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第11章:いいお話があります

10話:リベンジポルノ

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「ん……でも、あの美紀って人があんな商売やったの、なんでなんだろうな?」
 盗み聞きしていた古々にやんわりと命令された裕也は、彼女の話を聞くために素華との話題を変える。
「馬鹿だから?」
 本人がいない場所だと、素華の暴言は深刻なレベルで辛辣だ。ホントこの女は……と裕也は苦笑する。
「なら、いいんだけれどさ……いや、良くないけれど。あいつが馬鹿なだけなら、あいつが目を覚ませば何とかなるだろうし」
 古々の言葉が気になって美紀と話している明日香や庄司のほうを見る。すると、どうにも様子がおかしいことに気づく。美紀が泣いている……のは、まぁいいのだが。それに対して明日香が親身になって聞いているし、表情が真剣、というよりは怒りに満ちた顔をしている。あれは、『もう詐欺みたいな商売はやめようよ』と美紀に説得している顔じゃない。
 どちらかといえば、明日香の表情は彼女が妊娠したとたんに逃げた男の話を聞いていた時の顔に似ている……。
「ちょっと様子がおかしいな……」
「ん……? 確かに、言われてみればそうですね」
 裕也は踵を返して美紀のほうへと向かう。素華も何だか不審に思い、それについていった。

「どうかしたのか?」
「あ、その……どうしてこんな商売しているか聞いてみたら、結構やばい案件みたいでね……はぁ」
 美紀に直接聞くのではなく、明日香に聞いてみると、頭が痛そうな表情でため息をついた。
「元々彼女、このホープスネットオンラインのネットビジネスとやらは、合コンで出会った彼氏に勧められて始めたそうなの。その彼氏、合コンで出会ったとき物凄く羽振りがいい感じで儲かってそうだから、魅力的な人だと思ってその日のうちに付き合い始めて……その彼氏の紹介だからってネットビジネスを始めたそうなの。けれど、1ヶ月ほど大学の友達を勧誘し続けても全く成果が出ないどころか、友達がガンガン離れていく始末で、もうやめたいって言ったら……まぁ、平たく言うと、裸の写真……ってか、動画。ネットに流すって言われたらしくって。いわゆるリベンジポルノって奴、かな?」
 明日香がそこまで説明してため息をつく。結局、素華の言う『馬鹿だから?』は間違っていなかったようだが、今でも辞められないのはその一言だけで説明できない状況らしい。
「で、いま、ぶちのめす方法を考えてたところ」
 庄司さんが明日香の言葉に続いて言う。
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