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コレクターガール
真島貴志の憂鬱
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真島 貴志は、夏休み最初の登校日にも関わらず
なぜか朝からテンションが高かった。
終業式の日 目の前で立川が倒れたため
大慌てて保健室へお姫様抱っこで連れて行った。
保健室へ連れて行き先生に状況を話してから
家族に連絡を取ってもらっている間に立川は気がついた。
安心したのも束の間、立川はただの貧血なので大丈夫だと言い切って
先生にも送ってもらおうとせず
電車でそのまま帰るという…。
助けたついでと言うのも変だが、乗りかかった舟だ。
部活を休み、最後まで責任持って面倒を見ようと男気を出し
立川を家まで送っていく事にした。
立川と校門出てすぐ、
職場から連絡を受け、迎えに来たという立川の母親と会えた。
情況を説明し立川も母親の車で無事に連れて帰ってもらえたので
一件落着、貴志はそのまま学校に引き返えし、途中から部活に参加した。
しかし倒れた立川が気になって仕方なかったのか
その日からずっと胸がモヤモヤして
大好きなはずの部活に身が入らない。
練習中に何度もエラーが続き「心ここに非ず」だと
工藤先輩にドヤされコッテリ絞られた挙句
次の試合まで毎日トラック10周と腹筋とスクワット、
腕立て100回の特別追加メニューが与えられた。
胸のモヤモヤはあの日から今日まで続いている。
これは、あれだな…。
倒れた立川が心配でモヤモヤしているんだろう…。
登校日に立川の元気な顔を見たら、モヤモヤも治まるはずだ。
貴志はそう考えた。
教室に入って来た立川を見て思った…。
今迄目立つ様な感じでは無かったし
存在感も薄かったはずの立川が
夏休み入って数日しか経っていないのに
かなり痩せて、綺麗になっている…。
でも、チョット短期間で痩せて、綺麗になり過ぎじゃないだろうか…。
あれ? おかしい、心配がピークに達しているのか?
胸が妙にざわつく…。
立川に話しかけたくて仕方ないのに、
ダイエットの話しで盛り上がったたくさんの女子に囲まれているし
なかなか声がかけられない。
すると胸のモヤモヤが急速に広がっていく…。
女子たちの話題がダイエット食品やメーカーに移り
違う盛り上がりをみせ始め、立川が話題の中心から抜けた
その隙に、こっそり小声で話しかけてみた。
「おいっ立川、お前ちょっと痩せすぎだろ?
大丈夫なのか?あれから気になってはいたんだが…。
過度のダイエットは良いが、この前みたいに倒れんなよ!」
挨拶も上手く出来ず
早口で機関銃のような喋り方になってしまった…。
胸のモヤモヤはドキドキと早鐘を打つみたいに変わったからだ。
「えっ?あぁ、まっ…真島くん?えっと…えっと
こ…この前はありがとう!おかげで助かったわ。」
せっかく小声で話しかけたのに
立川は大きな声で返事をしたものだから
クラスのおちゃらけ集団達騒ぎ出し
「ヒューヒューやるじゃん真島!流石、紳士やん」
「きゃーっっもしかしてお姫様抱っこ したとか?」
「素敵!真島ヒーローじゃん」
教室が変にざわつき始めた…。
「そんなんじゃねーよ!」
慌てて治めようとした時、予鈴が鳴って担任が教室に入って来た。
教室はすぐに静かになって、何とか救われた。
からかわれるのは好きじゃない、腹も立つはずなのに
立川とだと嬉しい自分がいる…。
…嬉しいのか?
あれ?もしかして俺おかしい …?
この胸のモヤモヤとドキドキの正体って…なんなんだ?
うーんわからん
何処までも自分の気持ちに鈍い残念な真島貴志。
貴志自身も遥香もまだ気がついていない
貴志の胸のモヤモヤの正体をトレモロは、何となく気がついた。
くすりと笑うトレモロ
(ふーん、遥香もやるな。)
(何が?)
何となく残念な女だと、トレモロはため息をついた。
なぜか朝からテンションが高かった。
終業式の日 目の前で立川が倒れたため
大慌てて保健室へお姫様抱っこで連れて行った。
保健室へ連れて行き先生に状況を話してから
家族に連絡を取ってもらっている間に立川は気がついた。
安心したのも束の間、立川はただの貧血なので大丈夫だと言い切って
先生にも送ってもらおうとせず
電車でそのまま帰るという…。
助けたついでと言うのも変だが、乗りかかった舟だ。
部活を休み、最後まで責任持って面倒を見ようと男気を出し
立川を家まで送っていく事にした。
立川と校門出てすぐ、
職場から連絡を受け、迎えに来たという立川の母親と会えた。
情況を説明し立川も母親の車で無事に連れて帰ってもらえたので
一件落着、貴志はそのまま学校に引き返えし、途中から部活に参加した。
しかし倒れた立川が気になって仕方なかったのか
その日からずっと胸がモヤモヤして
大好きなはずの部活に身が入らない。
練習中に何度もエラーが続き「心ここに非ず」だと
工藤先輩にドヤされコッテリ絞られた挙句
次の試合まで毎日トラック10周と腹筋とスクワット、
腕立て100回の特別追加メニューが与えられた。
胸のモヤモヤはあの日から今日まで続いている。
これは、あれだな…。
倒れた立川が心配でモヤモヤしているんだろう…。
登校日に立川の元気な顔を見たら、モヤモヤも治まるはずだ。
貴志はそう考えた。
教室に入って来た立川を見て思った…。
今迄目立つ様な感じでは無かったし
存在感も薄かったはずの立川が
夏休み入って数日しか経っていないのに
かなり痩せて、綺麗になっている…。
でも、チョット短期間で痩せて、綺麗になり過ぎじゃないだろうか…。
あれ? おかしい、心配がピークに達しているのか?
胸が妙にざわつく…。
立川に話しかけたくて仕方ないのに、
ダイエットの話しで盛り上がったたくさんの女子に囲まれているし
なかなか声がかけられない。
すると胸のモヤモヤが急速に広がっていく…。
女子たちの話題がダイエット食品やメーカーに移り
違う盛り上がりをみせ始め、立川が話題の中心から抜けた
その隙に、こっそり小声で話しかけてみた。
「おいっ立川、お前ちょっと痩せすぎだろ?
大丈夫なのか?あれから気になってはいたんだが…。
過度のダイエットは良いが、この前みたいに倒れんなよ!」
挨拶も上手く出来ず
早口で機関銃のような喋り方になってしまった…。
胸のモヤモヤはドキドキと早鐘を打つみたいに変わったからだ。
「えっ?あぁ、まっ…真島くん?えっと…えっと
こ…この前はありがとう!おかげで助かったわ。」
せっかく小声で話しかけたのに
立川は大きな声で返事をしたものだから
クラスのおちゃらけ集団達騒ぎ出し
「ヒューヒューやるじゃん真島!流石、紳士やん」
「きゃーっっもしかしてお姫様抱っこ したとか?」
「素敵!真島ヒーローじゃん」
教室が変にざわつき始めた…。
「そんなんじゃねーよ!」
慌てて治めようとした時、予鈴が鳴って担任が教室に入って来た。
教室はすぐに静かになって、何とか救われた。
からかわれるのは好きじゃない、腹も立つはずなのに
立川とだと嬉しい自分がいる…。
…嬉しいのか?
あれ?もしかして俺おかしい …?
この胸のモヤモヤとドキドキの正体って…なんなんだ?
うーんわからん
何処までも自分の気持ちに鈍い残念な真島貴志。
貴志自身も遥香もまだ気がついていない
貴志の胸のモヤモヤの正体をトレモロは、何となく気がついた。
くすりと笑うトレモロ
(ふーん、遥香もやるな。)
(何が?)
何となく残念な女だと、トレモロはため息をついた。
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