日常生活において大切な事

ち

さて

もんもんと自分で考えてながら歩く。

そろそろかなそう思うと
急に道が開け
天井が高く凛とした空気の
大きな広間へ出る。

明るい光の中に

シンプルな台座に静かに座る
優しい顔のおじいさん。


「よく来たねお疲れ様でした。
今回も君はだいぶ頑張ったね。
ファイルは届いでるよ。」


確かにこの前来た時はちょっと怖かった。
柔らかく優しく感じるのは
自分の心の鏡だからだと聞いてたからか。

だいぶ色んな事
許せる様になったからかな。

「まぁ、分かってると思うけど
有罪だよ
でも情状酌量
執行猶予ありってとこかな。

何年でもいいよ

君が落ち着いたら
また降りて頑張っておいで

色んな人に優しくしてきたね。

いい縁も繋いで
引っ張りあげることが出来てるし
引っ張りあげて貰えたんだね。

一緒に降りたいって人は
たくさんいるから
この後、牛頭と馬頭に相談しながら
プランを組み立てたらまた行くといいよ。」

全ての記録を読み解き
優しく笑うおじいさんは

閻魔大王様

未熟な魂達のため
自ら出世を拒んだ
優しい方だ。


僕は大好き
その人のためにも
もっと魂を磨かなきゃ。


執行猶予はこちらの世界で
痛みも苦しみもなく

優しい空気の中漂い
盆暮れ彼岸の時には
生きている人の所へ会いに行き

満足したら
残りのドロドロした所を洗う為
また降りていく。

諸々の罪穢れを払うため

あとはまた相談室に行きます。

今回もありがとうございました。






✱ 閻魔大王えんまだいおう
地獄の裁判官
地蔵菩薩化身
死後35日に出会う