需要わい

なゆか

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なんじゃそりゃ

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ラブドール…ダッチワイフ?

電話の男の人は性欲処理玩具とか言っていたが
よく分かんないなと、スマホで検索して後悔した。

友永「どエロッ」

何つうもん検索してしまったんだと、
すぐに検索履歴を消した。

ミミ「法子」

友永「あの、そのなんつうの」

検索でラブドールがどんなんなのか
分かった為、不用意にラブドールと
口に出したくなくなった。

友永「えと、ミミさん。
変な人に変な事を強要されてんのか
知りませんが、本当需要無いので
帰ってください。
あ…コートとジャージは返してくださいね」

ミミ「駄目、ミミは三日間法子のモノ」

ミミさんは、私から離れない。

友永「マジ困るんで」

ミミ「ミミも困る」

むぅと、唇を尖らせ
私を睨んでくるミミさん。

まぁ、絶世の美女なのは伝わるが
この人に対して、性的感情が
生まれるかって言ったら、生まれない。

友永「どうしよう」

ミミ「法子、学校遅刻する」

友永「うわッやばい!」

とにかく、登校せねば
私の無遅刻無欠席の記録が終わってしまう。

ミミ「ミミも行く」

私は瞬時に優先度を考えた。

ミミさん<無遅刻無欠席

友永「背中に乗ってください」

ミミ「わぁい」

私はミミさんを背負い、学校へ走った。



私の通う学校には、相談室があり
生徒の相談に乗ってくれる女性の
林先生が待機している。

相談室は校舎にはあるが、生徒達がいる教室から
離れている為ここしか無いと私は教室に行く前に
人目を忍んで立ち寄ることにした。

林「え、親戚の外国の人?」

友永「そうなんです、観光の為に
来たんですけど、駅で迷ってて…
休み時間戻ってくるので
それまで預かってください!」

林「えっちょっと!」

ミミ「法子と一緒に居たい」

友永「林先生!残り2.3分で遅刻するんで!
ミミさん!後で来るから、
変な事せずに待っててください!」

私は林先生にミミさんを押し付け、
教室に急いだ。



朝のHRのチャイム、
キーンの所で教室に駆け込み、
廊下走るなと担任に注意されたが
遅刻は免れた。

八重津「法子ちゃん、おはよぉ」

友永「はッ…ぜぇ…はぁッ…」

八重津「どうしたのぉ?」

どうしたのじゃないよと、
息が上がり過ぎて対応不可である。

この子は、隣の席の八重津菜摘。
性格も体格もおっとりしている。

八重津「飴舐めるぅ?」

友永「今ッ…いらないッ」

八重津「そっかぁ、ならチョコ食べるぅ?」

友永「いらんッ」

そんな菓子ばっか食べてるから、
太るんだよと、菜摘は学校鞄の他に
お菓子鞄を持ち歩いている。

八重津「ポテチはぁ?」

友永「今、朝のHR中だからッ…ゴホッゴホッ」

担任「そこ、うるさいぞ!」

担任に注意され、とにかく何も要らないと
菜摘の鞄を押し退け、机に突っ伏す。

朝のHR終了後、すぐに校内放送が掛かった。

「2年B組友永法子さん、
至急相談室まで来てください」

友永「あーッ」

私は相談室へ走る。



ガラガラッ

相談室のドアを開けると、
甘ったるい風が顔に掛かる。

友永「林先生、すみません!」

中に入ると林先生は、なんというか
デロデロになっている。

ミミ「わぁい、法子」

ミミさんに飛びつかれ、また顔にパイがと
すぐに引き剥がし、林先生に近付く。

林「そんな人…学校に連れてきちゃ、
良くないよ…本当に良くない」

何かされたのか、林先生は頭を抱えている。

友永「林先生、あのそんなデロデ…いや
そんな感じな所悪いんですが、今日一日ミミさんを…」

林「今日一日⁈
無理よッ…私はまだ独身なのよ!
新たな道を歩みたくなんてないわ!」

林先生がこんな騒いでるの初めて見たわと
ミミさんを見ると私の腕を
自分の身体に擦り付けている。

友永「変な事しないでくださいよ、ミミさん」

ミミ「法子」

友永「林先生、なんかすみません」

林「謝って済むことじゃないのよ!
早く連れ帰って」

友永「えー、いや無遅刻無欠席が」

林「早退ならセーフよ」

友永「いや、通知表に早退項目あるじゃないですか
そこにカウントされんのが…」

その時、一時限目の予鈴が鳴る。

友永「あっ戻らないと」

林「友永さんッ」

友永「ほっんと、すみません!
なんか考えとくので見逃してください!」

私は林先生に手を合わせ、右腕のパイを引き剥がす。

友永「ミミさん、林先生に変な事しないでくださいね」

ミミ「ミミも連れてって」

友永「ずぇったい、駄目です!」

林「私も駄目よ!」

私は林先生の断末魔の中、
教室へダッシュで戻った。



八重津「どこ、行ってたのぉ?
ガム食べるぅ?」

友永「…ぜぇッ…はぁ…はぁ…要らない」

八重津「あれれぇ、法子ちゃんのソレ
なぁに?」

菜摘に指摘され、右腕にネバネバしたモノが
擦り付けられている。

八重津「あまぁい、匂いするねぇ」

菜摘の鼻は犬並みらしく、
涎を垂らし出した。

友永「…あー、排泄物だから」

宅富「汚ねーな、どんなションベンの仕方したら
腕に排泄物付くんだよ」

私の斜め前の席の宅富渉が文句を言って来た。

宅富は男だし、私より需要あんじゃないかと
いい事を思いついた。

友永「なら、次の休み時間私に着いて来て。
多分私以上に排泄物付けられると思うよ」

宅富「はぁ⁈
友永とそういうプレイするわけねーだろ!
バカかよ!バカ!」

八重津「渉くんって、素人童貞だよねぇ」

菜摘は、同級生男子にとんでもない事言ったなと
棒付きキャンディを舐りながら笑う。

宅富「バッカじゃねーの!
童貞じゃねーよ!」

八重津「んぅ、でも渉くんから童貞の匂いするしぃ」

宅富「黙れ、バカ!」

友永「授業、始まるから」

宅富「友永もバカ!」

友永「あぁ、はいはい」

次の休み時間、本当にどうするかなと
一時限目始まってもギャーギャー言っていた
宅富は先生に怒られ、飴食べてる菜摘も怒られ
私も腕汚れてると怒られ、何でやねんと思った。
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