上 下
93 / 244
怪盗コレクターVS宇宙警察

絶対絶命

しおりを挟む
「うーん、地球語 試しに何ヶ国語か話したほうがいいのかなぁ? ナタリーどう思う?」

背の高いおしゃべり男が奥にいる目つきの鋭いイケメンに声をかけた。

ナタリーと呼ばれたイケメンは肩をすくめ

「さぁ…どうかな…。

言葉がわからなかったとしても、後1分しか待つつもりは無い。 

もし、姿を現し投降するなら…1分以内だ。」

そう言うと、ちらっと腕時計を見ておしゃべり男に促した。

「ナタリーはせっかちだなぁ。って事だけど一応何ヶ国語かで話してみるね。」

そう言うと男は早口に英語と中国語、スペイン語で話してくれた。

ほっとくとまだ何ヶ国語か出て来そうだったが

ナタリーが「テル、時間だ。」そう言うとおしゃべり男は肩をすくめたて

「じゃあ、怪盗コレクターさん投降しないって事で本当にいいんだね?」

だめ押しで聞いてきた。

カメレオンバリアーで、まだ姿は見えていないはず。

テルと呼ばれたおしゃべり男が「ごめんね、これもお仕事なんだよ。」

すまなさそうに呟くと、体がぐにゃりと溶け出し、緑色の液体に変わった。

スライムと化した体が部屋全体に広がり始めた。

ふと見ると、アンブロージさんと部屋の隅に気を失った警官たちが数人は

いつの間にか赤色のスライムに包まれている。

緑色のスライムはその赤色スライムを避け、

隙間なく部屋全体に広がろうとしていた。

遥香の足元まで数㎝の所に迫った…。

このままだと、あの緑色のスライムに包み込まれてしまう。


「メティ、リミッター解除。」


『はい。』



トレモロはホルダーからキャノン砲を取り出し緑色のスライムと

金庫前に立つナタリーと呼ばれた男に撃ち放った。

原子分解型5次元キャノン砲の銃口から眩いレーザー光線が

緑色のスライムと男に命中した。

一瞬の事だった。


打ち込まれたレーザー光線にスライムも、男も一瞬でバラバラになり消滅した。


(え?殺したの?原子分解型5次元キャノン砲って殺傷力0%だったよね?)

(死んで無い。10分ほど原子単位で癒され、また元通りの身体に落ち着く。)

(え?癒すの? 10分経ったら救命ポット並み ピカピカ?)

(ああ、殺すと後味が悪いからな。)

(どんだけお人好しなんだ…。)

そんな脳内会話を呑気に話しながら金庫の前に立つ

この中のシェルカメオを取り出さなければならない。

油断なく辺りを見回す、アンブロージさん達を包んでいた

赤色スライムも消えていた。

気がつかれる前にお仕事、お仕事。

一瞬だけ亜空間バリアーに切り替え金庫に手を入れた。
 
目的のシェルカメオ「白い乙女」取り出し、

すぐ様カメレオンバリアーに切り替え

そのままマジックゲートホルダーポシェットでメティアローズまで帰還する。

いつも通りの簡単作業だ。

シェルカメオを掴み出しカメレオンバリアーに切り替えたその時、

影から赤い剣が遥香目掛け伸びて来た。

「!?」

トレモロは気配を感じ素早く亜空間バリアーに切り替えたが、

少し左手を切られた。油断した。





「ふーん、初めまして怪盗コレクターさん

君、なかなかやるね。ナタリーとテルを瞬殺するなんて

その見た目じゃ分かりにくいけど、地球人?」

そう言った赤色のスライムはゆっくり

小柄な女か男かわからない中世的な赤い髪の人型に変わった。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

8分間のパピリオ

横田コネクタ
SF
人間の血管内に寄生する謎の有機構造体”ソレウス構造体”により、人類はその尊厳を脅かされていた。 蒲生里大学「ソレウス・キラー操縦研究会」のメンバーは、20マイクロメートルのマイクロマシーンを操りソレウス構造体を倒すことに青春を捧げるーー。 というSFです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

霊装探偵 神薙

ニッチ
SF
時は令和。本州に位置する月桑市にて、有能だが不愛嬌な青年こと神薙蒼一は、ある探偵事務所に勤めていた。決して大きくはない探偵事務所だが、世に伝わらない奇妙な依頼業務を請け負うことがあった。 秋風が泳ぎ始める十月頃、事務所へ【協会】からの依頼が舞い込む。眉間に皺を刻む神薙はいつも通り溜息をつき、相棒(笑)である星宮を引き連れ、町へと繰り出す――。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

怪獣特殊処理班ミナモト

kamin0
SF
隕石の飛来とともに突如として現れた敵性巨大生物、『怪獣』の脅威と、加速する砂漠化によって、大きく生活圏が縮小された近未来の地球。日本では、地球防衛省を設立するなどして怪獣の駆除に尽力していた。そんな中、元自衛官の源王城(みなもとおうじ)はその才能を買われて、怪獣の事後処理を専門とする衛生環境省処理科、特殊処理班に配属される。なんとそこは、怪獣の力の源であるコアの除去だけを専門とした特殊部隊だった。源は特殊処理班の癖のある班員達と交流しながら、怪獣の正体とその本質、そして自分の過去と向き合っていく。

律魂司魄術師の旅~ときめきの大陸~(第一話終了)

白水秋一
SF
連作短編です。 律魂司魄術師(りっこんしはくじゅつし)と呼ばれる存在である主人公が、初めて訪れた大陸でときめきに出会う物語。 終着点は決まっていますが、そこにいたる道はまだどうなるのかわかりません。 旅の途中で様々な出来事が起こり、それらを通じて律魂司魄術師とはどの様な存在か、主人公の目的は何か、そういう話をゆるゆると語っていくつもりです。 第一話は終了しました。次の話は6月中に投稿開始予定です。

処理中です...