も横で頷いた。
「そうでなくとも、警察ってのは一般的な方法じゃ、『事後の対処』しかできないだろ? 裸の動画を拡散されたら、相手が警察に捕まろうが何だろうが美紀さんは負け、なんだ。そんなゴミみたいな男、どうせまともに金もないんだろうから損害賠償だってきちんと払ってもらえるかもわからないし?」
裕也が言い終えると、庄司はうんうんと頷く。
明日香の家は武闘派であり、悪く言えば脳筋だ。明日香も、おおむね暴力を肯定しているのがこの家の恐ろしいところである。だが、もみ消しが多かったり、何かと面倒な家族間での犯罪ならばともかく、今回は他人同士の犯罪である。それならば、証拠を取って警察へ行くのが一番だと明日香は考える。
「リベンジポルノとか最低。その彼氏とやらは今どういう状態?」
話の一部始終を聞いて、素華もさらに突っ込んでくる。
「もう別れたいのに、その写真を盾に脅してきますし……別れるならばらまく、ビジネスをやめるならばらまくって。そうじゃなかったら、こんなこととっくにやめてるよ! お金が手に入らないなら風俗や夜のお店で働けって言われてるし……」
「……それは、犯罪だって、その男には伝えたの?」
素華が尋ねると、美紀は頷きながら続ける。
「ました……けれど、『お前がやめるなら俺は終わりだ。お前も道連れにしてやる』って……話にならない感じで……その時のメッセージが、これです」
美紀は、自分の裸が映った部分を指で隠しつつ、メッセージアプリのCOCOAで送られたやり取りを見せる。女性の裸ということで思わず目を逸らしたが、スクロールして画像が見えなくなったら遠慮なく見せてもらった。
一度も会ったことのない相手とは言え、これはもう相手はクズであると認めるしかないだろう。
「それで、本当にそういうことをやりそうなやつだったりする?」
素華が尋ねると、美紀は首を横に振る。
「わかりません……一応、警察に捕まったという意味での前科とかはなさそうな感じですが、あの感じじゃ捕まっていないだけで色んな事をやりなれてそうですし……たまに店員とかに横暴な態度をとる感じだし……」
「普段からそういうことをする奴なら、捕まったら何するかはわからなくなるなぁ……はぁ。じゃあ、警察はナシのほうがいいわね」
これは話し合いで何とか出来る相手ではないな、と素華は頭を抱える。
「やっぱり、ぶちのめしたほうが早いんじゃないの? 警察なんて何とも思ってなさそうだし」
裕也が言う。庄司も横で頷いた。
「そうでなくとも、警察ってのは一般的な方法じゃ、『事後の対処』しかできないだろ? 裸の動画を拡散されたら、相手が警察に捕まろうが何だろうが美紀さんは負け、なんだ。そんなゴミみたいな男、どうせまともに金もないんだろうから損害賠償だってきちんと払ってもらえるかもわからないし?」
裕也が言い終えると、庄司はうんうんと頷く。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
ハーレムに憧れてたけど僕が欲しいのはヤンデレハーレムじゃない!
いーじーしっくす
青春
赤坂拓真は漫画やアニメのハーレムという不健全なことに憧れる健全な普通の男子高校生。
しかし、ある日突然目の前に現れたクラスメイトから相談を受けた瞬間から、拓真の学園生活は予想もできない騒動に巻き込まれることになる。
その相談の理由は、【彼氏を女帝にNTRされたからその復讐を手伝って欲しい】とのこと。断ろうとしても断りきれない拓真は渋々手伝うことになったが、実はその女帝〘渡瀬彩音〙は拓真の想い人であった。そして拓真は「そんな訳が無い!」と手伝うふりをしながら彩音の潔白を証明しようとするが……。
証明しようとすればするほど増えていくNTR被害者の女の子達。
そしてなぜかその子達に付きまとわれる拓真の学園生活。
深まる彼女達の共通の【彼氏】の謎。
拓真の想いは届くのか? それとも……。
「ねぇ、拓真。好きって言って?」
「嫌だよ」
「お墓っていくらかしら?」
「なんで!?」
純粋で不純なほっこりラブコメ! ここに開幕!
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる