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第8章:部活にクレーム
1話:空気な男
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その日、普段は空気になっている相撲部の顧問、有田大河が相撲部に訪れていた。教師の間ではあまり評判の良くない教師であった。
「有田先生、どうしたんですか?」
裕也が尋ねる。有田は相撲同好会あらため、相撲部の顧問ではあるものの、いつもほとんど部活に顔を出すことなく、生徒に任せっきりである。そのため、いるだけで疑問に思われる存在だ。
「いやなに、相撲部に多数の女性が入っているという噂をどこかから聞きつけた五月蠅い保護者が、実態を調査しろとか言ってきてな。男女が半裸になって組み合ったりとか、そういう変な想像をする、変な親がいるらしい」
この有田という男が教師からの評判が悪い理由は、この思ったことを口に出してしまうところであった。お世辞を言わない。
「それで、上がうるさいから、致し方なく部活の実態を調査しに来たというわけなんだが……まぁ、見ての通り、基本的に男女で肌が触れ合うようなトレーニングは無し。女子はまわしの下に体操服を着用、部活終了後の食事を交代で作って部活終了後に食べる。そんな感じでいいかな?」
「はい、間違いありません!」
裕也が答えると、有田は満足げに頷いてその場を後にしようとする。
「そうか。では、邪魔したな」
「もう行っちゃうんですか?」
あまりに早い帰りに、真由美が尋ねると、有田は肯定するように頷いた。
「残業代は出ないと言われたからな、私は報告書をまとめてすぐに帰る。まったく、男女が裸で抱き合ってるとかアリもしない妄想を一方的に……妄想癖はいい加減にしてほしいもんだ」
この有田という男の評判が良くない理由、その二つ目は、彼が残業嫌いということである。部活にも全く顔を出さず指導もしない。保護者からの圧力や同調圧力に屈して、部活動の顧問として残業をしている教師が多い中、最低限の事務作業をするだけで、熱意が全くないのである。逆に干渉を嫌う生徒、社会の理不尽に抗いたい生徒からは評判がいいのが皮肉なものである。
「有田先生、どうしたんですか?」
裕也が尋ねる。有田は相撲同好会あらため、相撲部の顧問ではあるものの、いつもほとんど部活に顔を出すことなく、生徒に任せっきりである。そのため、いるだけで疑問に思われる存在だ。
「いやなに、相撲部に多数の女性が入っているという噂をどこかから聞きつけた五月蠅い保護者が、実態を調査しろとか言ってきてな。男女が半裸になって組み合ったりとか、そういう変な想像をする、変な親がいるらしい」
この有田という男が教師からの評判が悪い理由は、この思ったことを口に出してしまうところであった。お世辞を言わない。
「それで、上がうるさいから、致し方なく部活の実態を調査しに来たというわけなんだが……まぁ、見ての通り、基本的に男女で肌が触れ合うようなトレーニングは無し。女子はまわしの下に体操服を着用、部活終了後の食事を交代で作って部活終了後に食べる。そんな感じでいいかな?」
「はい、間違いありません!」
裕也が答えると、有田は満足げに頷いてその場を後にしようとする。
「そうか。では、邪魔したな」
「もう行っちゃうんですか?」
あまりに早い帰りに、真由美が尋ねると、有田は肯定するように頷いた。
「残業代は出ないと言われたからな、私は報告書をまとめてすぐに帰る。まったく、男女が裸で抱き合ってるとかアリもしない妄想を一方的に……妄想癖はいい加減にしてほしいもんだ」
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