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第1章:古々が来た日の夜
1話:この神使、下品
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あの後、明日香と別れて家に帰りついた裕也は、制服を乱雑に脱ぎ捨てると、一度シャワーを浴びに洗面所へと赴いた。
「なぁ、古々。ちょっと質問いいかな」
『ん、何かしら?』
脱衣所で服を脱ぎながら裕也は話を切り出す。
「着替え、まじまじと見られると少し恥ずかしいんだけれど」
一応相手は女性だ。人間が相手じゃないとはいえ、裸を見せてもいいものかと裕也は戸惑う。
『あらいいじゃない。体格に負けない立派なものをお持ちなんだし』
「なぁ……守護霊ってそんな風に人間の体を値踏みするものなの? エロおやじが守護霊になった女性は悲惨だなぁ……毎日のように体を見られちまう」
『確かに、そういうエッチな自称守護霊から守る本当の守護霊もいるわ……うーん、でも、そんな性欲全開の幽霊は少ないのよ? 幽霊になったら性欲がなくなっちゃうから、5歳児のころから女性の体に興味があるようなマセた奴じゃないと……あなたにわかりやすいようにたとえ話をすると、言ってみれば常に賢者タイム状態や、女性で言うと生理後の状態なわけで。その状態でも女性の裸を見たいと思うなら、中々の猛者ね』
「どっかの『しんのすけ』みたいだな……ってかさ、それよりも気になるのはその……その恰好なに!?」
妖しく微笑む古々を見てみると、彼女は巫女服から黒づくめの服に赤いストールを巻いた服着替えており、その尻尾も三本の鹿の尻尾から、燃えているかのように橙色に揺らめく蛇の頭となっている。
『あぁ、この格好なら気にしないで。プライベートの姿はこっちなの。神社を出たら神使の姿は終わり。あの巫女服に三本の尻尾は、いわば学生服やスーツのようなものよ』
「守護霊も着替えるだなんて初めて知ったよ。ってか、その尻尾は着替えなのか?」
『お洒落でしょ? 蛇の頭が尻尾だなんて、鵺かキマイラみたいで』
「まあ、お洒落ではあるがな……」
『でしょ?』
お洒落とかそういう問題でもない気がするが、どうしてそんな格好なのかを聞いても、きっと大した答えは返ってこないだろうと、裕也はこれ以上古々の格好には触れないことにする。
「なぁ、古々。ちょっと質問いいかな」
『ん、何かしら?』
脱衣所で服を脱ぎながら裕也は話を切り出す。
「着替え、まじまじと見られると少し恥ずかしいんだけれど」
一応相手は女性だ。人間が相手じゃないとはいえ、裸を見せてもいいものかと裕也は戸惑う。
『あらいいじゃない。体格に負けない立派なものをお持ちなんだし』
「なぁ……守護霊ってそんな風に人間の体を値踏みするものなの? エロおやじが守護霊になった女性は悲惨だなぁ……毎日のように体を見られちまう」
『確かに、そういうエッチな自称守護霊から守る本当の守護霊もいるわ……うーん、でも、そんな性欲全開の幽霊は少ないのよ? 幽霊になったら性欲がなくなっちゃうから、5歳児のころから女性の体に興味があるようなマセた奴じゃないと……あなたにわかりやすいようにたとえ話をすると、言ってみれば常に賢者タイム状態や、女性で言うと生理後の状態なわけで。その状態でも女性の裸を見たいと思うなら、中々の猛者ね』
「どっかの『しんのすけ』みたいだな……ってかさ、それよりも気になるのはその……その恰好なに!?」
妖しく微笑む古々を見てみると、彼女は巫女服から黒づくめの服に赤いストールを巻いた服着替えており、その尻尾も三本の鹿の尻尾から、燃えているかのように橙色に揺らめく蛇の頭となっている。
『あぁ、この格好なら気にしないで。プライベートの姿はこっちなの。神社を出たら神使の姿は終わり。あの巫女服に三本の尻尾は、いわば学生服やスーツのようなものよ』
「守護霊も着替えるだなんて初めて知ったよ。ってか、その尻尾は着替えなのか?」
『お洒落でしょ? 蛇の頭が尻尾だなんて、鵺かキマイラみたいで』
「まあ、お洒落ではあるがな……」
『でしょ?』
お洒落とかそういう問題でもない気がするが、どうしてそんな格好なのかを聞いても、きっと大した答えは返ってこないだろうと、裕也はこれ以上古々の格好には触れないことにする。
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