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第5章:相撲部、復活

21話

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「ところで、そのプライベートの姿から神使らしい姿に変身できるってことは、他の姿にも変身できるのか?」
『できるよ? コウモリみたいな翼をはやすこともできるし。邪魔だし、こんなもの無くても霊体なら飛べるからいつもは仕舞ってるんだけれどね。』
 言いながら古々は背中にコウモリを思わせる深緑色の翼をはやす。まるで、童話の悪魔のような翼だ。
「へぇ……面白いな。幽霊になればそうやっていくらでも変身できるのか?」
『もちろん、人間のような姿にもなれるわ。こうやって美しい女性に化けて夢の中に出ることだってできるんだから』
 そう言って古々はドレスも顔も体型も変化させ、人間風の見た目になる。耳は鹿の耳が頭の上の方に生えており、本来の耳は髪の中に隠れているのか、それともないのか、確認できない。
『こういうの好き?』
 言いながら、古々は胸を寄せるあざといポーズをとる。
「いや、元のほうがいい。なんか体型崩れてるし、主におっぱいの形が気持ち悪い」
 そんな古々渾身の色仕掛けだったが、仕掛けられた裕也はといえば、酷く冷めきった反応をしていた。
『あらぁ……ちょっとショック』
 裕也に即答された古々は、顔をぶるぶると振るっていつものプライベートの姿に返信しなおす。
『結構頑張って人間に変身できるようになったのに、ショックだわー』
「違和感がすごいんだよ……完全に不気味の谷の底に近い場所にいる気がする」
『ふぅん……修行が必要ね。最近は全然変身してなかったから、変身の精度が落ちてるのかも』
「構わないよ、古々は古々のままで。プライベートでも神使の姿でも、俺は好きだ。人間になりたいって言うんならいつでも付き合うけれどさ」
『……うーん。貴方がそういうのなら、私もこのままでいようかしら。……物好きね』
「無理してるやつを見るのが好きじゃないだけさ」
 自信のあった人間への変身を否定された古々は、少し拗ねていたが、そのままがいいと言われたおかげか、機嫌を取り戻したようであった。
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