コレクターガールの憂鬱な日常

怪盗コレクターVS宇宙警察

ICPO

怪盗コレクターから予告状が送られたのは

イギリス、ロンドンの王室だった。

「黒騎士のルビー」呪いの曰くが付いている

王室の片隅にしまわれたスピネル。

長い間ルビーと信じられていた代物だ。


曰く付きの宝石を盗むとか言う

巷を騒がず怪盗コレクターは宝石を盗んでは持ち主に返す

世間のセキュリティーの甘さや現場警察の間抜けさを

ただ笑い者にするのが目的なのかと疑いたくなる…。

怪盗コレクターはよっぽど奇特なアホだ…。



アメリカ、サウザン.ビートコーポレーションの

その万全とも言えるセキュリティーをかいくぐり

10億円相当のエメラルドを盗み取った事

その事例がある以上、怪盗コレクターは国際的凶悪窃盗集団に間違いなかった。


アメリカの担当者は躍起になっている。

怪盗コレクターは同じ犯人なのか？

模倣犯か？サウザン.ビートコーポレーションと繋がっているのか？

まぁ、何にしても、ICPOの名にかけて必ず追い詰め捉えてみせる。

ICPOイギリス現地職員アルジー.ドレースは強くそう思っていた。 





ICPO  国際刑事警察機構

その存在は犯罪捜査や犯人逮捕に携わる各国の警察の連携を図り

各国間の情報の伝達ルートの役割を果たす機関だ。

主な活動は、国外逃亡被疑者や行方不明者、盗難美術品などの発見

身元不明死体の身元確認などに努める事。

仕事は加盟各国に設置された国家中央事務局（NCB）により行われる。

NCBは自国の警察と事務総局や加盟各国の警察とをつなぐ窓口機関にあたるもので

映画・テレビ・漫画などのフィクションでは、

全世界を対象に捜査する「国際警察」のような描かれ方をするが

実体はそのような大規模な組織ではなく、各国法執行機関の連絡機関・協議体としての性格が強い。


ICPOは現地警察のサポートに過ぎない。

技術面で支えるしか出来ないのだ。



しかし、怪盗コレクター、そのふざけた盗人の顔を一度、拝見したい。

アルジー.ドレースは鼻息を荒くし、現場に乗り込んだ。


そして現地警察に

「怪盗コレクターは、数刻前まんまとイタリア警察を出し抜き

シェルカメオ「白い乙女」を奪い去った。

あかろうことか、イタリア警察は我々ICPOの助言を聞かず

独断で事に当たったらしい。

現地の警察の甘さ、が招いた事だ。

イギリス警察は有能だと思うが、慢心せず、我々の助言を心して聞いて

物事に取りかかって欲しい。

イタリアの二の舞はしたくないのでな。」  

 


そう、大きく言い放った。



色んな窃盗事件とプロファイルを照合

各地で残された怪盗コレクターのメッセージを集め

姿さえも見せず盗み出す、その手口

犯罪プロファイルリングにまとめ、その情報を駆使して

この俺が必ず追い詰めてみせよう。

アルジー.ドレースは心に強く誓うのだった。