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第7章:男になりたい?

3話

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「っていうか、そういうのって保健の先生とかに相談したほうが良くない? ほら、LGBTとか、そういうことに関しても……養護教諭なら相談できるかもじゃん? 私、基本的な知識しかないし、あまり当てにならないと思うけれどなぁ……」
「……かも、しれない」
「歯切れが悪い返答ねぇ……私ってさ、結構ずけずけ言っちゃうタイプだから、多分嫌いな人はかなり嫌いだと思う……それでも大丈夫? 私の言葉に不快感を覚えるかもしれないけれど、その覚悟はある? いや、まじでお勧めしないんだよね……自分からは言わないようにはしてるけれど、相談されたら口を出さずにはいられないと思うから……」
 どうしたものかと、素華は考え、そして彼女は警告する。
「……お願いします」
 それも覚悟の上だと言わんばかりに綾乃は頷いた。
「よし、わかった。それじゃあ、まずは話が脱線しちゃったから質問に答えることにする。えっとね、もちろん男になりたいと思ったことは何回もあるよ。まず、女は力が弱いから、こう……荷物を軽々持っている男子とかを見てると羨ましくなるよね。まずはそこ。
 それと、私ね……実は生理痛がかなり重いの。今は産婦人科から薬を貰っているから、かなりましになってきているけれど……小学校高学年あたりからは本当にひどかったんだよね。情緒不安定だわ、頭痛と腹痛と貧血による眠気が止まらないやら。まー……この点に関しては男が羨ましすぎるわ。だって生理痛ないもん」
 そこまで言って、素華はコホンと咳払い。
「でも、今言ったのは恐らく全ての女性が感じているところ。力仕事しなくて済むから力が弱いほうがいいとか、生理休暇取れるから生理痛があったほうがいいとか、機嫌が悪い時の言い訳にホルモンバランスを使えるとか、そういう事を考える女性がいないとは言わないけれど……まぁ、普通の女性が力と生理痛の面で男性が羨ましいと思わないわけがない。
 でも、男と女の違いってそれだけじゃない。例えば、ヒゲが生えたりとか骨格がガッシリするとか……見た目の方面で羨ましいと思うとか、そういうのはないかなって思う。女のファッション、気に入ってるの。あー……つまりさ、私が言いたいのはね。あなたは男になって、何がしたいのか。何がやりたいのか。そして何から解放されたいのか、っていうのが気になるわ」
 素華に問われると、綾乃はまたも黙ってしまう。
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