【完結】女医ですが、論文と引きかえに漫画の監修をしたら、年下大学生に胃袋をつかまれていました

 白霧 柚鈴は小児科医。担当患児の病気の治療法がなく悩んでいたある日、偶然その病気の医療漫画を見つけた。

「病気についてここまで描ける人なら、治療法も……」

 いてもたってもいられなくなった白霧は、どうにか編集者と連絡をつけて漫画の作者に会いに行くことに。

 しかし、たどり着いた先で見たものは、お城のような洋館と―――――――――ペストマスクの妙な青年だった。

 大学生で漫画家でもあるペストマスクの青年、もとい黒鷺 雨音。帰国子女で日本文化に疎い彼は、発表されたばかりの治療法の論文と引き換えに、漫画の監修を白霧に依頼した。

「僕と取引しません?」

 渋々ながら応じることになった白霧。だが、手に入れた論文に書かれていた治療内容は、高難度の手術だった。今の白霧では、知識も技術も経験も足りない。

 途方にくれる白霧を前に、黒鷺は発表前の論文を入手出来た理由を、美味しい手料理とともにあっさり明かした。

「それ、先に言いなさいよ!」

 奇妙な関係から始まる、女医と男子大学生との、仕事とご飯と恋のお話。





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