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あとがき

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 ご愛読(?)(!)いただき、ありがとうございます(´∀`*)

 あえて一人称展開にしましたので、読みにくい箇所も多かったとはおもいますが、おゆるしください。

 さて。

 ここまで、お読みいただけた方なら、の亀の兄、徳川信康が、〈南光坊天海〉として生き続けていく構成に、驚かれた方もおいでかもしれません。

 南光坊天海は、実在の人ですが、じつのところその前半生はまったく不明で、謎の人物の一人です。
 この、南光坊天海をめぐっては、有名なのが、
 〈天海=明智光秀〉説
です。

 いくつかの傍証もあるようで、筆者わたしが、天海光秀説を知ったのは、名作
『吉原御免状』(隆慶一郎)
でした。
 隆慶一郎(1923~1989)の一連の歴史小説は、司馬遼太郎のそれとは違った意味のインパクを与えてくれました。
 
 紙葉が、最も影響を受けたのは、古くは坂口安吾の『信長』、司馬遼太郎、山本周五郎、池波正太郎ら大御所、そして、藤沢周平、隆慶一郎、宮城谷昌光(敬称略)でしょうか。
 あえて敬称をつけないのは、その作家名自体が、ブランドであり、かつ、文学史上に画期を刻むものだからです。敬称をつけないのが、なによりの敬称、なのだとおもっています。

 話がれました。
 天海光秀説には、大変、興味をそそられました。あるいは、本当に、天海は明智光秀だったのかもしれないともおもえてきました。
 けれども。
 紙葉は、亀姫の兄・信康を、のちの南光坊天海として、この物語上設定しました。
 傍証はまったくありません。
 作者の妄想以外のなにものでもありません。また、すでにこの説をとなえておられる方がいられるかもしれません。

 いずれにせよ、
『あるいは、そうであったとしても不思議ではないかも』
という〈if〉の心持ちをベースに、この亀の物語を書きました。

 実は、本編を第一部として、以下の構想をもっています。
 あくまでも構想段階ですが、
成長していく亀(年齢を重ねた亀)を筆頭に、兄(南光坊天海)、大久保彦左衛門、奥山休賀斎、佐助、熊蔵(実はのちの関東総代官、伊奈備前守忠次)、弥右衛門、五郎兵衛、詞葉、巣鴨……らとともに、生き抜いていく物語、そのときそのときの歴史上の人物との交流歴史秘話を描いていきたいとおもっています。
 なお、表現は、一人称ではなく三人称も想定しています。〈巻によって、異なるかも〉



□第二部

 面識もない明智光秀から、旧芦名衆の面々を紹介してほしいと頼まれた亀。さらに封印したはずの明国皇女の秘密を探ろうとする動きに驚く亀とその仲間たち。………本能寺の変前夜の光秀と亀の交流。

□第三部

 本能寺の変直後、京に居た亀とその仲間たち。父・家康を無事に三河へ落ち延びさせるために縦横無尽に暗躍。そして、切腹したはずの兄は、南光坊天海として、逃亡中の家康と再会する……。

□第四部

 天下人となった秀吉の出生の秘密とは?秀吉の指示で、大坂へ行くことを決心した真田昌幸は、亀に同道を頼む。生命を脅かされる亀を救った石田三成に、年甲斐もなく心がときめく亀……。

□第五部 

 秀吉の死は、父家康の暗殺?なのか。その真偽をめぐって水面下で格闘する武将たち。
 ふたたび大坂、京に風雲が立ち込める。
 秀吉は、秀頼のほか、あと二人の男子をもうけていた……その少年たちを救うために、亀は立ち上がった……

□第六部

 父家康の謀臣、本多親子。正信と正純(まさずみ)が、亀の前にたちはがかる。
 二代将軍秀忠に、面と向かって物を言う亀や大久保彦左衛門が排斥されようとしていた。一方、天海(兄・信康)は着々と徳川内部で地歩を固めつつあったが、天海の秘密を探ろうとする本多一派に難問解決をつきつけられる。亀は仲間とともに、本多親子に立ち向かう。


 
□第七部

 父家康の死。そして沸き起こる徳川の内紛と、伊達政宗の謀叛の動き・・・。
 さらに、往年の敵手、本多正純(本多正信の息子・正信はすでに死去)との確執。伊達政宗を動かし、政権を掌握しようとする本多正純……。
 亀は伊達政宗を説得するため仙台へ向かう……
 シリーズフィナーレ。
 

 あくまでも構想ですし、果たして書き続けられるかどうか、わかりません。
 世の中、なにがどうなるかわかりませんから……。けれど、発表の機会があれば、ぜひ、亀のその後の物語をお楽しみに……

      山の上の空き家の紙葉庵にて

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