骨騎士と姫

sbadow

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骸骨と姫

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俺の名前はスケルトン、分かりやすくいうと骸骨だ。


雑魚敵とか思う奴もいるかもしれないがこれでも人間には恐れられたものだ。


かくいう俺も昔は人間だったのだが。


騎士の一員として魔王を倒そうと向かった時、その手下の攻撃を食らった時、俺だけは何故か死ななかった。
そっから命からがら逃げ切ってある日体を見て見たら骨だった。

ひとまず街に戻ってみると、いきなり斬りかかられた、どれだけ落ち着けって言っても話は聞いてもらえなかった。



そんなこんなで指名手配され返り討ちにしてるうちにある日捕まった。



死なない体、そのせいか城の地下深くに拘束されている。






「ひまだなー。」

そう呟いてみる。

返事は返ってこない。


肉のない骨に興味はないのかネズミすら寄ってこない。



あー、あとどれだけここにいればいいのだろうか。






コツンコツン、


足音が聞こえて来た、珍しいこともあるもんだ、もう何年?何百年?忘れたけどめちゃくちゃ久しぶりに誰かが来た。




とりあえずじっとして牢屋の外を眺めていた、すると現れたのは幼い少女だった。
白銀の髪の毛に赤い瞳、透き通った白い肌、アルビノか。


アルビノは王の血筋にまれに生まれることがある。


言い伝えではアルビノにより王家は滅びるとかなんとかで毎回生まれては忌子だのなんとかで殺されてるやつらだ。






そんなやつが来るってことはおそらく逃げて来たんだろう。





「おいクソガキ」

「!!!え!誰!幽霊!???」

「こっちだクソガキ」

「このワイト、なんで檻にいれら」てるの?」

なんなんだこのクソガキ、悪名高き俺を知らないのか!

「ワイトじゃない、スケルトンだ!、この俺を知らないのか?」

「すごい!ワイトが喋った!!」

だからそのワイトってなんなんだ。

「おいクソガキ、この檻を開けろ」

ちょっと強めの口調でいう

「えー、なんでー」

なんなんだ!!なんでこんなクソガキに、なんでー、とか言われんの!???


「とにかく暇なのいいから出せよ」

もうなんでもいい、今出られなかったらまた数百年、数千年もここにいることになるだろう。


「じゃあー、出す代わりに一つだけ言うこと聞いてくれるならいいよ」

どうせ、体のつくりどうなってんのーとか、おかしを一生分くれとかそんなもんだろ、子供なんて

「あぁいいぞ、出してくれたらな」


「じゃあ、私だけの騎士になって!」


少女はそう言うとへんな輪っかを投げて来た、

「それを首に通して!」

ならもう少し、頭のそばになげろよ!!!


俺は急いで首を伸ばし床に顎をぶつけた。



布製の輪っかが俺の図上に降って来る。



こんなんで出られんのか?


首にスポッとハマると次は俺の首をギューと思いっきり締め上げてきた!!

なんだこの輪っか!

「ちょ...なにこれ。」

「騎士になって!」


苦しみと、もう出られればなんでもいいって言う俺の思いからだろうか。


「わかった...騎士に..なる」


そう言うと首を息苦しくなくなった、

なんなんだよもうと首に手を伸ばそうとすると、プチン。


簡単に俺を抑えていた拘束具が壊れた、なんだ!よくわかんねぇけどこのガキやるな。


「で?騎士になるってなにすればいんだ?」

「わかんない!」 

は?


「お母さんがね言ってたの、城の跡の地下深くに行ってそこにいるのにこれを首に通して騎士になってもらえって」


なんだよそれ。




さっさと取ってしまおうと首に手を伸ばすと、布の手触りがない。

あれ。


床にたまった雨水に映る自分をみると。
黒色の入れ墨のようになっている。


「あなたはこれから私の言うことに絶対従うの!」


なんだよやっと檻から出たと思ったら、クソガキの言いなりか。







ーあなたはわたしに従うの!ー







騎士か、再就職ってとこか。



                            
「分かったよ、おひめさま。」




俺の第二の人生をが始まった。



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