需要わい

なゆか

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事実

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目覚めると、そこは病院だった。

そっか、ミミさんが現れて学校で大変だったってのは
全て夢だったのかなと起き上がる。

にしても、なんで病院?
私は自分の頭を触ると多分包帯が巻かれていて、
なんかデコに吸盤みたいのが引っ付いていた。

「ようやく起きたようだな」

病室に胡散臭い白衣の男が入って来て、
ドヤ顔を向けて来た。

「君は下校中に人身事故に巻き込まれたんだ。
その時、脳に損傷を受け眠ったままだったんだ」

友永「どのくらい眠ってたんですか?」

「30分」

友永「あー大した事無さそうですね」

「眠っていた君を起こす為に、
ミミプログラムを君の頭に…
脳に刺激を与える事によって…」

何かベタな展開だなと、
SFな説明を聞き流しながら
デコの吸盤を取る。

友永「入院30分でも、
入院費は取られますよね」

SFがどうあれ、この胡散臭い白衣の話しから
ミミさんはプログラム上に居た存在で
現実には居ないとの事。

なら、今日の1日は何だったんだと思うが、
夢という事なら、まぁいいや…

夢の中だけでも、ミミさんに
お別れは言っとくべきだったなと
少し心残りだが私はベットから降りた。



病院には家族は迎えに来ず、
入院費は胡散臭い白衣の男が立て替えてくれた。

友永「帰ろっかな」

さっきまで巻いていた頭の包帯も、
ただの見掛け倒しで包帯巻くほどでは無い為、
すぐに外した。

「友永法子、これでいいのか?」

この声聞き覚えあるなと、胡散臭い白衣の男に
会釈だけして帰宅した。



帰宅し、玄関を開けるとすぐに顔面パイだった。

友永「だと思ったよ」

パイはパイでもクリームの方でない。

ミミ「おかえり、法子」

友永「いるじゃん」

やっぱり、胡散臭い白衣が言う事だしなと
ミミさんを引き剥がす。

父「おかえり~法子」

母「おかえり法子ちゃん」

兄「法子!おかえり」

妹「おかえり、お姉ちゃん!」

弟「姉貴、おかえり」

家族総出で出迎えるんなら、病院まで来いよと
思った最中、目を疑うような物が目に入る。

妹「ドッキリ~」

父母兄弟「「大成功!」」

妹が音頭をとり、他の家族が
【ドッキリ大成功】と書かれた横断幕を広げている。

友永「はあ」

どこまでが…いや、どれがドッキリなんだよと
沢山あり過ぎて考えるのが嫌になる。

ミミ「法子、そんな顔しないで」

友永「夢オチの方がマシだわ」



友永「…ひいおばあちゃんの甥っ子の姪の子供が
アメリカ人と結婚して?その旦那の従兄弟の姪の…
あーもう、遠縁ね遠縁」

ハーフなのかクォーターなのか、
本当に親戚だったんだなとミミさんを見る。

ミミ「法子」

ミミさんは私の腕にパイを擦り付けているが
ドッキリにしても、下品過ぎるし捨て身だなと
この家族もあの胡散臭い白衣の男も何考えてんだよと
ため息を大きく吐いた。

友永「で、3日滞在って言うのは
観光でって事?」

母「3年間、日本に留学よ。
その期間、預かる事になってね」

友永「3年間⁈」

1番のドッキリはこの事実だったわと、
テーブルに頭を打ち付けた。

ミミ「今日からもよろしくね、法子」

友永「地獄かよ」

先が思いやられんなと、
私は更に頭を抱える事になった。

ミミ「大好き」

友永「やめて、そういうの」
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