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遥香の日常
七海の下心
しおりを挟む私は甲斐甲斐しく沙織の鼻血を拭きつつ、冷ややかな目で七海を見る。
顔が上気し ふんすっと、強い鼻息
(あれは妄想と何か下心有りとみた…。)
…やっぱり、トレモロも感じるか…。デートを力説している間
顔が上気し、ウットリとした目付き沙織より熱くたぎっている。
まぁ、百歩譲って、今時の高校生にとってそのくらい普通なのだろう…。
だ.が.し.か.し.
私達地味'sメンバー
これまでの沙織を知る限り、その提案かなり突拍子も無い考えだと
なぜ七海は思わないのか?
「七海さん…?沙織を焚き付けて、どうするつもり?」
「え!?…どうするも何も…私はただ、ちょっと、アドバイスをしただけ…。」
「ふーん…。」
目が泳いでいる。
沙織の前だ、それ以上は突っ込まずにいておく。
当の沙織は普段使わない気をたくさん使ったのだ。
健全なお付き合いですら、16年の人生を大きく揺るがすほどの出来事
それに加え 大人な関係についてなんかレクチャーされた日には
とんでも無い事に…。
案の定鼻血ブーでひっくり返った訳だし。
知恵熱出なきゃ良いけど…。心配だ。
それにしても、あの沙織がこんな普通に、可愛過ぎる反応するなんて
恋とは恐ろしいものだとつくづく感じ、ぶるっと震えた。
私や七海にもそんな時が来るのかな…。
(いつか来るんかもしれんな…。)
しれっとトレモロは言うけど、トレモロいないと
私は基本コミュ障なんだよ…。
(遥香なら大丈夫だ。)
そっかなぁ…。まだわかんないや…。
(お子さまだからな。)
トレモロ、うるさい!
悶々と脳内会話していたら
沙織が完全に落ちてた。
疲れたんだね…。
午前0時を回って、みんな疲れてるしもう、今日?は寝ちゃって
朝、たくさんお話しよう!
3人仲良く川の字で寝る事になった。
真夜中…午前2時
明るく光る熱源に目が覚めた。
携帯に何かを打ち込んでいる七海の姿
光に照らされた七海の鬼気迫る形相を見て、一瞬怯んだ…が、
そこでピンっと来た。
軽く咳払いをした。
七海はぎょっとした顔で私を見る。
「何してるの?」
慌てた様に言い訳をする。
「え…?は…遥香…ごめん起こしちゃった?」
その様子をジト目で見ながら
「七海…私、分かっちゃった。」
「えっ?」
「沙織を煽る、七海の下心。」
「な…何?
煽ってるなんて人聞き悪じゃない?
私は純粋に、さ…沙織が、脱モブキャラして脱地味'sして
普通に恋愛してもらえればと、一重に、そう…。
友達…いや親友としての限りない愛 故のアドバイスですよ…!」
「…そうかな?」
私は七海の携帯を指差し
「君は沙織と和樹君の純粋な恋愛を
同人誌モデルにしようと企んでいる疑惑が課せられている。
さっき、鬼気迫る形相で
その携帯に打ち込みをしていた。素直に白状したまえ!」
「うっうう…!チラッとだけ、次の新しい同人誌のモデルに
沙織と和樹君のあれこれをあくまで参考に…。
ほら、私はBLしか書かないし…。あくまで参考…。」
深いため息をつく。
「七海。沙織は今回、初恋で、初恋愛でもあるんだよ?
変に煽って沙織が暴走して、沙織や和樹君が傷つかなきゃ良いけど
沙織が本気なんだから、
沙織の事をよく知ってる私たちも
本気でアドバイスするべきだよ!
私は慎重に物事を進める事を推進するわ!」
「遥香!私も沙織の事、真剣に考えてるよ!
遥香は分からないかもしれないけど、さっき言ったアドバイス
私は本気で言ったんだよ?」
「そうなの?」
「そうだよ!遥香はお子さま過ぎるんだよ!」
そう豪語した七海…。
うん、真剣そうだ。
そう考えると
…私の方こそ知恵熱出そうだわ…。
でも…七海…結局の所…
沙織達の事…参考にして書いてるよ…ね…。
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