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怪盗コレクターVS宇宙警察
アンブロージの憂鬱
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アンブロージはその日朝から気が重かった。
(何故こんな事になった…?)
小1時間前のやりとりを思い出すだけで腹が立ってくる。
しばらく放心状態…。
アンブロージは心の中からふつふつと湧き上がる
真っ黒な怒りが抑えきれないくらい溜まっていた。
怪盗コレクターの予告をもらった事を警察に通報した途端
自宅と工場の周辺に警察官だけじゃなく、どこで嗅ぎつけたのか記者関係者がウロウロし出す始末
落ち着かない…。
その上、目つきの鋭い警察官がわざわざ自宅まで
聞き取り調査をするためにやって来た。
そいつは物腰はやわらかいのにやたら威圧感がある。
被害予定者なのに責められた気になるものの言い方…。
挙げ句の果てに、貴方のシェルカメオの安全確保したいので
予告時間が過ぎるまで
警察で保管したいと言い出す始末。
丁寧に断ると今度は犯人扱…。
もう、無茶苦茶だ。
「アンブロージさん、このシェルカメオは一旦警察に安全を確保するため
私達は預からせて頂きたいと言っているだけなのですよ。
いかがでしょうか?」
「…いやぁ…それは…お断りします。」
「何故ですか?」
「えっと…。先程もお伝えしたのですが、これは誰にも触れさせたくないんです。
彼女のための物なんです。もし預けるなら彼女にしますよ。」
「そう言われましても、貴方の作品を盗むと怪盗コレクターから予告が来ている訳でして、
怪盗コレクターと言えば、世紀の大怪盗、国際指名手配犯なんですよ。
我々も普通の窃盗犯と同じ扱い方には出来ないんですよ。
この事件でlCPOやFBIも動き出しているんですよ。」
「はぁ。」
「この際言っておきますが、模造犯や、冷やかし、愉快犯でも裁かれるんですよ。」
「はぁ。」
「もし、怪盗予告が本物なら貴方の作品、その存在を知った人が犯人としか思えないでしょう?」
「はぁ。」
「偽物なら、愉快犯か、売名行為として世間に叩かれますね。」
「はぁ?」
「本物なら世紀の大怪盗国際指名手配犯が貴方の近辺にいる事の証明になるんですよね。」
「はい?」
「我々も何故公になっていない作品を狙ったのかわからない所なんですよ。
貴方がシェルカメオのデザイナーとしての腕は素晴らしく、天才的だと伺っておりますし
1番考えられる線として貴方の熱烈なファンがストーカーになって
怪盗コレクターを真似、手に入れようとした模造犯説ですね~。
なので、顧客名簿見せてもらいたいんですが、いいですか?」
「はぁ、それは別に構いませんよ。とうぞ。」
鍵付きの引き出しから緑色のファイルを手渡した。
大切な顧客名簿なのに小脇に抱える、その扱いにカチンときた。
「もう、よろしいてすか?」
「預けないんですか?」
「お断りしましたよね? もういいです。おかえり下さい。」
柄にもなくキレ追い返して少しホットしたのも
つかの間、携帯が鳴る恋人のベレニーチェからだ。
涙声だった。
「警察がきたの…。私、容疑者扱いを受けたわ…。
アンブロージ、ゴメンなさい。しばらく会えないわ…。」
「待ってくれベレニーチェ、僕の話を聞いてくれ!」
「ゴメンなさい。」
衝撃の言葉の後、最愛の恋人から一方的に電話を切られたのだ…。
アンブロージの怒りは大きかった…。
「怪盗コレクター、イタリア警察め 絶対許さん。」
(何故こんな事になった…?)
小1時間前のやりとりを思い出すだけで腹が立ってくる。
しばらく放心状態…。
アンブロージは心の中からふつふつと湧き上がる
真っ黒な怒りが抑えきれないくらい溜まっていた。
怪盗コレクターの予告をもらった事を警察に通報した途端
自宅と工場の周辺に警察官だけじゃなく、どこで嗅ぎつけたのか記者関係者がウロウロし出す始末
落ち着かない…。
その上、目つきの鋭い警察官がわざわざ自宅まで
聞き取り調査をするためにやって来た。
そいつは物腰はやわらかいのにやたら威圧感がある。
被害予定者なのに責められた気になるものの言い方…。
挙げ句の果てに、貴方のシェルカメオの安全確保したいので
予告時間が過ぎるまで
警察で保管したいと言い出す始末。
丁寧に断ると今度は犯人扱…。
もう、無茶苦茶だ。
「アンブロージさん、このシェルカメオは一旦警察に安全を確保するため
私達は預からせて頂きたいと言っているだけなのですよ。
いかがでしょうか?」
「…いやぁ…それは…お断りします。」
「何故ですか?」
「えっと…。先程もお伝えしたのですが、これは誰にも触れさせたくないんです。
彼女のための物なんです。もし預けるなら彼女にしますよ。」
「そう言われましても、貴方の作品を盗むと怪盗コレクターから予告が来ている訳でして、
怪盗コレクターと言えば、世紀の大怪盗、国際指名手配犯なんですよ。
我々も普通の窃盗犯と同じ扱い方には出来ないんですよ。
この事件でlCPOやFBIも動き出しているんですよ。」
「はぁ。」
「この際言っておきますが、模造犯や、冷やかし、愉快犯でも裁かれるんですよ。」
「はぁ。」
「もし、怪盗予告が本物なら貴方の作品、その存在を知った人が犯人としか思えないでしょう?」
「はぁ。」
「偽物なら、愉快犯か、売名行為として世間に叩かれますね。」
「はぁ?」
「本物なら世紀の大怪盗国際指名手配犯が貴方の近辺にいる事の証明になるんですよね。」
「はい?」
「我々も何故公になっていない作品を狙ったのかわからない所なんですよ。
貴方がシェルカメオのデザイナーとしての腕は素晴らしく、天才的だと伺っておりますし
1番考えられる線として貴方の熱烈なファンがストーカーになって
怪盗コレクターを真似、手に入れようとした模造犯説ですね~。
なので、顧客名簿見せてもらいたいんですが、いいですか?」
「はぁ、それは別に構いませんよ。とうぞ。」
鍵付きの引き出しから緑色のファイルを手渡した。
大切な顧客名簿なのに小脇に抱える、その扱いにカチンときた。
「もう、よろしいてすか?」
「預けないんですか?」
「お断りしましたよね? もういいです。おかえり下さい。」
柄にもなくキレ追い返して少しホットしたのも
つかの間、携帯が鳴る恋人のベレニーチェからだ。
涙声だった。
「警察がきたの…。私、容疑者扱いを受けたわ…。
アンブロージ、ゴメンなさい。しばらく会えないわ…。」
「待ってくれベレニーチェ、僕の話を聞いてくれ!」
「ゴメンなさい。」
衝撃の言葉の後、最愛の恋人から一方的に電話を切られたのだ…。
アンブロージの怒りは大きかった…。
「怪盗コレクター、イタリア警察め 絶対許さん。」
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