90 / 423
第5章:相撲部、復活
12話:ここは相撲部だぞ?
しおりを挟む
「あら、三橋君。こんにちは」
「こ、こんにちは。どうしたんだ、百合根……?」
「何? 私が神社に来ちゃまずいかしら? 私とあなたは兄弟みたいなものなんだから、いいでしょ? 明日香とも一応親戚だし」
明らかに顔が引きつった裕也を見て、百合根は不敵に笑う。
「いや、何か用かな、と思って……」
「いやぁ? つまらない用よ。ほら、真由美ちゃんだっけ? その子に弁護士の先生を紹介したでしょ? 『楽勝だったので自信がつきました』って喜んでいたから、その報告」
「なんだ、そういうことなら……良かったじゃん。そういうのあるよな。相撲でもなんでも、一回の勝利の経験が人を大いに成長させるってこともあるし……弁護士もそういうのあるんだな」
何か面倒ごとでも持ってきたのではないかと思い裕也は身構えていたのだが、その心配もないようで裕也はほっとして険しい顔を解いた。
「でも、わざわざここに来たってことは、それだけの用事じゃないんでしょ?」
明日香が尋ねると、百合根は当たり前でしょうとばかりにうなずいた。
「うん、なんかあなたたち面白そうなことやってるから、私も相撲部に入ろうかと」
「待って」
言いかけた百合根に、裕也は思わずツッコミを入れる。
「いや待って、なんでこの相撲部は女性部員が入ってくるの? ってか、百合根は3年生だろ? 今更新しい部活に入るのかよ!?」
「別に男子相撲部じゃないんだからいいでしょ? 文芸部だって、男子文芸部、女子文芸部みたいに男女で別れてないし」
「そういう問題!? あーもう、でも明日香はどうせ、『いい』って言うんだろ?」
「うん」
「わかったよもう好きにして……別に邪魔になるわけでもないし、いいよ」
裕也が大きなため息をついて、百合根の入部が決定するのであった。男1人に女4人。おまけにかわいい守護霊まで憑いてきて、一体何がどうしてこうなったのか。ここは相撲部だぞ!? 人助け部じゃないぞ!? ハーレムなんて要らないから男性部員が入ってくれ! 別に女子に入られるのが嫌なわけではないが、男子部員が入ってきてほしい! そんな裕也の願いは、神様には届かないのであった。
「こ、こんにちは。どうしたんだ、百合根……?」
「何? 私が神社に来ちゃまずいかしら? 私とあなたは兄弟みたいなものなんだから、いいでしょ? 明日香とも一応親戚だし」
明らかに顔が引きつった裕也を見て、百合根は不敵に笑う。
「いや、何か用かな、と思って……」
「いやぁ? つまらない用よ。ほら、真由美ちゃんだっけ? その子に弁護士の先生を紹介したでしょ? 『楽勝だったので自信がつきました』って喜んでいたから、その報告」
「なんだ、そういうことなら……良かったじゃん。そういうのあるよな。相撲でもなんでも、一回の勝利の経験が人を大いに成長させるってこともあるし……弁護士もそういうのあるんだな」
何か面倒ごとでも持ってきたのではないかと思い裕也は身構えていたのだが、その心配もないようで裕也はほっとして険しい顔を解いた。
「でも、わざわざここに来たってことは、それだけの用事じゃないんでしょ?」
明日香が尋ねると、百合根は当たり前でしょうとばかりにうなずいた。
「うん、なんかあなたたち面白そうなことやってるから、私も相撲部に入ろうかと」
「待って」
言いかけた百合根に、裕也は思わずツッコミを入れる。
「いや待って、なんでこの相撲部は女性部員が入ってくるの? ってか、百合根は3年生だろ? 今更新しい部活に入るのかよ!?」
「別に男子相撲部じゃないんだからいいでしょ? 文芸部だって、男子文芸部、女子文芸部みたいに男女で別れてないし」
「そういう問題!? あーもう、でも明日香はどうせ、『いい』って言うんだろ?」
「うん」
「わかったよもう好きにして……別に邪魔になるわけでもないし、いいよ」
裕也が大きなため息をついて、百合根の入部が決定するのであった。男1人に女4人。おまけにかわいい守護霊まで憑いてきて、一体何がどうしてこうなったのか。ここは相撲部だぞ!? 人助け部じゃないぞ!? ハーレムなんて要らないから男性部員が入ってくれ! 別に女子に入られるのが嫌なわけではないが、男子部員が入ってきてほしい! そんな裕也の願いは、神様には届かないのであった。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
僕たちは拗らせている ~色々と拗らせた彼女たちに貞操を狙われているが、そう簡単に僕の童貞を奪えるとは思わないでほしい~
邑樹 政典
青春
【ちょっとエッチな学園ラブコメディ】
ある日、僕は廊下に落ちていたスケッチブックを拾った。
そこにはなんと、無数の男性器がスケッチされているではないか。
しかも、どうやらこれは学年一の美少女、翠川陽菜の落とし物だったようで……。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
本作はちょっとエッチな要素もあったりなかったりする学園ラブコメディです。
奇妙な落とし物を拾ったところから、急速に『僕』の周りの人間関係が動きはじめます。
はてさて、一癖も二癖もある美少女たちに囲まれて、『僕』の青春はどこへ向かっていくのでしょうか。
本作は良くも悪くも主人公のことが好きな女の子しか出てこないハーレムラブコメディです。
また、直接的な行為の描写はありませんが、エッチな単語やシーンはそこそこ出てきますので、そういったものに抵抗のある方はご注意ください。
※本作は過去に投稿した作品を一部改稿したものとなります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる