66 / 66
あとがき
しおりを挟む
ご愛読(?)(!)いただき、ありがとうございます(´∀`*)
あえて一人称展開にしましたので、読みにくい箇所も多かったとはおもいますが、おゆるしください。
さて。
ここまで、お読みいただけた方なら、切腹したはずの亀の兄、徳川信康が、〈南光坊天海〉として生き続けていく構成に、驚かれた方もおいでかもしれません。
南光坊天海は、実在の人ですが、じつのところその前半生はまったく不明で、謎の人物の一人です。
この、南光坊天海をめぐっては、有名なのが、
〈天海=明智光秀〉説
です。
いくつかの傍証もあるようで、筆者が、天海光秀説を知ったのは、名作
『吉原御免状』(隆慶一郎)
でした。
隆慶一郎(1923~1989)の一連の歴史小説は、司馬遼太郎のそれとは違った意味のインパクを与えてくれました。
紙葉が、最も影響を受けたのは、古くは坂口安吾の『信長』、司馬遼太郎、山本周五郎、池波正太郎ら大御所、そして、藤沢周平、隆慶一郎、宮城谷昌光(敬称略)でしょうか。
あえて敬称をつけないのは、その作家名自体が、ブランドであり、かつ、文学史上に画期を刻むものだからです。敬称をつけないのが、なによりの敬称、なのだとおもっています。
話が逸れました。
天海光秀説には、大変、興味をそそられました。あるいは、本当に、天海は明智光秀だったのかもしれないともおもえてきました。
けれども。
紙葉は、亀姫の兄・信康を、のちの南光坊天海として、この物語上設定しました。
傍証はまったくありません。
作者の妄想以外のなにものでもありません。また、すでにこの説をとなえておられる方がいられるかもしれません。
いずれにせよ、
『あるいは、そうであったとしても不思議ではないかも』
という〈if〉の心持ちをベースに、この亀の物語を書きました。
実は、本編を第一部として、以下の構想をもっています。
あくまでも構想段階ですが、
成長していく亀(年齢を重ねた亀)を筆頭に、兄(南光坊天海)、大久保彦左衛門、奥山休賀斎、佐助、熊蔵(実はのちの関東総代官、伊奈備前守忠次)、弥右衛門、五郎兵衛、詞葉、巣鴨……らとともに、生き抜いていく物語、そのときそのときの歴史上の人物との交流歴史秘話を描いていきたいとおもっています。
なお、表現は、一人称ではなく三人称も想定しています。〈巻によって、異なるかも〉
□第二部
面識もない明智光秀から、旧芦名衆の面々を紹介してほしいと頼まれた亀。さらに封印したはずの明国皇女の秘密を探ろうとする動きに驚く亀とその仲間たち。………本能寺の変前夜の光秀と亀の交流。
□第三部
本能寺の変直後、京に居た亀とその仲間たち。父・家康を無事に三河へ落ち延びさせるために縦横無尽に暗躍。そして、切腹したはずの兄は、南光坊天海として、逃亡中の家康と再会する……。
□第四部
天下人となった秀吉の出生の秘密とは?秀吉の指示で、大坂へ行くことを決心した真田昌幸は、亀に同道を頼む。生命を脅かされる亀を救った石田三成に、年甲斐もなく心がときめく亀……。
□第五部
秀吉の死は、父家康の暗殺?なのか。その真偽をめぐって水面下で格闘する武将たち。
ふたたび大坂、京に風雲が立ち込める。
秀吉は、秀頼のほか、あと二人の男子をもうけていた……その少年たちを救うために、亀は立ち上がった……
□第六部
父家康の謀臣、本多親子。正信と正純(まさずみ)が、亀の前にたちはがかる。
二代将軍秀忠に、面と向かって物を言う亀や大久保彦左衛門が排斥されようとしていた。一方、天海(兄・信康)は着々と徳川内部で地歩を固めつつあったが、天海の秘密を探ろうとする本多一派に難問解決をつきつけられる。亀は仲間とともに、本多親子に立ち向かう。
□第七部
父家康の死。そして沸き起こる徳川の内紛と、伊達政宗の謀叛の動き・・・。
さらに、往年の敵手、本多正純(本多正信の息子・正信はすでに死去)との確執。伊達政宗を動かし、政権を掌握しようとする本多正純……。
亀は伊達政宗を説得するため仙台へ向かう……
シリーズフィナーレ。
あくまでも構想ですし、果たして書き続けられるかどうか、わかりません。
世の中、なにがどうなるかわかりませんから……。けれど、発表の機会があれば、ぜひ、亀のその後の物語をお楽しみに……
山の上の空き家の紙葉庵にて
あえて一人称展開にしましたので、読みにくい箇所も多かったとはおもいますが、おゆるしください。
さて。
ここまで、お読みいただけた方なら、切腹したはずの亀の兄、徳川信康が、〈南光坊天海〉として生き続けていく構成に、驚かれた方もおいでかもしれません。
南光坊天海は、実在の人ですが、じつのところその前半生はまったく不明で、謎の人物の一人です。
この、南光坊天海をめぐっては、有名なのが、
〈天海=明智光秀〉説
です。
いくつかの傍証もあるようで、筆者が、天海光秀説を知ったのは、名作
『吉原御免状』(隆慶一郎)
でした。
隆慶一郎(1923~1989)の一連の歴史小説は、司馬遼太郎のそれとは違った意味のインパクを与えてくれました。
紙葉が、最も影響を受けたのは、古くは坂口安吾の『信長』、司馬遼太郎、山本周五郎、池波正太郎ら大御所、そして、藤沢周平、隆慶一郎、宮城谷昌光(敬称略)でしょうか。
あえて敬称をつけないのは、その作家名自体が、ブランドであり、かつ、文学史上に画期を刻むものだからです。敬称をつけないのが、なによりの敬称、なのだとおもっています。
話が逸れました。
天海光秀説には、大変、興味をそそられました。あるいは、本当に、天海は明智光秀だったのかもしれないともおもえてきました。
けれども。
紙葉は、亀姫の兄・信康を、のちの南光坊天海として、この物語上設定しました。
傍証はまったくありません。
作者の妄想以外のなにものでもありません。また、すでにこの説をとなえておられる方がいられるかもしれません。
いずれにせよ、
『あるいは、そうであったとしても不思議ではないかも』
という〈if〉の心持ちをベースに、この亀の物語を書きました。
実は、本編を第一部として、以下の構想をもっています。
あくまでも構想段階ですが、
成長していく亀(年齢を重ねた亀)を筆頭に、兄(南光坊天海)、大久保彦左衛門、奥山休賀斎、佐助、熊蔵(実はのちの関東総代官、伊奈備前守忠次)、弥右衛門、五郎兵衛、詞葉、巣鴨……らとともに、生き抜いていく物語、そのときそのときの歴史上の人物との交流歴史秘話を描いていきたいとおもっています。
なお、表現は、一人称ではなく三人称も想定しています。〈巻によって、異なるかも〉
□第二部
面識もない明智光秀から、旧芦名衆の面々を紹介してほしいと頼まれた亀。さらに封印したはずの明国皇女の秘密を探ろうとする動きに驚く亀とその仲間たち。………本能寺の変前夜の光秀と亀の交流。
□第三部
本能寺の変直後、京に居た亀とその仲間たち。父・家康を無事に三河へ落ち延びさせるために縦横無尽に暗躍。そして、切腹したはずの兄は、南光坊天海として、逃亡中の家康と再会する……。
□第四部
天下人となった秀吉の出生の秘密とは?秀吉の指示で、大坂へ行くことを決心した真田昌幸は、亀に同道を頼む。生命を脅かされる亀を救った石田三成に、年甲斐もなく心がときめく亀……。
□第五部
秀吉の死は、父家康の暗殺?なのか。その真偽をめぐって水面下で格闘する武将たち。
ふたたび大坂、京に風雲が立ち込める。
秀吉は、秀頼のほか、あと二人の男子をもうけていた……その少年たちを救うために、亀は立ち上がった……
□第六部
父家康の謀臣、本多親子。正信と正純(まさずみ)が、亀の前にたちはがかる。
二代将軍秀忠に、面と向かって物を言う亀や大久保彦左衛門が排斥されようとしていた。一方、天海(兄・信康)は着々と徳川内部で地歩を固めつつあったが、天海の秘密を探ろうとする本多一派に難問解決をつきつけられる。亀は仲間とともに、本多親子に立ち向かう。
□第七部
父家康の死。そして沸き起こる徳川の内紛と、伊達政宗の謀叛の動き・・・。
さらに、往年の敵手、本多正純(本多正信の息子・正信はすでに死去)との確執。伊達政宗を動かし、政権を掌握しようとする本多正純……。
亀は伊達政宗を説得するため仙台へ向かう……
シリーズフィナーレ。
あくまでも構想ですし、果たして書き続けられるかどうか、わかりません。
世の中、なにがどうなるかわかりませんから……。けれど、発表の機会があれば、ぜひ、亀のその後の物語をお楽しみに……
山の上の空き家の紙葉庵にて
0
お気に入りに追加
5
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
獅子の末裔
卯花月影
歴史・時代
未だ戦乱続く近江の国に生まれた蒲生氏郷。主家・六角氏を揺るがした六角家騒動がようやく落ち着いてきたころ、目の前に現れたのは天下を狙う織田信長だった。
和歌をこよなく愛する温厚で無力な少年は、信長にその非凡な才を見いだされ、戦国武将として成長し、開花していく。
前作「滝川家の人びと」の続編です。途中、エピソードの被りがありますが、蒲生氏郷視点で描かれます。
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
鬼が啼く刻
白鷺雨月
歴史・時代
時は終戦直後の日本。渡辺学中尉は戦犯として囚われていた。
彼を救うため、アン・モンゴメリーは占領軍からの依頼をうけろこととなる。
依頼とは不審死を遂げたアメリカ軍将校の不審死の理由を探ることであった。
大罪人の娘・前編
いずもカリーシ
歴史・時代
世は戦国末期。織田信長の愛娘と同じ『目』を持つ、一人の女性がいました。
戦国乱世に終止符を打ち、およそ250年続く平和を達成したのは『誰』なのでしょうか?
織田信長?
豊臣秀吉?
徳川家康?
それとも……?
この小説は、良くも悪くも歴史の『裏側』で暗躍していた人々にスポットを当てた歴史小説です。
【前編(第壱章~第伍章)】
凛を中心とした女たちの闘いが開幕するまでの序章を描いています。
【後編(第陸章〜最終章)】
視点人物に玉(ガラシャ)と福(春日局)が加わります。
一人の女帝が江戸幕府を意のままに操り、ついに戦いの黒幕たちとの長き闘いが終焉を迎えます。
あのパックス・ロマーナにも匹敵した偉業は、どのようにして達成できたのでしょうか?
(他、いずもカリーシで掲載しています)
転生一九三六〜戦いたくない八人の若者たち〜
紫 和春
歴史・時代
二〇二〇年の現代から、一九三六年の世界に転生した八人の若者たち。彼らはスマートフォンでつながっている。
第二次世界大戦直前の緊張感が高まった世界で、彼ら彼女らはどのように歴史を改変していくのか。
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる